炭焼きで使う敷木集めの途中、ふと阿呆なことが頭をよぎった。昔々、現
役の会社員時代、いつもいつも考えさせられていた原価計算。利益を得て社
員の食い扶持、社会への貢献には不可欠なもの。
桑炭会が木炭製造・販売会社なら樫炭10KG一袋を幾らで販売すれば成立す
るのだろうか。本来ならば炭窯や施設などを含めるべきだが、現在の運用だけ
で・・・・・・・なんてことを。
最初に材料集めのための情報収集は販売と共に立派な営業活動。山に行き材
料の調達するのに各自持参の道具、軽トラ経費、チェーンソー・燃料・刃などの
消耗品、補修費など。持ち帰り材料の加工、薪割機、キャリアーなどの運用費。
休憩時の湯茶め菓子代など。窯立てから炭焼き作業、窯出し作業と袋詰めの大
半は人件費が占める。
会員との情報授受・活動の広報を担うブログなど情報・通信費、来客対応などな
ど項目を上げれば普通の会社と変わりなくなってくる。
木炭の燃料としての使命を終えた理由は製造原価とは別のところにあるが事業と
して成立しないのは労力の割に利益が薄いことも大きな要因であろう。ネットなど
でみる木炭単価が高いのは薄くても利益を出す必要から仕方なくそうせざるを得
ない。利用者はそんなに高いものなら木炭に拘る必要はないと考える。
負の連鎖を呼び益々、先細り感がする。
炭焼き過程の種々の項目を原価に組み入れると桑炭会は木炭会社として成り
立たないのは明白なのに倒産せずにもうすぐ25周年を迎えようとしている。
幾らボランティア精神に溢れかえっているとしても過度な個人負担が続けばその
結果は容易に推察できる。
桑並地域以外に住む者から観ると良いにつけ悪いにつけ強く結びつけられた人
との繋がりが『全ての原価を組み入れれば赤字会社』でもある桑炭会を継続して
きた、つまり原価計算を打ち負かした原動力ではないかと思う。
色々と厳しい面はあろうが、おんぼらと・・・・・これが地域力ではなかろうか。