スケルトンハウス‐きまぐれCafe

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AT車の「P」・「N」レンジとは?

2018-06-23 09:11:38 | 日記・エッセイ・コラム

 1971年~1982年頃まではマニュアル(MT)車、その後はオートマチック(AT)車と、長年AT車を運転しています。

1_GearChangeLever

〔今までに所有・利用した自動車〕
 MT車; ダットサン1300、日産 サニー、トヨタ パブリカ、トヨタ コロナ1500、スズキ セルボ
 AT車 ; スズキ フロンテ、トヨタ スプリンター、トヨタ ウイッシュ

  しかし、AT車の「P」レンジや「N」レンジについて考えたことはありませんでした。

 上の写真はAT車のトランスミッションのイメージです。「3」「2」「L」レンジの有無や表示は車種により異なりますが、「P」「R」「N」「D」は殆どのAT車で共通しています。
 AT(オートマ)車のトランスミッションには「P」「R」「N」「D」などのレンジがあります。それぞれ「パーキング」「リバース」「ニュートラル」「ドライブ」を意味し、言うまでもありませんが、駐車やバック、前進など状況に応じて切り替えて利用します。

 MT車が停車するときはギアを切る(ニュートラルにするかクラッチを切る)必要があります。短い停車の場合はクラッチを切り(クラッチ・ペダルを踏み込んだままで)、ギアをローかセカンドに入れて待ちますが、踏切待ちなど停車時間が長い場合はずっとクラッチ・ペダルを踏み込み続けていると足が辛いので、ニュートラルにします。そのときに本当にニュートラルになっているか確かめてからクラッチ・ペダルを離さないと、ニュートラルになっていなければ急発進・エンストする危険があります。(AT車にはエンストのリスクはありません。)
 マニュアル(MT)車に「P」レンジや「N」レンジはありません。
 レンジとレンジの間が「ニュートラル」位置であり、これがAT車では「N」レンジに該当するようです。

2_MTmission&pedal

 レンジの「4」、「5」の有無等は車種により異なります。

 それではAT車の「N」レンジの働きは何でしょうか?
 AT車の「N」レンジではギアが噛み合うことなく、エンジンの動力が車輪に伝わらない状態になります。AT車では、駐停車時には「P」レンジを使い、「N」レンジは使いません。

 そもそもAT車の「N」はいつ使うのでしょうか。

 クルマが壊れたときに押してもらったり、けん引されたりする場合に「N」レンジに入れますが、原則としてドライバーには必要ない「レンジ」と言えるでしょう。
 前進の「D」レンジから後退の「R」レンジへ、いきなりシフトした際に生じるミッションへのダメージを防ぐ意味で、間に中立状態の「N」レンジを挟んでいると考えればいいと思います。

 AT車にあってMT車に無いのが「P」レンジです。「P」と「N」では何が違うのでしょうか?

 AT車の「P」レンジはギアボックス内のシャフトをロックする役割があります。

 MT車はイグニッションを切った後、ギアを「1速」または「R」に入れればギアがロックされます。AT車の「P」レンジは、これと同じ状態です。但し、エンジンは停止されません。
 AT車で、「N」レンジで停車していると、ギアはロックされていないので、車は少しの傾斜でも動いてしまう可能性があります。

 ならば、「N」レンジでパーキングブレーキ(MT車の場合はサイドブレーキ)を使用した場合はどのような状態になるのでしょうか。

 パーキングブレーキは後輪だけを止めている状態です。
 パーキングブレーキは非常に弱く、20km/h程度までの速度での走行しか止められません。言い換えれば、「L」レンジでの低速での動きを止めることはできません。
 従って、「N」レンジに入れパーキングブレーキを使用した場合は、何かのはずみで転がり始めることも考えられますこのことから、パーキングブレーキを過信するのも、重大な事故につながりかねないようです。

 たとえば、『D』レンジのままパーキングブレーキを使ってクルマを停め、近くの自動販売機にジュースを買いに行くなどしているうちにクルマが動いてしまい、周囲の物にあたったり、進入してはいけない場所に入ってしまったりすることもあるようです。

 駐停車の際は、必ず「P」レンジに入れたうえでパーキングブレーキを掛けておきたいものです。

 では、信号待ちなどの停車中に「N」レンジに入れるのは問題ないのでしょうか?機械の立場で考えてみると、
 信号待ちのとき、「D」レンジは想定の範囲の負担なので全く問題ありません。これはトランスミッションの形式、トルコンATやCVT(一般的にトルコンが組み込まれている)、AMTもDCTも、全部同じです。
 「N」レンジにイチイチ切り換えている人もいるようですが、小まめに「N」や「P」に入れるほうが機械、特にトランスミッションへの負担が大きくなります。

 「N」レンジから「D」レンジにした時に、エンジンの回転数が下がり、パワートレインが動くのが判りますよね? その分だけ力が加わったということなのです。連続的な負荷よりも、断続的な負荷・衝撃のほうが機械には都合が悪いのです。だから信号待ちで「N」レンジにわざわざシフトするのは止めたほうがいいです。

 AMTやDCTではクラッチを使用していますが、「D」レンジにシフトした時にクラッチのミートポイントを確認するトランスミッションもあり、その場合、「N」レンジから「D」レンジのシフト回数を増やせば増やすほど、クラッチの磨耗が進行することは間違いありません。

 アイドリングストップ機構付きの場合、そもそも「N」レンジにシフトすると、アイドリングストップ機構がキャンセルされて、エンジンが再始動するモデルも少なくありません。「N」レンジにシフトするということは、運転を休止するという判定になるため、そういった制御になるのは当然です。

 また最近のクルマではオート・ニュートラル機構が組み込まれているものがあります。こういった自動車は「D」レンジ停車が一定時間を超えるとトランスミッション内部でニュートラルに自動的にシフトしてくれます。しかし、これはドライバーが手動で「N」レンジを選択するのと違い、負荷の変動をさせず、またすぐに発進できるよう制御されるのが一般的です。

 先にも言ったように、「N」レンジは、牽引される場合などに使用するポジションです。

 「N」レンジどころか、信号待ちで「P」レンジにしている人も居ますね。発進時に一瞬リバースのランプが点灯するのでわかります。

 どういう感覚なのか理解できませんが、先にお話ししたように、「P」レンジは駐車する時にトランスミッションをロックする、というポジションです。
 パーキングブレーキのように、クルマをロックする機構ではないので、もし後ろから軽くコツンと当てられても、トランスミッション内部のロック機構は簡単に壊れて、クルマは前に進むことでしょう。意味がないだけでなく、クルマに大きな負担を与える使い方です。



【関係先URL】

 ○ 株式会社交通タイムズ社HP 『今さら聞けないオートマの種類「DCT・CVT・AMTって何ですか?」』






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