SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

泡立つ声の水面

2010年09月19日 | Weblog
RT @hazuma_bot:存在論は二重襞性(クラインの管)を扱い、グラマトロジーは二枚重ね性(裏打ちされ剥離するDa)を扱う。存在者と存在のあいだの存在論的差異のかわりに、シニフィアンとエクリチュール、存在者とその幽霊とのあいだの差延が、声の水面を微細に泡立たせ続ける。(東浩紀著『存在論的、郵便的』304ページ)

 声の水面を泡立たせるだと......。ていうか、『シン・レッド・ライン』で日本兵に囲まれたウィットが何故か銃を上げてしまう件のシーンに、何事かの「差延」の働きを感じるのは気のせいなのか。その表情からも推測されるのは、そのときウィットは「音が聞こえていない」ということ。ではそもそも「差延」とは何か。初登場の高橋哲哉にキーワード解説してもらおう。

RT @TetsuyaTakahashi_bot:空間的差異化=間化(espacement)であるとともに、時間的差異化=待機(temporisation)でもあるような「諸差異の産出の運動」を表わし、differenceとdifferanceの差異は、発音上はまったく同じため声によっては知覚されず、文字として書かれてはじめて意味をもつことから、形而上学の音声中心主義が抹消してきた差異の運動、原エクリチュールの運動を象徴するとされる。(高橋哲哉著『デリダ』311ページ)

第9地区

2010年09月19日 | Weblog
 この南アフリカのヨハネスブルグ上空に浮かび上がった巨大UFOの姿は、それだけで十分に見る者の想像力をかきたててくるが、困ったことに監督のピーター・ジャクソンには、ほとんど小学生程度の想像力しかなかったようである。DVDを観始めてすぐに2倍速にし、次いで3倍速にして、およそ10分程度で鑑賞を終えた。地方のケーブル局の番組制作者が作ったシロモノだ、と言ってしまえばケーブル局に失礼だろう。これならまだ『エイリアンVSプレデター』のほうが楽しめるが、驚くべきことに、これほどのクソ映画に高得点を付けている大人が少なからずいるのである。なにしろ3倍速で観ていたので分からなかったが、とすると、もしかしたら傑作だった可能性もある。倍速のなかで見かけたあのエイリアンの子供の涙には、何か特別に深い意味がこめられていたのだろうか。誰かこの映画のどこに見所があるのか教えてくれないか。言われたとおりに見直してみるからさ......。