日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

秘文字

2007-12-13 | 読書

秘文字 (1983年)
価格:¥ 1800
発売日:1983-03

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手放せない本はたくさんあるのだが

その一つがこの「秘文字」

推理作家3人による短編の競作なのだが

特徴的なのはその中身だ

泡坂妻夫「かげろう飛車」

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中井英夫「薔薇への遺言」

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日影丈吉「こわいはずだよ狐が通る」

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そう・・・

全篇が暗号で書かれているのである

奇矯な本だ

しかも

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これらの作品は全て暗号小説・・・

作品の暗号を解きながら読み進めると

作品中にも暗号の謎がでてくるという・・・

好きな者にはたまらない物なのだ

 

活字の関係からだろう

「踊る人形」のような奇妙な暗号にはできなかったようだが

それぞれできる範囲で工夫を凝らしているのが分かる

この企画は編集者主導だったのだろうなと想像できる

 

・・・勤め始めたばかりの頃の私は

この本を買ってどうしたのかというと

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汚い字で解読を行なっていた・・・

しかし、2作品で力尽きているようだ(笑)

根気の要る本である

 

勿論、根気のない人のために

袋とじの回答編も付いているので安心して買うと良い

絶版だけどね・・・

こんな度量の広い出版社は今は存在できないのだろうな

コメント
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