カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

「蛍雪」大沢在昌

2021年12月07日 21時52分59秒 | 本 / BOOKS

佐久間公シリーズである。探偵稼業から退いた公は、
親友・沢辺が経営する薬物依存者の更生施設に身を置き、
時折、沢辺から依頼される人物の失踪調査をする。

タイトルの「雪蛍」は登場人物の名前から。
往年の大女優を祖母に持つ・少女・雪華、
薬物依存から立ち直るため施設にやって来た少年・ホタル。

家出をした雪華を探し出すために東京へ行く公だが、
施設で心を開こうとしないホタルの事が気がかりであった。
雪華の家族関係は複雑で、家族は雪華についての情報を、
提供しないのであった。

公はホタルの昔の仲間や妹を訪ねホタルの心の闇を調べる。
ホタルと妹は、両親のお互いの連れ子であった。
雪華の家庭も複雑だがホタルも複雑・・・。

雪華の祖父が雪華が勝手に持ち出した家宝を追い始め、
公の同業者である探偵を雇うが、途中で死体となって発見される。
公は昔、命を助けられていたため、犯人を突き止めようとするが、
ヤクザがらみであったため襲われてしまう。

2つの家庭の絡まった長い糸をほどいていくと、
探偵殺しの犯人は意外な人物であり、
希薄だと思われていた家族の愛が当人たちの想いとは異なり、
やはり血は水より濃い物だと思い知らされる。

殺された探偵が家族の知られざる秘密を知り、
それを元に強請っていたがために殺されてしまった。
と言うのが残念である。前のシリーズから登場する人物で、
公の命を助けたり、探偵らしい探偵であっただけに・・・。
そういう人物でも状況が変わるとお金に目がくらんでしまうのか。
人間って・・・弱い物だなぁ・・・。

コメント
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