小学生のころ、親が買い与えてくれた。
シートン全集の中に含まれていて、すごくおもしろかったのに。
今、絶版になっていて、レビューを書いている人もいない。残念だ。
シートンの作品は動物が主人公であることが多いが、本作は白人の少年が主人公。
詳細は忘れたが、おそらく開拓民の子供で事故で両親を失い天涯孤独の身となったところをインディアンのクオナップに拾われ一緒に暮らすことになる。
クオナップのところにはおっちょこちょいのスクーカムという猟犬がいる。
大自然のなかで狩人としてクオナップに育てられるロルフ少年。
シートンは絵が達者な人で、自分が買ってもらった本にはたくさんのシートンの絵が掲載されいていた。漫画っぽい絵もあった記憶がある。
ロルフは大人になり、猟師の技術を生かしアメリカ独立戦争にスカウト(偵察担当)として採用され大きな手柄を立てる。
細かいところは思い出せないが、スクーカム、クオナップなど名前は鮮明に思い浮かぶ。
シートンは人が原野に進出する過程で生じる動物との葛藤を描いていて、基本的に悲劇なので現代にはうけないのかな。
動物目線でも人間目線でも、両者が対立する物語が多かった。
森のロルフは少年の成長物語なのであまり悲劇的な展開はないが、強い白人文明に圧迫されて一族が離散し、1人老いていくインディアンが描かれたりして、やはりシートンは基本悲劇なのかなと思う。