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こんな記事が・・・トランプ流「株高演出術」再び、ダウ最高値に迫る(NY特急便)

2019-09-13 07:24:09 | 日記
私が感じた誰かが相場を動かしているような気がするという事への回答?以下記事です。

トランプ流「株高演出術」再び、ダウ最高値に迫る(NY特急便)
米州総局 宮本岳則
北米
2019/9/13 6:26日本経済新聞 電子版

トランプ氏が株式市場を翻弄(ニューヨーク証券取引所)=ロイター

米国株の上昇が止まらない。12日のダウ工業株30種平均は7日続伸し、7月15日につけた史上最高値(2万7359ドル16セント)まで52ドル強に迫る場面があった。欧州中央銀行(ECB)の量的緩和再開に加え、米中が貿易協議で暫定的な合意を検討しているとの報道が投資家を強気に傾けた。危機をあおりながら、絶妙のタイミングで緊張緩和を匂わす――。今回もトランプ氏の「株高演出術」が市場を翻弄している。

「投資家はリスクをとりたがっているようだ」。米プルデンシャル・ファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏は12日、米株の値動きをみてそう感じたという。朝方小幅安で推移していたダウ平均は「米中が暫定合意を検討」報道で急伸。取引終了時間にかけて利益確定売りに押されたものの、何とかプラス圏に踏みとどまった。7日連続の上昇は2018年5月の8日続伸以来の長期連騰記録だ。

9月に入って株式市場のムードは変わった。建機大手キャタピラー、半導体大手インテル、化学大手ダウ……。ダウ平均構成銘柄の月初来の株価騰落率をみると、上昇率上位には、業績が世界経済に左右されやすい企業が数多く並ぶ。8月までは不況に強い安定成長銘柄が好まれていた。景気敏感株に再び資金が流れる構図は、投資家がリスクを取り始めた証左と言える。

「ここにきて米中貿易交渉に進展が見られ始め、投資家の懸念を緩和させた」。米ゴールドマン・サックスのデービッド・コスティン氏らは、米株式市場における物色動向の変化について、こう指摘する。トランプ米大統領は11日、ツイッターで2500億ドル(約27兆円)分の中国製品に対する制裁関税の引き上げを10月1日から同15日に延期すると発表した。12日は市場で協議進展に期待感が高まるなかで、タイミング良く「暫定的な合意検討」報道が流れた。

約2カ月前にも似たような光景が見られた。6月末の米中首脳会談で両国が貿易協議で決裂する最悪シナリオが回避され、株式などリスク資産に再び資金が流入。ダウ平均は7月3日に約9カ月ぶりに史上最高値を更新した。足元で2カ月ぶりの最高値更新を視野に入れているが、米中交渉で具体的な成果が出ているわけではない。危機をあおった後に「緊張緩和」を演出し、株高を維持する――。「期待値のコントロールが絶妙」。ある証券会社の米国経済担当エコノミストは苦笑する。

需給的にも絶妙なタイミングだったようだ。市場で話題になっていたのは、JPモルガンがヘッジファンドの持ち高を分析したリポート。株式への資金配分は08年のリーマン危機以降で最も少ない水準という。相場波乱でリスク回避に動き、債券など安全資産に資金を移していた。高い運用収益を狙って再びリスクをとる機会をうかがっていたところに、トランプ氏が買い材料を提供した。

今週最大のヤマ場と言われた12日のECB理事会は波乱なく通過した。17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで大きなイベントはない。短期筋はリスクをとりやすい局面だ。ただ機動的に動きにくい年金など長期投資家は今回の株高で「蚊帳の外」とみられる。トランプ氏が演出する最高値接近を市場は複雑な気持ちで眺めている。

(ニューヨーク=宮本岳則)