スケルトンハウス‐きまぐれCafe

生活とビジネス

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スマートレターとは

2016-12-10 08:19:16 | 社会・経済

 県内に住む親戚にCDケースに入れたDVDディスクと焼き増し写真数枚を送ろうと、縦23cm・横16cmの茶封筒に宛先を書いて、定形外郵便としての送料切手を購入するために郵便局に行きました。郵便局で重さを量り、送料が205円であることを告げられましたが、その時、『スマートレター』にすると180円になるがこのままでいいか、変更するかを訊ねられました。『スマートレター』専用封筒に宛名を書き直すのが面倒だったので、そのままの送料を支払い、送付することにしましたが、次からは送料の安い方にしようと、『スマートレター』について調べてみました。その結果、曾てクロネコ便を業務で利用していた頃、漏れ聴いていたことに見える(まみえる)こととなりました。

 『スマートレター』とは、2015年4月3日から日本郵便が始めた新しい郵便サービスのことで、全国一律180円で、縦25cm・横17cm・厚さ2cm、重量1kgまでの物品及び信書を送ることができます。このサービスを利用するには、コンビニや郵便局の窓口で、はがきと同様、180円の切手が印刷された専用の厚紙封筒(A5サイズ)を購入する必要があります。専用封筒は日本郵便の切手通販サイト“切手SHOP”でも購入できます。但し、切手SHOPでは20部単位(¥3,600.-)での販売となっています。(2016年4月現在)

 厚紙封筒(ほぼ箱だが!)に入るものなら、本・CDまたはDVD・文房具・その他雑貨などとともに手紙(信書)を同封して送付することができるが、逆にデメリット(クロネコ便との比較による)としては、配達に要する時間が普通郵便と変わらず、郵便物の追跡ができないことです。

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(日本郵便HPより)

 この日本郵便のサービスは信書が同封できる点が強みだが、この新サービスの提供開始はタイミング的にまずかったと言わざるを得ません。
 信書を扱うことができない、というよりも、扱いの許可が出してもらえないヤマト運輸が、従前より提供してきたサービスのメール便に対して、「ユーザーによる信書の封入を見過ごしにしているのではないか、そうであれば事業違反だ。」との疑い・追及を政府からかけられ、2015年3月一杯でメール便サービスの提供を終了するところとなったのです。

 『クロネコメール便』は用意されている専用封筒であれ、任意の封筒であれ、A4サイズで厚さ1cmまでなら82円、2cmまでなら164円の全国一律料金で利用できていました(『クロネコメール便』専用シールの貼付が必要)。配送状況の確認もできるため、ユーザーにとっては重宝していたサービスとなっており、年間20億冊以上の取り扱いがあったとのことです。

 しかし、政府に信書非封入の確認を十分にとるよう求められ、顧客が秘密裏に信書を封入・送付する可能性は排除できないとして、ヤマト運輸はクロネコメール便を廃止すると決めました。

 信書は総務大臣の許可を受けた信書便事業者に限って、配達が認められています。
 2003年の法改正で、日本郵便に加えて民間事業者も参入できるようになりましたが、参入には全国の各市町村に約10万本のポストを設置しなくてはならないなどの厳しい条件があり、日本郵便以外この事業を提供できる事業者は存在しませんでした。

 街角のポストは無人で、適正な監視がされておらず、放火や盗難を始めとしたあらゆるリスクに対して無防備です。利用者の利便性を考えてのことなら、このような無防備なポストの設置を義務付けるよりも、9:00~17:00の間、複数の専任者を配置した事業所を必要数配置することを義務付ける方が、理屈が通るのではないかと思います。

 結果、ヤマト運輸への疑いの目と同社の訴追は、日本郵便による新サービスを成功裏に導入するための、政府による民間事業者排斥策ではなかったのかと揶揄され、政府に対する勘繰りは未だに根強く残っているようです。

 ヤマト運輸はメール便廃止に伴い、『宅急便コンパクト』という新サービスの提供を始めましたが、専用BOX代65円と594円以上の送料の合計659円以上が必要となり、スマートレターの180円には到底太刀打ちできないレベルとなりました。(2016年4月現在)

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(ヤマト運輸HPより)

 これじゃあ、先の疑念もあって然るべきかと思ってしまいますが、利用者としては、そんなことはさて置き、安価な方を選択するものです。


【関係サイト】

 ○ 日本郵便HP『スマートレター』

 ○ 郵便局・切手SHOP

 ○ ヤマト運輸HP『宅急便コンパクト』


【関連記事】

 ○ 信書とは何









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