読んでいる途中だが、イタリア史の概略を把握するには凄く良い本ではないかと思う。
ただ駆け足の記述になるので、やや没入しづらい。
初めて知った事も色々ある。
神聖ローマ帝国って今ひとつ分からなかったのだが、わかりやすくまとめてあり理解できた。
ゲルマン人の侵入でローマ帝国は滅びた。
ゲルマン人のランゴバルドが北イタリアを占領、割拠する。
ゲルマン人のクローヴィスはキリスト教に改宗しフランク王国を築く。
フランク王国はローマ教皇にラヴェンナ総督領を寄進するなど、良好な関係を保つ。
その後ランゴバルドがローマ教皇領に侵入すると、フランク国王シャルルマーニュは兵を進めランゴバルドを征服、ローマにおいて皇帝として教皇から戴冠される。
フランク王国は三分裂する。
そのうち現在のドイツにあたる東フランクのオットー1世がイタリア遠征を行い、962年教皇から皇帝の冠を授けられる。
これ以降東フランクの国王が連続して皇帝位に就くこととなる。これをもって神聖ローマ帝国が成立したとされる。
ただし、歴代神聖ローマ帝国皇帝はイタリアを支配しようとして、諸々の事情で成功しなかった。
ルネサンスというフランス語を初めて歴史用語として用いたのは19世紀のフランスの歴史家ミシュレであり、それを15世紀イタリアの文化事象に適用したのは19世紀のスイスの歴史家ブルクハルト。
従って同時代にはこうした用語法は存在しなかった。
とはいえ、学芸や芸術を再生する、という考え方は14ー15世紀の人文主義者の間に見られた。
たとえば、ペトラルカは、栄光の古代のあとに暗黒の時代が訪れたと認識し、古典古代を再生する事が必要であると提唱している。
追記20201226 「狼の口 ウォルムスフント」久慈光久作 という漫画を読んでいたら、神聖ローマ帝国は北イタリアは領有支配していたと書いてあった。
物語の舞台は1300年代初頭。
かなり残酷なストーリーだが面白い漫画である。
絵は手慣れた感じで上手い。ちょっと古い絵で、なんとなく望月三起也を思い出させる。