カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「宿命」東野圭吾

2021年12月10日 21時55分59秒 | 本 / BOOKS

1990年に発表された東野圭吾の小説。

「宿命」とは・・・
人が生まれる前から決められている巡り合わせの事。
天から与えられた使命であり人の力では抗う事のできない
絶対的なものである。

主人公の和倉勇作の幼少の頃から物語は始まる。
近所にあるレンガ病院と言う脳の専門病院で遊んでいた勇作は、
サナエと言う女性患者に心を惹かれるが、ある日、サナエは、
窓から転落して死んでしまう。警察官の勇作の父は、
その事件を担当するが上からの圧力で捜査は打ち切りとなる。

勇作は小学校で人気者であったが、瓜生晃彦が転校してくる。
晃彦は誰とも打ち解けなかったが家柄も良く頭脳も明晰で、
スポーツも万能、それまでトップだった勇作は2番手になる。

勇作は医者を目指すが入試に失敗し家庭の事情もあって、
警察官になる事にし、1歳年下の恋人:美佐子とも別れる。

美佐子は父親の伝手で入社した会社の社長の息子に見初められ、
玉の輿に乗るが、夫の脳外科医師:瓜生晃彦には謎が多かった。

晃彦の父親が病死し別派閥の人間が社長となるが、
他殺体で見つかる。その事件を捜査する事になった勇作は、
瓜生家を訪ね美佐子が瓜生晃彦と結婚していた事を知る。

ここから幼少の頃の出来事と現代とがつながる。
晃彦がなぜ会社を継がずに脳外科医師となったのか?
勇作と晃彦、美佐子を結ぶ糸は? 

最終的に三人の父親が結びついていた事がわかるのだが、
アッと驚く展開に・・・・。

2004年にWOWOWでドラマ化された時のキャストは、
和倉勇作=藤木直人、瓜生晃彦=柏原崇、美佐子=本上まなみ。

東野圭吾の小説はかなり読んできたが、
親子関係や親の代から続く因縁めいたものについて、
複雑で「あっ」「えっ」と声が出てしまうくらい、
誰も考えつかない事を思いついているところが凄い。

作家と言うのは一般人とは頭の構造がかなり違うんだね。
私も妄想癖があるが到底及ばない。

コメント (5)
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