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神奈川新聞を読む  憲法無視ゆるさない

2015年07月12日 | Weblog

「憲法無視許さない」 安保法案、県内でも非難

カナロコ by 神奈川新聞 7月12日(日)7時0分配信

 

◆横浜で専門家らシンポ
 「違憲」との指摘が相次ぎ、反対の声が日増しに強まりながら、安倍晋三政権が早期成立に突き進もうとする安全保障関連法案。政府、与党が16日にも衆院を通過させる方針を示して重大な局面が差し迫る中、県内では11日、専門家や市民が「憲法無視、民意無視の独裁は許さない」と声を上げ、法案成立への強い危機感を示した。

 安全保障関連法案の問題点を考えるシンポジウム「戦争法案を問う-国家・地域・経済の視点から-」が、横浜市中区山下町のワークピア横浜で開かれた。憲法学者など第一線の専門家らが法案や安倍政権の姿勢を厳しく非難、廃案に向けたさらなる活動を呼び掛けた。神奈川ゆかりの大学関係者でつくる「神奈川憲法アカデミア」が主催、市民ら約70人が参加した。

 東海大学法科大学院の永山茂樹教授(憲法学)は、安倍政権には立憲主義や議会制民主主義の軽視などがあると手厳しく批判。「世論の反対を受け、安倍政権は非民主的な政治手法を取らざるを得ない状況に追い込まれている。戦争法案は憲法が求める民主的な仕組みと平和主義を否定する。(成立阻止に向け)身近な活動から参加してほしい」と訴えた。

 東京大学の小野塚知二教授(経済史)は「戦争法案は軍事同盟をつくるためで、秘密の義務が国際化する」と説明。特定秘密保護法にも言及し、「国民のチェックが及ばないところで秘密が際限なく肥大化していく」と民主主義と自由への強い危機感を示した。

 「米国が始めた戦争に巻き込まれる」。そう報告するのは「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」共同代表の呉東正彦弁護士だ。自衛隊員の戦死、戦場後遺症と自殺者増加に加え、日米地位協定の不平等状態の拡大や地方自治の制限など市民生活への影響を挙げた。「『軍隊だから例外』という最たるものが米軍横須賀基地の原子力空母配備問題」とし、「横須賀で起きていることが日本中で起きてはならない」と話した。

 コメンテーターを務めた神奈川大学法科大学院の阿部浩己教授(国際人権論)は「国際法の理念は脱暴力、権力行使の制御であり、最も先鋭的に進んでいるのが日本国憲法」と紹介。「言葉を大切にして、『戦争』を『平和』という人に対して『それは戦争だ』とはっきり言うことの積み重ねが、理念を現実に浸透させる大きな力になる」と強調し、「理念を譲り渡してはいけない」と訴えた。

◆鎌倉でも500人パレード
 市民の声よ、届け-。鎌倉市で、「安保関連法案に反対するピースパレードinかまくら」が行われた。与党が週明けにも法案衆院通過を目指す今、「一人一人が反対の思いを表現しよう」と、老若男女約500人が声を上げた。

 「違憲法案に喝!」「強行採決するな」「民意is here(民意はここにある)」-。久しぶりに晴れ渡った週末の古都にプラカードが掲げられた。ベビーカーを押す夫婦、太鼓を打ち鳴らし歌う一群、浴衣姿の女性たち、壮年の男性陣、お年寄りも。世代や立場を超え、法案成立への危機感を表明した。

 宗教者の姿もあった。カトリック雪ノ下教会司祭の山口道孝さんは「安保法案や原発再稼働。政権は国民の意思を無視している。仕方ない、などとは言っていられない」。

 JR鎌倉駅前から若宮大路、小町通りへ。行き交う観光客にはシュプレヒコールに耳を傾ける人もいれば、苦々しい表情で通り過ぎる人もいた。

 6カ月の三女をおぶった母親(27)=同市長谷=は「母として差し迫った問題と感じている。パレードを見た人の頭の片隅に、メッセージが残ってくれたら」と話した。戦中、戦後の厳しい時代を体験した男性(75)=同市玉縄=は、現状に不安を覚える。「他者の話に耳を傾けない政権だが、どこかで流れを転換させる。それまで何度でも参加したい」

 主催した市民有志らでつくる実行委員会は「法案が廃案となるまで続ける」。


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