カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「神々の山嶺」夢枕獏

2024年10月02日 21時33分59秒 | 本 / BOOKS

1997刊行の夢枕獏の山岳小説。

ヒマラヤ山脈にある世界最高峰エヴェレスト(8848m)は、
ネパールと中国の国境にある。(チベット語:チョモランマ、
ネパール語:サガルマータとも呼ばれている。)

インド測量局の長官ジョージ・エベレストの名前がつけられているが、
それは世界最高峰である事を発見したためだ。

 

私は山女ではないので登山もしなければ、
さほど興味があると言うわけではないのである。
が、最初にインドの西ベンガル州ダージリンへ行った際、
物凄い遠くにエベレストの山頂を観た事があった。
インドからなのでかなり遠かったし、
手前の山の彼方に白い頂が見えたに過ぎなかった。

次にインドのマニプル州インパールへ行った際に、
快晴だったので飛行機から運よく見えたのがこちら。

そしてネパールのカトマンドゥで知り合った方に頂いたのがこれ。
5364mにあった石のかけらだそうだ。

エベレストに初登頂したのは1953年5月29日、
イギリス隊のニュージーランド人エドモンド・ヒラリーと
ネパール人のテンジン・ノルゲイである。

ダージリンにはヒマラヤ登山学校と山岳博物館がある。

ノルゲイはヒマラヤ登山協会の監督に就任し、
インドのダージリンに住んだ事から山岳博物館に銅像がある。

 ヒマラヤ登山学校

山岳博物館のテンジン・ノルゲイの銅像。

こんな事もあり、この本は興味深く読む事ができたのだった。

ストーリーの軸は、孤高の天才登山家の羽生丈二が、
前人未到のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂に挑むのであるが、
それを登山家であり写真家である深町誠の視点から描いている。

エベレスト登山に失敗した深町はカトマンドゥの古物店で、
古いカメラを見つけ買い求める。それは・・・・
ヒラリーとノルゲイによる初登頂よりかなり前の1924年に、
エベレストに挑み遭難したイギリス人:ジョージ・マロリーの物であった。

そのカメラは安宿から盗まれてしまい、
追いかけて行くうちに謎の男ビカール・サンと出会う。
ビカール・サンは日本人のようで、その外見から深町は、
行方をくらました伝説の登山家:羽生である事を突き止める。

羽生に惹かれた深町は、羽生の過去の事件や事故、
その人となりを関係者から聞き、取材しようと追いかける。

羽生がなぜ前人未到のエベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂に
こだわるのか、命をかけて挑んで行くのはなぜなのか。
深町も自らの命をかけて羽生を追従する。

 

コミックや映画化もされている。
映画では羽生を阿部寛が深町を岡田純一が演じている。
5200mでロケしたそうだが・・・・
とても大変だっただろうと思う。

 

私自身の最高到達地点は5289m。
インドのジャンムー・カシミール州にある、
チャン・ラと言う峠である。

州都レーの空港は約3500mで、
到着した初日に高山病に罹った私は、
高山病に苦しむ様子にうなずいたのだ。

それだけでなく高地で幻覚や幻聴に悩まされ、
雪崩や落石、滑落、凍死など死の恐怖と戦う姿が怖かった。
4000mあたりで民泊したけど長居は無理だわ。

「なぜ山に登るのか?」
「そこに山があるからだ。」
この有名な言葉はマロリーの言葉だった。

 

 

 

 


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