次に読んだのは日本とフランスのトップジョッキーによる、
対談形式のエッセイ。
オリビエ・ペリエは1973年フランス生まれ、
武豊は1964年生まれ。
1994年に短期免許で初来日した際に武くんのお父さんの厩舎で
お世話をした関係で武くんとは仲が良いそうだ。
武くんがフランスに行った時にはペリエがお手伝いした。
フランス語の他に英語と関西弁を話す。
1994年は41回騎乗して7勝。JRA通算379勝
2024年に現役を引退している。
2006年に発行されたこの本は平松さとしと言うライターが、
武くんとペリエにインタビューをして聞いた内容を編集している。
25の質問に対してまず武くんの答え、次にペリエの答えて、
最後にライターが二人の回答を聞いた感想や説明を加えている。
簡潔で解りやすい。
武くんは生まれた時から身近に馬がいて子供の頃から乗馬していたが、
ペリエが生まれたのはマイエンヌ県と言う鹿がでるような田舎で、
競馬と言うのは馬車の競争だったらしい。ただポニーには乗っていて、
騎手を志すようになったそうだ。
当然だけどフランスの競馬と日本の競馬はかなり違う。
フランスでは厩舎に所属して調教師の推薦があって、
初めて騎手資格が得られるし、調教師の指示通りに騎乗する。
競馬場のコースはアップダウンやコーナーにも特徴があって、
かなり難しいらしい。それからスローなレースが多いという。
騎乗スタイルや意見は違っても、
勝つための心がけはけっこう似ている。
レース中は一瞬のチャンスを見逃さない判断力が勝負だと。
行けると思ったら反応する。一瞬でも遅れたら勝てない。
このあたりが騎手はアスリートと思えた。
瞬間を逃さず正しく反応した者に道は開けるのだ。
これ野球で見かける好走塁と暴走は紙一重と同じである。
ソフトボール選手だった私の経験でもある。
行けると思って走ってアウトになった事は一度もない。
間違いなく道は開けるのだ。
このインタビューはフランスのペリエの家で行われていた。
気のおけない友人である二人がリラックスして答えている様子が、
目に浮かんだ。
25の質問は競馬に関する事がメインだけど、
最後に女性観と言うのがあって。
前に読んだ「勝負師の極意」で武くんが騎乗や馬を
恋愛に例える所が意外だったのだけど、
この女性観を読んだら、やっぱりなんで恋愛に例えたのか?
たぶん読者が共感しやすいようにあえて例えたんだろう、
と言う結論にたどりついた。
どちらの本もタイトルは仰々しいのがけれど、
タイトルほど難しくないので、読みやすく楽しく読める。
また少し競馬と武くんの事が解った。
さぁ明日は宝塚記念である。武くん頼んだよ!