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見砂和照と東京キューバンボーイズ -大阪ジャズフェスティバル 2012.11.11-
2012大阪ジャズフェスティバルのプログラム
大阪ジャズフェスティバルの2012年11月11日(日)公演は、「見砂和照と東京キューバンボーイズ&夏木マリ」。見砂和照と東京キューバンボーイズは一昨年に引き続き2度目の登場である。
東京キューバンボーイズをブログで書くのは2回目で、前回は原信夫とシャープス&フラッツのフェスティバルホールでの引退公演にゲスト出演した時。
(ブログ:http://blog.goo.ne.jp/skhr0247/e/a49bcd5b9c1905784e0805af07e33bc6)
1980年見砂直照(ただあき)&東京キューバンボーイズの解散コンサートライブレコード
(左)コンサートスナップ、原信夫と♯&♭他大勢のゲストが駆けつけた (右)自筆自画像の灰皿
50年前、大阪フェスティバルホールでの「ザ・プラターズ&見砂直照と東京キューバンボーイズ」の公演で、プラターズの世界的ヒット曲「オンリー・ユー」よりも強烈なラテンビートに心酔し、以後このバンドのファンとなった次第。
小遣いを貯めては、まずボンゴや教本を買い、LPレコードを買い、更にいい音で聴きたいとHi-Fiステレオを買ってキューバンサウンドに浸かってきたのだが、1980年見砂直照氏率いる東京キューバンボーイズは解散コンサートを打って、31年間の活動を中止した。その10年後見砂直照氏は輝かしい業績を残して他界された。
50年程前に買った練習用のボンゴ
見砂直照著「ラテンリズム入門」
初めて買ったキューバンのLPレコード 1800円
私がこのバンドが好きなところは、五つほどある。
一つ目は、キャバレーやダンスホールのバックヤードでしかなかったバンドを、ショービジネスの舞台に引上げ、単独の舞台コンサートで経営が成り立つバンドに仕立て上げた点である。このことは、弟分である原信夫氏が見砂氏を見習い教わってバンド運営をしてきたと述懐している。
二つ目は、多くの素晴らしい音楽関係者を育成した点である。見砂学校に入学し東京キューバンを巣立って行った多くの一流ミュージシャン達。
内藤法美(初期のピアニスト兼編曲担当、越路吹雪の旦那さん、作曲家・舞台芸術家)
能見義徳(現役ボンゴ奏者、日本ラテンパッカーション協会会長、小野寺武司との協演)
豊岡豊(ティンパニ奏者、豊岡豊とスイングフェイスオーケストラ結成)等々
前田憲男(作曲・編曲家、多くの優れた作品を残している)
宝とも子(日本ラテン音楽協会設立、初代代表)、竹平光子、トリオ・ロス・チカノス等々のラテン歌手の育成
江利チエミ、三橋美智也との競演
大ヒットした「Echoes of Japan」の第2段レコード
三つ目は、精力的な創作活動。息子の和照氏いわく、「親父がほとんどのことをやり尽くしていて、自分の色をどう出していくか、大いに頭を悩ます」。
LPだけでも三百数十枚、あらゆる音楽分野にキューバンサウンドを注入し、新たな音楽の創作を行った点。日本民謡・唱歌のラテン調編曲で「エコーズ・オブ・ジャパン」、特に、内藤法美がアレンジした「城ヶ島の雨」は有名。
(左)芸術祭奨励賞受賞作、組曲「祭りの四季」表ジャケット (右)裏面ジャケット(演奏風景)
1965年東京厚生年金ホールでのリサイタルで「祭りの四季」を演奏
また、1965年第20回芸術祭では、日本の祭囃子で四季を表現した組曲「日本の四季」が奨励賞を受賞、1970年第25回芸術祭では、前田憲男の力作、アフロキューバンジャズの組曲「黒い太陽」と沖縄民謡詩「あがらうざ」が優秀賞を受賞するなど、次々と新たなジャンルを切り開いていった。
前田憲男の力作 芸術祭優秀賞受賞 組曲「The Black Sun」
四つ目は、一つの曲を決して同じスタイルで演奏しないという点。つまり、全く同じ譜面で演奏せず、常に聴衆に新鮮さを感じてもらえる演奏を心がけた点である。キューバンのファンは、演奏会で同じ演奏曲目でも今回はどこを変えてくるのだろうかとわくわくしながら耳を傾けるのである。
そして最後、五つ目は、親から息子に代替わりしたキューバンの演奏スタイルの伝統が引き継がれている点である。偉大な親父に負けまいと和照氏もまた、新たなチャレンジを模索している。
今回のコンサートでは、先代があまり取り上げていなかったクラシック畑の曲をラテン調に編曲し披露された。モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。何とも新鮮な面白い取り組みだ。
また、かなり大胆に編曲した「さくら・さくら」も披露される等、今後の活動が大いに期待される。
サルサの歌姫 ディーバ・ノリコ
今回のコンサートでは、朝ドラ「カーネーションの糸子」、「千と千尋の湯婆婆」でお馴染みの「夏木マリ」、サルサの歌姫「ディーバ・ノリコ」、ラス・ベルラス(コーラス)が華を添え、久々の大阪公演は大入り満員であった。小生も最前列の席からエールを送った次第である。
見砂和照と東京キューバンボーイズ -大阪ジャズフェスティバル 2012.11.11-
2012大阪ジャズフェスティバルのプログラム
大阪ジャズフェスティバルの2012年11月11日(日)公演は、「見砂和照と東京キューバンボーイズ&夏木マリ」。見砂和照と東京キューバンボーイズは一昨年に引き続き2度目の登場である。
東京キューバンボーイズをブログで書くのは2回目で、前回は原信夫とシャープス&フラッツのフェスティバルホールでの引退公演にゲスト出演した時。
(ブログ:http://blog.goo.ne.jp/skhr0247/e/a49bcd5b9c1905784e0805af07e33bc6)
1980年見砂直照(ただあき)&東京キューバンボーイズの解散コンサートライブレコード
(左)コンサートスナップ、原信夫と♯&♭他大勢のゲストが駆けつけた (右)自筆自画像の灰皿
50年前、大阪フェスティバルホールでの「ザ・プラターズ&見砂直照と東京キューバンボーイズ」の公演で、プラターズの世界的ヒット曲「オンリー・ユー」よりも強烈なラテンビートに心酔し、以後このバンドのファンとなった次第。
小遣いを貯めては、まずボンゴや教本を買い、LPレコードを買い、更にいい音で聴きたいとHi-Fiステレオを買ってキューバンサウンドに浸かってきたのだが、1980年見砂直照氏率いる東京キューバンボーイズは解散コンサートを打って、31年間の活動を中止した。その10年後見砂直照氏は輝かしい業績を残して他界された。
50年程前に買った練習用のボンゴ
見砂直照著「ラテンリズム入門」
初めて買ったキューバンのLPレコード 1800円
私がこのバンドが好きなところは、五つほどある。
一つ目は、キャバレーやダンスホールのバックヤードでしかなかったバンドを、ショービジネスの舞台に引上げ、単独の舞台コンサートで経営が成り立つバンドに仕立て上げた点である。このことは、弟分である原信夫氏が見砂氏を見習い教わってバンド運営をしてきたと述懐している。
二つ目は、多くの素晴らしい音楽関係者を育成した点である。見砂学校に入学し東京キューバンを巣立って行った多くの一流ミュージシャン達。
内藤法美(初期のピアニスト兼編曲担当、越路吹雪の旦那さん、作曲家・舞台芸術家)
能見義徳(現役ボンゴ奏者、日本ラテンパッカーション協会会長、小野寺武司との協演)
豊岡豊(ティンパニ奏者、豊岡豊とスイングフェイスオーケストラ結成)等々
前田憲男(作曲・編曲家、多くの優れた作品を残している)
宝とも子(日本ラテン音楽協会設立、初代代表)、竹平光子、トリオ・ロス・チカノス等々のラテン歌手の育成
江利チエミ、三橋美智也との競演
大ヒットした「Echoes of Japan」の第2段レコード
三つ目は、精力的な創作活動。息子の和照氏いわく、「親父がほとんどのことをやり尽くしていて、自分の色をどう出していくか、大いに頭を悩ます」。
LPだけでも三百数十枚、あらゆる音楽分野にキューバンサウンドを注入し、新たな音楽の創作を行った点。日本民謡・唱歌のラテン調編曲で「エコーズ・オブ・ジャパン」、特に、内藤法美がアレンジした「城ヶ島の雨」は有名。
(左)芸術祭奨励賞受賞作、組曲「祭りの四季」表ジャケット (右)裏面ジャケット(演奏風景)
1965年東京厚生年金ホールでのリサイタルで「祭りの四季」を演奏
また、1965年第20回芸術祭では、日本の祭囃子で四季を表現した組曲「日本の四季」が奨励賞を受賞、1970年第25回芸術祭では、前田憲男の力作、アフロキューバンジャズの組曲「黒い太陽」と沖縄民謡詩「あがらうざ」が優秀賞を受賞するなど、次々と新たなジャンルを切り開いていった。
前田憲男の力作 芸術祭優秀賞受賞 組曲「The Black Sun」
四つ目は、一つの曲を決して同じスタイルで演奏しないという点。つまり、全く同じ譜面で演奏せず、常に聴衆に新鮮さを感じてもらえる演奏を心がけた点である。キューバンのファンは、演奏会で同じ演奏曲目でも今回はどこを変えてくるのだろうかとわくわくしながら耳を傾けるのである。
そして最後、五つ目は、親から息子に代替わりしたキューバンの演奏スタイルの伝統が引き継がれている点である。偉大な親父に負けまいと和照氏もまた、新たなチャレンジを模索している。
今回のコンサートでは、先代があまり取り上げていなかったクラシック畑の曲をラテン調に編曲し披露された。モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。何とも新鮮な面白い取り組みだ。
また、かなり大胆に編曲した「さくら・さくら」も披露される等、今後の活動が大いに期待される。
サルサの歌姫 ディーバ・ノリコ
今回のコンサートでは、朝ドラ「カーネーションの糸子」、「千と千尋の湯婆婆」でお馴染みの「夏木マリ」、サルサの歌姫「ディーバ・ノリコ」、ラス・ベルラス(コーラス)が華を添え、久々の大阪公演は大入り満員であった。小生も最前列の席からエールを送った次第である。