TPPで年末選挙だって！？

永田町界隈は、昨日は朝から「ＴＰＰを争点にして年末選挙！？」という読売新聞の記事に翻弄された。8月18日のカンボジアで開催される東アジアサミットで野田総理がＴＰＰ交渉参加表明するのではないかという憶測は早くから流されていたが、まさかそれが争点でこの難しい時期にわざわざ政治空白を作っての選挙とはねえ．．．違憲状態と指摘された一票の格差や定数是正の公約も実現されていない状況で、およそ意味のないテーマで政治を停滞させるなら、それこそ天罰が下ってもおかしくないよね。ＴＰＰはすでにドーハ化（ＷＴＯ）と揶揄されているように、まだまだ各国主張の調整でマラソン交渉になるし、主導するアメリカの国内で反対が盛り上がってきて、その先行きもわからない多国間の超野心的交渉に参加表明するのが選挙の争点かねえ？
党内では「もう離党だ」なんて声もあちこちで上がっているが、それこそ枯れ尾花に踊らされているようなものだと思うな。
それより驚かされるのは日本はもちろん世界中でトップニュースとして紙面の第一面を飾るはずの中国共産党大会の記事を押しのけて、こんなテーマを堂々と第一面に掲載する読売新聞の「大英断」だ！きっと巨大化する隣国中国の脅威よりも、野田総理のカンボジアでの演説のほうがはるかに重要だという判断によるものだろう．．．
まあ、選挙はおそかれ早かれやってくるので、たいしたニュースではない。日本のメディア各社も、選挙日の予測なんかよりも、世界を激変させているオバマ新政権の動向や中国情勢についてもっと正確で十分な情報を発信してほしいものだ。