今日は友人と銀座でヴィスコンティ監督の「山猫」を観た。
アラン・ドロンは優男だった。
バート・ランカスターは顔はゴッツイがスタイルが良くて、格好良かった。
冒頭、ランカスターがハンカチをたたんで十字を切る所作がユッタリとして優雅で、引き込まれた。
長い映画だったが、ヨーロッパの貴族社会の生活がうかがえて面白かった。
予備知識として、滅びゆく階級の哀愁とか享楽、退廃、みたいなテーマがある、と思っていたが、そういうい雰囲気はそれほど感じられなかった。
貴族たちは実に健康的だし、共和主義者というかプロレタリアート側も貴族たちに十分な敬意を払っており、牧歌的ですらあるように思えた。
ショーロホフの「静かなドン」では、ロシアにおけるボリシェヴィキの悪辣、卑劣、下衆なやり口が次から次へと描かれたが、イタリアにおいてはそのような事はなかったのかもしれない。
もっとも、イタリアの歴史をほとんど知らないので、物語の背景がどうなのかよくわからず、ストーリーも実は理解できていない。
1、そもそも、イタリアはローマ帝国以降、多数の小国に分裂し統一国家としてのイタリアは存在せず、フランスやスペイン、ハプスブルグ家、あるいはノルマン人などの植民地にされていた。
2、近世になってガリバルディという革命家が赤シャツ隊と称する組織を率いて、イタリア統一を図った。
のかな?
そのあと、どうなったのか知らないが、ガリバルディは失脚して、エマニュエル・ヴィットーレという人が投票で統一イタリアの国王になったようなことを、映画の中で言ってた。
そして、それは実は旧主に対する裏切りなのだ、と登場人物が言ってた。
そういう、予備知識をもってもう一度みたら、より面白く楽しめるのではないかと思う。