三月十六日(月)晴れ。
良い天気である。土曜日のニュースで、アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、自衛隊法に基づき、海上警備行動が発令され、海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」と「さみだれ」の二隻が広島の呉の基地を出港した。その出港時の式典で、麻生太郎総理の訓辞の場面をテレビで見たが、官僚の書いた文章にやたらに目を落として、読み上げる姿に違和感歩を覚えた。それは訓辞と言うよりも、単に文章を読んでいるだけ、という冷たい感じがして、これから困難な任務に赴く自衛隊員への激励とは決して思えなかった。こんな時は、過去に、祖国のために戦った、先人のエピソードなどを話して、隊員の士気を鼓舞してもらいたいものだ。涙をためながら、出港してゆく護衛艦を見送る、新妻だろうか、若い女性の姿に、思わずもらい泣きしてしまった。私は、その護衛艦の映像を見ながら、「海の進軍」の歌を口づさんだ・・・。
あの日上がったZ旗を、父が仰いだ波の上。今日はその子の、その孫が、強く雄雄しい血を継いで、八重の潮路を越えるのだ。
海上自衛隊員の皆さんの武運長久を祈るのみ。
私の好きな演歌歌手に坂本冬美さんがいる。しかし、彼女の最新の「アジアの海賊」という歌は、この時期にはいかがなものか。まあ、そんな深い意味もないだろう。
新聞に、日本テレビ系の報道番組「真相報道バンキシャ」で、「岐阜県の土木事務所では今も裏金づくりをしている」などと虚偽の証言をした男が、県の業務に支障を生じさせたとして岐阜県警に異計業務妨害容疑で逮捕された。新聞によれば、「報道での証言が虚偽とされて刑事事件となるのは極めて異例で、取材や報道のあり方が根底から問われる」と報道されている。
そして、この虚偽報道の責任をとって、日本テレビの久保伸太郎社長は、辞任した。その辞任の理由として「通常の報道はこの程度のもの(取材)で行われているのかという疑義を、放送業界に対して言われるのは耐えられない」と語った。恐らく自分も記者の出身である久保社長ならではの思いであったに違いあるまい。
この日本テレビの久保社長の態度に比して、新潮社の社長はどうだ。あれだけの虚偽報道を行いながら、辞任どころか、反省の言葉も発しない。これはマスコミ人と言うよりも、一人の人間として考えなければならない問題である。倫理を説くことは易い、実践してこそ、企業のトップとして尊敬されるのではないか。「売れれば、多少の嘘でも良い」という姿勢に目をつぶっていることは、全てのマスコミに対する背信行為である。君、出処進退を誤るなかれ。
週刊誌に携わる全ての方に、失礼を省みずに敢えて申し上げる。
「たかが週刊誌」というメディア内のポジションと、侮蔑に反発を感じながらも、今日の新潮社は、その「侮蔑のポジション」の中に、身を隠そうとしている。これでは永久に「たかが」の文字がとれることがない。聖人君子などいない。誤りを、誤りとして認めることは、決して恥ではない。隠蔽しようとする、その態度こそ恥なのだ。こんなことを、私のようなチンピラ右翼から言われては、社会の木鐸としての立場がないではないか。私は、新潮社を愛するがゆえに、鞠躬如としてこの暴言を呈する。