宗恒の茶庭

「茶道 思いつくまま」や「和の美術」など

百尺竿頭進一歩

2018-02-03 15:06:30 | 茶道

今日の稽古も人数が少なかったので、時間のかかるお点前の稽古をしました。


まず《茶通箱》。
茶通箱では箱の扱いが 右手先行の時と左手先行の時があります。
中が空っぽの時は右手先行、中に茶器が入っている時は左手先行…これにはちゃんと訳があります。
お客様もタイミングを心得て茶碗を返したり、もう一種のお濃茶を所望したり、お道具の拝見をお願いしたりします。
このお点前 四ケ伝に入ってはいますが、小習に準じるものです。
お濃茶二服なので、特に中仕舞のある炉の時季は難しいです。

次の方は《和巾点》です。
これは四ケ伝の準じるもので、円能斎が創られたもの。仕覆に入れた中次茶入を和巾という小帛紗の載せて扱います。和巾に由緒があるお点前です。

次の方は《行の行台子》。
茶名もお持ちの方がされました。炉の時季、柄杓を取ったり戻したりするたびに体の向きを変えるので着物でははだけないよう気を遣います。


3人がゆっくりと いろいろ疑問や点前の理論など話しつつ充実した稽古ができました。

最後にお点前をされた方に私は「百尺竿頭進一歩」(ひゃくせきかんとう すすむにいっぽ)の言葉を贈りました。

茶名を頂いて一応稽古出来得るすべてのお点前を勉強され、まさに百尺の竿のてっぺんまで行かれました。ここで安心安住しては てっぺんからまた下がってしまいます。
てっぺんを保つためには、そこからさらに一歩進む気持ちで稽古に励んでいただきたいという気持ちで「折りたたんで帛紗ばさみの中にでも入れておいてネ」と言いました。

この「百尺竿頭進一歩」という言葉は大宗匠の著された本に良く出てくる言葉で、私も時々思い出しては心がけています。
コメント (2)
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