歩き遍路でも車遍路でも難行とされる中に必ず入る12番焼山寺から始める。四国は暖かいだろと高を括っていいたら、朝の内は寒さが残っており薄いジャンパーが欲しい。阿波市のホテルからいつもは通らないルートを選んだのは、個人が植え続けてできあがったチェリーロードを見てみたかったから。何年もかけ道路沿いに植えつけられた桜が花をつけ、殺風景な山道に飾りをつけていた。ただ残念なのは植えられた桜がきちんと育成管理されていないのではないと思われる点。個人の問題ではなく自治体が行うべきレベルだと思った。ここを先頭に近隣の地域には枝垂桜や吉野などが何キロにもわたって植えられ、その見事なこと。是非は別としてそれに比べると松江の桜は貧困、だがそれでも不満はないのは、多ければそれなりに見事、少なくてもそれが丁度いいと思わせるのが桜花なのかも。さて、12番焼山寺への道のりは数キロにわたる急坂、蛇行に加え交差不能の狭い道の連続。町内の旧国道432別上のような所で昼なお暗い暗し。時折エンジンを唸らせながら登りきると満開の桜が待ち構える。この寺の境内には何百年も生息する大杉があちらこちらに鎮座して静けさを余計に静かにしているように感じる。山を下り里の寺を回り再び天空の別格3番慈眼寺への山登りに向かう。道中は絵のような花に囲まれた山里を楽しむことができる。上れば喧騒のない静かさの中に鶯が一声。本日は10のお寺を回り明日から高知県に入る。四国でもコロナが増えてきた。成り行きによっては撤退を覚悟のこの遍路旅、後に向かう愛媛県の鎮静が気がかり。
焼山寺
童学寺