東大入試といえば、いまも昔も難関中の難関。そんな東京大学農学部が、いまから102年前の1913年にパズルのような数学の問題を出したことがあります。
みなさんには解けるでしょうか?
■102年前の東大が作った数学パズル・問題編
東大農学部は当時、東京帝国大学農科大学と呼ばれていました。問題は、この東・京・帝・国・大・学・農・科・大・学という文字を並べて、何通りの順列を得られるか、というもの。
つまり、この10文字の漢字を入れ替えて、何通りの言葉をつくれるかということです。さて、どう考えましたか?
もしこの問題が解けたら、東大レベルかもしれません!
■102年前の東大が作った数学パズル・解答編
10文字の漢字の総配列ですから、素直に考えれば、答えは10×9×8×7×6×5×4×3×2×1です。つまり、3,628,800通りですよね。
しかし、ここに穴があります。よく東京帝国大学農科大学という漢字をよく見てください。
10文字の中に2つ重複している漢字があります。それは大学。そう、“大”と“学”という文字が重なっているのです。
この2つは場所が入れ替わっても同じ漢字なので、先の10×9×8×7×6×5×4×3×2×1=3,628,800を2×2で割らなければいけません。
3,628,800を2×2(つまり4)で割って、正解は907,200通り。ひっかけというか、意外なところに気づくかどうかが合否の境目です。
まるで、子ども向けのなぞなぞみたいな問題ですよね。
天下の東大も、102年前には実はこんなお茶目な問題を出していたのです。
東大は1877年設立。この入試を出した東京帝国大学農科大学(現在の東大農学部)も1890年設立ですから、そこそこ時間が経過してからの入試問題。決して慌ててつくったわけではありません。
ちなみに東大に校歌は存在しませんが、公認の「東京大学の歌」が2つあり、そのひとつが『ただ一つ』です(もう一つは『大空と』)。
いまでも、東京六大学野球など運動部の試合ではよく歌われるので、もしも聴くことがあったら、ぜひ「昔の入試では『ただ一つ』でなく、2つは重なっていたな」と、この問題のことを思い出してください。