日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

メラミン(分子模型)

2008-09-22 | 分子模型図鑑

ニュースになった化学物質シリーズ「メラミン」である

中国の牛乳に混入され・・・(また中国か・・である)

それを使った乳製品が汚染されたらしい

メラミン

P1000923

窒素を含む複素環にアミノ基が3つもついている

この窒素の量がメラミンを牛乳に混ぜ込んだ理由である

1 中国の業者は牛乳を水で薄めた

2 そのままでは薄めたことが検査でバレる

3 検査はタンパク質の量を計測する

4 タンパク質の量は窒素の割合で計測する

5 窒素を増やせばバレない

6 メラミンは窒素を多く含む

7 薄めた牛乳にメラミンを入れよう

という流れのようである

メラミン自体はたいした毒性は持っていないが

体に不要な物質なので腎臓のフィルターに引っかかり

腎不全を起こすということのようだ

 

「メラミン」と聞いて我々が思い出せるものには

メラミン製の給食食器とか

メラミン樹脂フォームのスポンジとかがある

こちらのメラミン樹脂はメラミンとは全く物性の異なるものだが

関係がないわけではない

メラミン樹脂

P1000925

メラミンがたくさん縦横に繋がった高分子化合物である

頑丈なプラスチックに成る

以前、「給食用食器に環境ホルモン」という問題が起こったときに

ポリカーボネートをやめてメラミンに替えようとする学校があったが

メラミン樹脂はホルムアルデヒドが溶出するとかいう説もあり

あの頃の給食担当は頭を悩ませたものだ

それはメラミンからメラミン樹脂を作るときに

ホルムアルデヒドを反応させて

メチロールメラミンという中間生成物を作るからだ

メチロールメラミン

P1000922

結局

国内で作るメラミン樹脂には

未反応のホルムアルデヒドが残ることなどまずなさそうだ

・・・中国製品だった場合は・・・

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含硫黄アミノ酸(分子模型)

2008-08-20 | 分子模型図鑑

タンパク質を構成する20種類のアミノ酸

本日で最後である

 

シスチン

Photo

黄色い原子が硫黄である

タンパク質の部品としてのシスチンは

遠く離れたシスチンと結合してタンパク質に輪を作るという

立体構造を決める働きをする重要な役目がある

メチオニン

Photo_2

メチオニンはタンパク質の始まりに必ず使用されるアミノ酸

必須アミノ酸なので

食品として取り入れなければならない

 

ここまでの20種類のアミノ酸で

様々なタンパク質(筋肉・酵素・皮膚・血球…)が作られるのは

脅威である

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親水性中性アミノ酸(分子模型)

2008-07-19 | 分子模型図鑑

親水性アミノ酸には

酸性・塩基性アミノ酸(紹介済み)以外に

中性のものがある

それを更に細分化するならば

アミドの側鎖を持つものと

アルコールの側鎖を持つものに分けられる

アミド型は次の二種

アスパラギン

Photo

グルタミン

Photo_2

以前紹介したアスパラギン酸・グルタミン酸

カルボキシル基にアンモニアが脱水縮合をした形状だ

この部分をアミドという

 

アルコール型は次の2種

セリン

Photo_3

トレオニン

Photo_4

トレオニンはスレオニンとも呼ばれる

 

これら親水性アミノ酸のタンパク質の中での役目は

タンパク質の表皮のような役である

体内は水分に満ちているので親水性のアミノ酸は

よく馴染んでいるのだが

疎水性のアミノ酸は

生体内では水分に弾かれて内側へと集まろうとする

つまりタンパク質は

親水性アミノ酸を外に

疎水性アミノ酸を内側にして形を作ろうとするのだ

タンパク質の構造を決定するのに

親水性・疎水性の違いは大きな働きをしているといえる

ボールペンの油性・水性よりは重大な違いなのではないかな

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塩基性アミノ酸(分子模型)

2008-07-08 | 分子模型図鑑

アミノ基を過剰に持つ塩基性アミノ酸3種を紹介する

リジン

Photo

英語読みではリシン

必須アミノ酸

植物性タンパク質への含量が低いので

動物性タンパク質も取らなければ欠乏の恐れあり

形状的にはスペルミジンを思わせる

 

アルギニン

Photo_2

窒素の青が多いことで分かるように

非常にアルカリ性の強いアミノ酸だ

これらの塩基性アミノ酸

タンパク質の部品としての役目は

昨日の酸性アミノ酸とのソケットのような役割

プラグのオスとメスにあたる

 
ヒスチジン

Photo_3
必須アミノ酸

金属とタンパク質に使われる部品

写真左上の青くて丸い部分(窒素)で

金属イオンと配位結合という結合をする

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酸性アミノ酸(分子模型)

2008-07-07 | 分子模型図鑑

今日紹介するのは

側鎖の方にもカルボキシル基がついて

酸性基2:塩基性基1 の比となり

水溶液が酸性に傾くアミノ酸である

アスパラギン酸

Photo

疲労回復に良いといわれる

グルタミン酸

Photo_2

アスパラギン酸より炭素1個分だけ長い

ともに酸味・旨味を持つ

特にグルタミン酸は中和して

グルタミン酸ナトリウムとして

調味料としてがんがん使われている

まず不足することのないアミノ酸だ

タンパク質の部品としての役割は

親水性で負電荷を持ち

他の物質の正電荷と引き合う

ソケットのような役を担う

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マラカイトグリーン(分子模型)

2008-07-05 | 分子模型図鑑

中国ウナギから検出された抗菌剤として

ちょっと有名になった「マラカイトグリーン」

その本質は「~グリーン」の名から分かる通り

「色素」である

菌を酸化して殺すことができるので

熱帯魚の治療薬などで日本でも購入できる

メタミドホスなどと違って猛毒は持っていないので

それほど怖がるべき物ではない

マラカイトグリーン

Photo

それではなぜ問題になったのかというと

発がん性の疑いがあるといわれて

食品に入っていてはいけないことになっているからだ

発がん性についても疑いという程度なのだが

マスコミはいつでも大げさに伝えるから

ウナギを食ってすぐガンになるわけではない

まあ

中国産が何入っているか分からないのは

もはや経験的事実ではある・・・

よく似た立場にある色素にメチレンブルーがある

メチレンブルー

Photo_2

分子構造はこんな感じ

ベンゼン環にジメチルアミノ基が2つというところも

マラカイトグリーンに似ている

やはり熱帯魚などの治療薬として

ホームセンターなどで購入可能だ

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大きなアミノ酸

2008-06-26 | 分子模型図鑑

大きなアミノ酸と書いたが

今回は分子量の大きな

芳香族アミノ酸や複素環アミノ酸の紹介

 

フェニルアラニン

Photo

必須アミノ酸であり

体内でチロシンに変化しさらにドーパミンなどの原料となる

フェニルアラニンをチロシンに変えることができない病気があり

患者はフェニルアラニンを含む食品を控えねばならない

 

チロシン

Photo_2

フェニルアラニンに水酸基がついたもの

フェニルアラニンから作れるので必須ではない

ドーパミンやメラニンの材料となる

 

トリプトファン

Photo_3

これも必須アミノ酸

20種の中で最大のアミノ酸だ

セロトニン・メラトニンといったホルモンの材料となるため

不足するときっと安眠できない

(それだけで済めばいいが)

 

ヒスチジン

Photo_4

必須アミノ酸かつ塩基性アミノ酸

ヒスタミンの材料となる

 

今日紹介したアミノ酸は

タンパク質の部品としての役目以外に

ドーパミン・メラニン・セロトニン・メラトニン・ヒスタミン

といった生きていく上で重要な物質の原料(前躯体)となる

大事なアミノ酸だ

ただ大きいだけではなかった

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分岐鎖アミノ酸〈BCAA〉(分子模型)

2008-06-23 | 分子模型図鑑

今日紹介するバリン・ロイシン・イソロイシンは

分岐鎖アミノ酸(Branched Chain Amino Acids )と呼ばれ

「BCAA」という名称で

栄養ドリンク サプリメント等によく引っ張り出されている

 

筋肉を作るタンパク質「ミオシン」等は

アミノ酸の約三分の一がBCAAなのだそうだ

 

共通する特徴は側鎖が分岐したアルカンであるということだ

タンパク質の部品としては

水をはじきガッチリとした組織を作る役目があるのだろう

もう一つ共通するのは

必須アミノ酸であるということ・・・

前回のアラニンなどは

体内で炭水化物などからも作ることができるのだが

必須アミノ酸は体内で作れないので

食事によって他の生物のタンパク質を摂る必要がある

バリン

Photo

ロイシン

Photo_2

イソロイシン

Photo_3

俗に「筋肉をつくる」、「疲労を抑える」といわれているBCAAだが

脂肪燃焼を促すというダイエット効果に関しては

信頼できる充分なデータが見当たらない。

必須アミノ酸とはいえ

通常の食事で不足することはまず無いので

サプリ等での過剰摂取の方を心配するべきだろう

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小さなアミノ酸(アミノ酸分子模型1)

2008-06-20 | 分子模型図鑑

グリシン

Photo

20種類の中で一番単純かつ軽量のアミノ酸

タンパク質の部品としての役目は

「タンパク質を長くする」といった程度のものなので

ほとんど含まれていないタンパク質が多いのだが

繊維性のタンパク質ともいうべきコラーゲン(ゼラチン)には

3割も含まれている

アラニン

Photo_2

グリシンの中央の炭素にメチル基がついただけのもの

ゆえにグリシンの次に小さなアミノ酸である

だがグリシンと違ってほとんどのタンパク質に含まれている

光学異性体(後述)を持つ最小のアミノ酸だ

体内の糖分が不足するとタンパク質が分解されて

このアラニンなどを材料にしてブドウ糖が作り出される

「炭水化物ダイエット」なんて言っていると

身体(タンパク質)を壊すよ

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アミノ酸(分子模型)

2008-06-19 | 分子模型図鑑

2日連続で更新できなかった

今週は何故かあっという間に寝てしまう

疲れているのかもしれない・・・

そんなときはアミノ酸だ

というわけで前回に引き続きアミノ酸の話

・・・こんな導入でよろしいか?

 

アミノ酸が体に必要な最大の理由は

それがタンパク質を形作る部品だからである

1種類の部品からは限られた製品しかできないので

タンパク質も何種類かの部品からできている

 

タンパク質を形作るアミノ酸は

20種類である

Photo

20種いっぺんに写真をのせたが

それぞれに特徴のある部品なのである

自分勝手に大きく分類すると写真左上から右に

1 親油性の小さなアミノ酸

2 親油性で大きなアミノ酸

3 親水性でアルカリ性のアミノ酸

4 親水性で酸性のアミノ酸

5 親水性で中性のアミノ酸

6 硫黄を含んだアミノ酸

というふうに分けられる

 

次回よりくわしく紹介するが

食品や栄養ドリンクでよく聞く名前が出て来るはずだ

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