米国株、ダウ反発し435ドル高 金融引き締めへの警戒和らぐ ナスダック大幅高
米国・欧州株概況2022年6月3日 6:18 (2022年6月3日 6:23更新)
【NQNニューヨーク=川上純平】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比435ドル05セント(1.3%)高の3万3248ドル28セントで終えた。2日発表の米雇用指標が市場予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)が積極的に金融を引き締めるとの懸念がやや和らいだ。朝方に2022年4~6月期の業績見通しを下方修正したソフトウエアのマイクロソフトが上昇に転じたのも投資家心理の改善につながった。
米民間雇用サービス会社ADPが2日発表した5月の全米雇用リポートは、非農業部門の雇用者数が12万8000人増にとどまった。前月(20万2000人増)と市場予想(29万9000人増)をともに大幅に下回った。3日には5月の米雇用統計が発表される。ADPリポートを受け「雇用統計が強い結果になるとの見方が薄れ、FRBのタカ派姿勢後退を見込んだ買いが入った」(BMOキャピタル・マーケッツのベン・ジェフリー氏)という。
マイクロソフトはドル高の影響を反映させて業績予想を下方修正した。朝方は売りが先行したが、事業の健全性に関わる修正ではないとの見方が広がり、午後に上昇に転じた。長期金利上昇が頭打ちになったのと相まってハイテク株への買いを誘い、顧客情報管理のセールスフォースは7%高で終えた。スマートフォンのアップルも高い。
利上げが景気を冷やす見方が弱まり、景気敏感株も買われた。航空機のボーイングが急伸、機械のハネウェル・インターナショナルの上昇も目立った。ホームセンターのホーム・デポやクレジットカードのビザといった消費関連株も買われた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日比322.438ポイント(2.7%)高の1万2316.898で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズや電気自動車のテスラ、半導体のエヌビディアなど主力株が総じて上昇した。