吉備・播磨の旅 -5-
2025年4月4日から6日にかけて、吉備(備中・備前・美作)・播磨に行ってきました。その様子を報告しています。
今日はその第5回。
今回は、鬼ノ城 前編です。
吉備・播磨の旅 -1- で「吉備は邪馬台国の中心地であった」かも?とありました。
少なくとも、大和や出雲と深いかかわりのある政権があったことは間違いありません。
周辺の史跡の一部です。
後日、造山古墳の時に紹介しますが、北西(左上)の御灰山古墳だけで、133基の古墳が確認されています。
このことを頭に入れて、鬼ノ城を見ていきましょう。
画像出典 https://www.city.soja.okayama.jp/kanko_project/kanko/kannkou_bunnka/kankouti/kinojyo/kinojo.html
なぜつくられた?
ここで天智天皇が関係します。
白村江の戦い(663年8月)の後、日本は唐・新羅軍の侵攻のに備えるため、日本本土の防衛を強化するための施策を打ち出しました 。その中心となったのが、九州の太宰府(だざいふ)、および近畿地方の都を守るための防御施設の建設でした 。
具体的には、以下の対策が講じられました。
水城(みずき)の築造:665年に、太宰府を守るための重要な拠点として築かれました 。
古代山城(こだいさんじょう)の築造:水城と同じく665年からその翌年にかけて、太宰府を守るために九州北部を中心に築かれました 。古代山城は山の地形を活用して築かれた城で、敵の侵入を防ぎ広い範囲を監視する役割を持ちました 。代表的な古代山城としては、太宰府を背後から守る大野城(おおのじょう)や基肄城(きいじょう)が挙げられます。
大野城は、王子山に築かれた全長約8kmの石垣で山全体を囲む巨大な山城で、太宰府を背後から守る最後の砦としての役割を果たしました。土塁の内側には多くの建物が建っていたことがわかっています。基肄城(きいじょう)は、現在の佐賀県基山町に位置し、石垣や土塁で囲まれた山城であり、大野城と連携して太宰府を守る機能を持っていました2 。基肄城からも大野城を望むことができ、両城が連携していた様子がうかがえます 。
その他の古代山城が、屋嶋城(やしまのき)、長門城(ながとのき)、高安城(たかやすのき)、茨城(いばらき)、稲積城(いなづみのき)、三尾城(みおのき)、そして、鬼ノ城 なのです。
ただし、鬼ノ城は『日本書紀』に載っていません。これが謎を深めているのです。
防人(さきもり)の配置:これらの防御施設を守るために、防人と呼ばれる兵士が主に遠方から徴用されたのです 。
桃太郎に出てくる鬼ヶ島?
画像出典 http://mizuki.my.coocan.jp/okayama/soujasi.htm
鬼ノ城は、桃太郎伝説における鬼ヶ島と関連付けて語られます 。
桃太郎伝説は、大和朝廷がこの地域にいた温羅一族を滅ぼしたことの正当性を主張するために作り上げられたという説がありました。温羅一族を悪者である鬼とし、大和朝廷側の勢力(桃太郎)が彼らを討伐することで平和が訪れたという物語にしたのではないかと推測していました1 。
温羅については、吉備・播磨の旅 -1-の 矢置岩 の解説をご覧ください。
もっとも、桃太郎の話自体は、一寸法師同様、御伽草子の一つで、鎌倉末から戦国時代にかけてできたのではないかと思います。しかし、その原型があったとしてもおかしくはなく、温羅一族との闘争が無関係とも言い切れません。
以上のことを踏まえて、鬼ノ城へ行きましょう!
駐車場へ着きました。
この左側に見えるのがビジターセンター。鬼ノ城に関する説明がわかりやすく展示されています。
中に入りましょう。
鬼ノ城の模型で全体像を把握できます。
今回、初めに述べた「古代山上(こだいさんじょう)」について説明されています。
ここらが鬼ノ城です。
概要です。
取り巻く景観
上から見た全景
南側を見ると・・・
4つの城門
メインは、西門です。
西門の土塀は、版築土塁と言われています。
姫路城でも使われています。
その作り方です。
上の写真のはぎとったところが次。
その道具
高石垣について
敷石について
水門について
土手状遺構
鍛冶工房跡
まだまだ展示物はありますが、ぜひ現地へお出かけください。
動画も魅力的です。
中庭に出ると・・・・総合案内がありました。
左の部分を拡大してみます。
中央の地図の部分。
それでは、出発です。
長くなりました。
最後に動画です。
鬼城山ビジターセンター
【鬼ノ城】打倒!桃太郎!?桃太郎伝説に隠された秘密とは!古代山城鬼ノ城《前編》 #歴史 #城 #日本史
明日の第6回に続きます。明日は 鬼ノ城 中編 です。
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