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高速道路1000円や無料化に対しての社民党の見解

2009年09月05日 | Weblog
■基本的立場

 政策的にメリハリのついた料金政策はありうるが、民営化された高速道路各社に料金割引分を税投入し、効率化や営業努力と関係なく料金保証をする政策は、交通モード間の不公正な競争をもたらすものであり、受益者負担原則(高速道路を使わない人に割引分やこれまでの借金をつけ回し)や地球温暖化対策や環境対策に逆行(CO2、NOX、PMの増加)、財源問題(他に優先して使うところがある)、総合交通政策との整合性(モーダルシフトやマイカー依存からの脱却)、地域生活交通への影響(渋滞による高速バスの乗客逸走が生活路線バスの赤字への内部補助を困難に、競争に負けたフェリーの撤退)等の観点から問題が多い。
 国が地域の活性化や国民生活の下支えをするのであれば、高速道路やマイカーの利用促進ではなく、公共交通や物流などのすべての交通モードに対して必要な対策を講じ、人・まち・環境にやさしい公共交通を築くべきことを主張。

■民主党の高速道路無料化について

(1)民主党の「民営化」方針と矛盾
・これまで民主党は、高速道路の維持管理のみを民営化する「上下分離」を批判し、厳格な民営化を迫ってきた。しかし、税金による債務償還を前提とした高速道路の無料化は公団の国有化を意味し、民営化方針とは相いれない。従来、民主党が掲げていた公団民営化・有料制維持との整合性はどうなるのか。

(2)全国民への負担転嫁は不公平
・利用者が特定でき、個別料金の徴収も可能な高速道路は、受益者負担原則を徹底し、利用者から適正な料金を徴収することが公正である。受益者負担の原則から外れて、高速道路を使わない人、高速道路が通っていない地域の人、車を使わない人にも負担を求めることになるが、果たして公正・公平といえるのか。また、特定の受益者が限られる高速道路について、特殊法人の債務を国に付け替え、全国民の負担とする方法で、国民の理解は得られるのか。
・本来費用を負担すべき受益者が費用負担を免れれば、市場がゆがむことになる。高速料金を引き下げても高速道路に要する費用が減るわけではなく、結局国民の負担に転嫁されるだけである。

(3)環境悪化を促進
・高速道路が有料である場合、利用者は、その料金が利用することによる便益を下回る範囲でしか利用しない。しかし、料金がゼロなら好きなだけ利用することになり、車が増加するが、一方、トラックなどの幹線貨物輸送を鉄道・海運にシフトする「モーダルシフト」とも食い違うことになる。
・温暖化ガス排出の交通部門の寄与分は非常に大きい。高速道路が無料になり、高速道路利用率が向上すれば、CO2、NOx、騒音等の環境問題が悪化する。今春の大型連休の2週間だけで高速道路「千円乗り放題」により二酸化炭素(CO2)排出量が66万トンアップ(「環境自治体会議・環境政策研究所」)。公共交通機関の利用が減って、トータルとしてCO2が増えることになれば、まさに温暖化対策に逆行することに。

(4)公共交通が衰退
・マイカーが優遇されるため、鉄道やバス、フェリーなどが競争上不利になり、収入が減するおそれ。渋滞による高速バスの所要時間増加や乗客逸走も発生。

(5)ストロー効果の発生
・経済効果というが、経済力の弱い地方を中央と結ぶとストロー効果が生じ経済が疲弊することになる。

(6)雇用問題の発生
・「高速道路無料化」により高速道路各社の料金収受に関わる者の雇用が無くなる恐れがある。特に収受員は地元の高齢者を採用しているケースが多く、地方の高齢者の雇用不安の問題にもつながる。また、無料区間の管理運営や高速道路建設・出入口の増設を直接国で実施することになると、高速道路各社の社員の雇用不安を招くことになる。料金収受部門の13000人の労働者、グループ35000人の雇用にかかわる問題である。
・道路会社で料金徴収などを担当している職員らの雇用問題に関しても、具体策は盛り込まれていない。

(7)逆に社会的費用の負担を
・地球温暖化対策やクルマ社会の負の側面から、イギリスロンドンのリビングストン市長は、渋滞緩和の一環として、平日の日中に市中心部に流入する車両に課す「渋滞税」(1日8ポンド=約1700円)を03年に導入し、素晴らしい効果を上げている。
・マイカー優遇でなく、総合交通体系や地球温暖化対策の観点で、社会的費用の負担を求めるべきである。
・低炭素社会をめざしながら、地域の景気も良くしたいと思うなら、高速道路より公共交通機関に税金を投入するべきである。

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