★スティル・ライフ
(演奏:パット・メセニー・グループ)
1.ミヌワノ(68)
2.胎動
3.ラスト・トレイン・ホーム
4.トーク
5.サード・ウインド
6.ディスタンス
7.ファミリー
(1987年)
2月25日の夜に、YAMAHAのエレクトーンの大会で優秀な成績を収めた人たちのみだしのとおりのコンサートがありました。
実は2月に仕上げた記事ですが、いろんなものを書いているうちにアップする機会を失してしまい本日に至っています。
お世話になっているかたの紹介でチョイと覗きに行ったのですが、驚いたのなんのって・・・。
ひとりでフュージョン・ジャズのおおよその作品が演奏出来ちゃうんですねぇ~。
旋律の音色はオルガンみたいな音はレッキとしたピアノサウンド、さらにはエレキギター・・・それも本当に微妙な音色を調整したチューブのオーバードライヴサウンドによるものとか、フルート、サックス、もちろんシンセサウンドは本業のうちなのでしょう。
私は、VCO・VCF・VCAのアナログ・シンセなら扱ったことがありますが、デジタル・シンセ、はっきり言えばYAMAHAのDX-7が大学時代に発表されてからはお手上げになりました。
家庭教師先に発表と同時ぐらいに導入されて触らせてもらったのですが「アルゴリズムって何よ!?」ってなもんで、手が出ませんでしたね。
さて、このコンサートは文字通り小学生・中学生・オープンエイジの3グループでベストスリーに入った人の演奏を聞かせてもらえるというものでした。
そのほかに、優勝者のみがゲストのプロ・パーカッショニスト斉藤ノブ氏とセッションが出来るという趣向もありました。
オープンエイジの優勝者が斉藤ノブ氏とのセッションでこの中の曲をセレクトして演奏していましたので、ここに紹介するものです。
冒頭のパット・メセニーのアルバムは長野に住んでいたころにすごくよく聴きましたねぇ~。
ウイナーズ・セッションではこの中の“サード・ウインド”を演奏していました。
ドラムスの音、パーカッションの音がキカイから出てしまうエレクトーンではあるものの、やはりプロのパーカッションが入ると締るというか活き活きするからフシギなものです。
私的には、演奏しているウイナーの様子を、片時も目を離さずじっと観察しながらパーカッションをプレイするノブさんがとても頼もしく見えたことがもっとも印象に残っていることかな?
この演奏は確かに素晴らしかったけれど、原曲にある隙間がエレクトーンの音で埋め尽くされていてちょいと「風通しがどうかな?」って感じでした。
要するに優勝者の20歳の青年は何でも出来ちゃうので詰め込みすぎちゃったのかもしれません。
元の曲を知っているだけにそれと比較して聴いてしまったのかもしれませんが、確かにパット・メセニーを髣髴させるギターサウンドによるメロディーはある・・・。
しかしながらこの頃のパット・メセニーの盟友というか同程度にこのユニットの重鎮であった、ライル・メイズのピアノのパートがまったく分からなかったというか、それに代わるリズムセクションの工夫がなかったように思います。
それと、原曲にはコーラスが入っていて、これがまた躍動感というか生きているという感じを強く押し出すように演出されているのだけれど、そういう音の使い方はしていなかったなと思われるのです。
いや、そんなことはどうでもよかったのでしょう。
彼なりの素晴らしい“サード・ウインド”という聴き方をするべきだったのでしょうか・・・。
そうであれば、私もそれならちゃんとしましたよ。
次のような形でね・・・。
まずは、会場のSHIBUYA-AXであります。
会場内部は撮影禁止ということでご紹介できませんが、300席近くある会場内は全席満員。
なんてったって、当日券を求めた私は立見席だったのですから・・・。
私が気になったのは、こんなノリのいい音楽を全員がプレイしているのにお客さんがほぼ全員“御静聴”されていたということ!!!
何故カラダが揺れないのか?
おじいちゃん・おばあちゃんならまだしも、お父さん・お母さんならば「ディスコでもクラブでも行ったことあるんでしょっ!」ってな感じでしたね。
斉藤ノブ氏も“もぅぅ~、YAMAHAなんだから”と嘆いておられたように、お行儀のよい発表会みたいな雰囲気ムンムン。
中学生の優勝者だったかが「ライヴとして楽しんで欲しい!」と訴えていたものの、拍手するのはスタッフの人ばかり・・・。
で、私はもちろん体を揺らして拍手してましたですよ。(^^)v
なんてったって、立ってたモンで・・・。自然とカラダが動いちゃうんですよね。
コイツらならひとりでディスコ・クラブ系の音楽ぐらいなら、オチャノコで演奏しちゃうんでしょうね。
演奏者はすごかったけど、聴衆も別の意味でスゴかったな・・・と。
話を変えて、オリジナルの曲のレベルの高さにもおじさんビックリでした。
まあこんな大会で全国優勝を争った曲なワケですから、凄いこと自体は間違いないんでしょうが・・・。
オープンエイジのウイナーたちのもいい曲ではあったけれど、ちょっと作りすぎという感じもしないではありませんでした。
それに引き換え、小中学生のオリジナル曲は特徴・主張がはっきりしていて楽しかったですねぇ。
トップバッターだった小学生3位だった女の子、演奏に先立って思わずお小遣いをあげたくなるぐらいかわいく「いきいきした曲を作りたかった。曲のどこかひとつのフレーズでも覚えてくれるとうれしい」なんて挨拶をしてくれました。
“フレッシュネスNo1”というタイトルと、途中ブレイクして素晴らしく躍動的なベース・ソロを聴かせてくれたことしかおじさん覚えられなかったけれど、本当にフレッシュネス・ナンバーワンの演奏だったですね。
中学2位の男の子は実は相当な“ギター小僧”だと睨みました。
私にはジェフ・ベックとヤン・ハマーが合体して、現代のギターサウンド、特にエフェクトに関しては熟知したような演奏振り。
演奏前のマナーはYAMAHA的ではなかったけれど、ステージマナーは正に堂に入ったもので、この中でも異彩を放っていました。
チョイ悪少年という感じですが、ウデは確かです。二度と同じ演奏はしない・・・アドリブの世界での話だと思いますが、ホロヴィッツのような物言いをしているところもカッコいいじゃありませんか!?
彼が演奏するのなら、リード・ギタリストは必要ないかもしれません。
そして中学の優勝者はなんと1年生とのこと。
彼の音楽はコケオドシの音色・フレーズで勝負するのではなく、幾何学的なフレーズで始まり、なにか夢世界で音楽が展開するようなフシギな感触を持っていました。
凝ったフレーズで始まったなぁ~と思っている間に、引き込まれ傾聴させられてしまい、気がついたら終わっているというような魔法みたいな楽曲です。
要するに完成度が高いということなのだと思います。
コンクールに出たときの曲であるわけですから、途中で曲の雰囲気をチェンジするとかそういった工夫は確かになされていましたが、それにより曲のテンションが変わることはないし、飽きさせることが一切ありません。
そういえば題名が“チェンジ・オーヴァー”でしたっけ?
曲調がチェンジして気がついたら終わっていたというのなら、正に彼の思惑通りの題名ではありませんか?
さすが優勝者!!! 恐れ入りました。
このほかオリジナルではなく、著名なミュージシャンによる作品を演奏した人もいました。
★2×4
(演奏:マーク・ジョンソン)
1.キラー・ジョー
2.スパルタカス-愛のテーマ
3.ディナー・フォー・ワン・プリーズ・ジェームズ
4.ワン・フィンガー・スナップ
5.ミス・テリー
6.モンクズ・ドリーム
7.ゲイリーズ・テーマ
8.ビューティフル・ラヴ
9.エイント・ミスビヘイヴン
10.タイム・リメンバード
11.グッバイ・ポークパイ・ハット
(1989年録音)
小学生2位の男の子が小曽根真さんの曲を素晴らしく弾いていました。
このディスクでは3・4・5の3曲を最晩年のビル・エヴァンスとトリオを組んでいたマーク・ジョンソンとともに演奏しています。
小曽根真さんのお父さんは小曽根実さんと仰いますが、昔“11PM”というTV番組がありオルガンを弾いておられました。
今度息子が「ピアニストとしてデビューする」というようのことを、そのレギュラーで弾いていた番組の殆ど最終回の挨拶みたいな場面でなさっていたのを覚えています。
その息子さんが、今や本場アメリカのジャズ・チャートに食い込むほどの人になっちゃってるんだから凄いことです。
ちなみに私は“アサヒ黒生”のCMで使われた彼の“ウイ・アー・ロール・アローン”が大好きであります。
そして中学生3位の女の子はデイブ・ウェックルのやたら難しいリズムの曲を本当に生き生きと弾いちゃっていたりして・・・。
ウェックルといえば、ジョン・パティトウッチと一緒にチック・コリア・エレクトリック・バンドなどで、一時は世界最強のリズムユニットなどとも称されたドラマーですね。
一応聴いてたんで、音源も少し持ってますよ・・・カセットで。。。
その女の子の挨拶が「部活との両立が難しくてやめそうになったとき、周りの人が助けられてここにいる」というような内容で、キモチが伝わってくるもので・・・楽器を使わなくてもこういう人たちは自分の気持ちを素直に伝えることが出来るんだなと思いました。
これだけ弾けちゃえば、何も悩むことなんかないのに・・・とも思えちゃうのですが、まあいろいろあるのでしょう。
ともあれ素晴らしい演奏でした。
小学生の優勝の少年ももちろんすごかった。
曲の作者はよく知らない人でしたが、そのベースラインがかっこよくって原曲に負けないように云々とコメントしての演奏でしたが、聴いてて“唖然”。
頭の中がどうなっているか輪切りにして調べたいぐらいでしたねぇ。
物騒だと思われるといけないので、輪切りは削除する必要があるんでしょうが・・・。(^^)/
ベースラインを奏する足技もさることながら、メロディーを補完するため、またカウンターの音をここしかないってぐらいにカッコよくグリッサンドで挿入する技なんかは、彼にしか出来ないんじゃないでしょうか?
斉藤ノブ氏によると、ウイナーはプロ並と言い切っておられますが、ホントに小学生といっても自分自身の技を持っているとなればそれも首肯できるものがありますな。
恐れ入りました。
そうそう、ウイナーのみ斉藤ノブさんと1曲セッションが出来るというオマケがあり、優勝者というのはやはり得なんだなぁと思いました。
この場に立てるとはいえ、2位以降はやはり勝者ではないんだと思わされました。
みんなでやってもよかったのに・・・と思いましたが、10台近くもエレクトーンを並べて演奏したら確かに収拾付かなくなっちゃいますね。
小学生のウイナーはマシュケナダを選曲してました。
先ほどのカウンターメロディーの入れ方は健在。独自の個性を早くも見せていました。
「オマエ、ホントに6年生かよ」と思いましたが、風貌は間違いなく6年生でしたし・・・。
中学生のウイナーはディジー・ガレスピーの“ビー・バップ”。
彼のジャズ・ピアノ・ソロの音の選び方も独特で、まだまだ練らないと味わい深いという風にはならないかもしれませんが、これは小曽根さんの後継者にもなれそうな感じ。
自作の音世界を持っていて、ジャズ・ピアノも(エレクトーンのキーだけど)これだけ弾きこなせてしまうのですから、すごい才能じゃあ~ってな感じですね。
オープン・エイジのウイナーは最初に書いたパット・メセニーの曲を演奏してくれたんですよね。
とにかくエレクトーンの表現力には、あらためて驚きを禁じえませんでしたね。
後はYAMAHAが、ちゃんと彼らが活躍できる場を提供することが必要ではないでしょうか?
多分音楽シーンではこのエレクトーンに類するシンセサイザーなどが縦横に活躍しているのだと思います。
そういった後方支援というばかりでなく、最前線で活躍できるようなジャンルや分野を開拓し、そういう舞台を数多く作る必要を感じます。
これだけの文化がお父さん・お母さん向けの発表会だけではいけない・・・そうじゃないでしょうか?
スゴイ機械(あえて楽器といってませんが)ですから、ご両親などのご負担も相当だと思います。
ウイナーのご家族に聞いたところでは、彼らを教える人材はウイナー達を実力で凌ぎ指導できる人たちだということらしいのです。
そんな人たちにもシーンの表に出るチャンスというものが、これまで以上に確保されるべきではないでしょうか。
それはやっぱり“YAMAHA”の仕事・・・であると私は思います。
(演奏:パット・メセニー・グループ)
1.ミヌワノ(68)
2.胎動
3.ラスト・トレイン・ホーム
4.トーク
5.サード・ウインド
6.ディスタンス
7.ファミリー
(1987年)
2月25日の夜に、YAMAHAのエレクトーンの大会で優秀な成績を収めた人たちのみだしのとおりのコンサートがありました。
実は2月に仕上げた記事ですが、いろんなものを書いているうちにアップする機会を失してしまい本日に至っています。
お世話になっているかたの紹介でチョイと覗きに行ったのですが、驚いたのなんのって・・・。
ひとりでフュージョン・ジャズのおおよその作品が演奏出来ちゃうんですねぇ~。
旋律の音色はオルガンみたいな音はレッキとしたピアノサウンド、さらにはエレキギター・・・それも本当に微妙な音色を調整したチューブのオーバードライヴサウンドによるものとか、フルート、サックス、もちろんシンセサウンドは本業のうちなのでしょう。
私は、VCO・VCF・VCAのアナログ・シンセなら扱ったことがありますが、デジタル・シンセ、はっきり言えばYAMAHAのDX-7が大学時代に発表されてからはお手上げになりました。
家庭教師先に発表と同時ぐらいに導入されて触らせてもらったのですが「アルゴリズムって何よ!?」ってなもんで、手が出ませんでしたね。
さて、このコンサートは文字通り小学生・中学生・オープンエイジの3グループでベストスリーに入った人の演奏を聞かせてもらえるというものでした。
そのほかに、優勝者のみがゲストのプロ・パーカッショニスト斉藤ノブ氏とセッションが出来るという趣向もありました。
オープンエイジの優勝者が斉藤ノブ氏とのセッションでこの中の曲をセレクトして演奏していましたので、ここに紹介するものです。
冒頭のパット・メセニーのアルバムは長野に住んでいたころにすごくよく聴きましたねぇ~。
ウイナーズ・セッションではこの中の“サード・ウインド”を演奏していました。
ドラムスの音、パーカッションの音がキカイから出てしまうエレクトーンではあるものの、やはりプロのパーカッションが入ると締るというか活き活きするからフシギなものです。
私的には、演奏しているウイナーの様子を、片時も目を離さずじっと観察しながらパーカッションをプレイするノブさんがとても頼もしく見えたことがもっとも印象に残っていることかな?
この演奏は確かに素晴らしかったけれど、原曲にある隙間がエレクトーンの音で埋め尽くされていてちょいと「風通しがどうかな?」って感じでした。
要するに優勝者の20歳の青年は何でも出来ちゃうので詰め込みすぎちゃったのかもしれません。
元の曲を知っているだけにそれと比較して聴いてしまったのかもしれませんが、確かにパット・メセニーを髣髴させるギターサウンドによるメロディーはある・・・。
しかしながらこの頃のパット・メセニーの盟友というか同程度にこのユニットの重鎮であった、ライル・メイズのピアノのパートがまったく分からなかったというか、それに代わるリズムセクションの工夫がなかったように思います。
それと、原曲にはコーラスが入っていて、これがまた躍動感というか生きているという感じを強く押し出すように演出されているのだけれど、そういう音の使い方はしていなかったなと思われるのです。
いや、そんなことはどうでもよかったのでしょう。
彼なりの素晴らしい“サード・ウインド”という聴き方をするべきだったのでしょうか・・・。
そうであれば、私もそれならちゃんとしましたよ。
次のような形でね・・・。
まずは、会場のSHIBUYA-AXであります。
会場内部は撮影禁止ということでご紹介できませんが、300席近くある会場内は全席満員。
なんてったって、当日券を求めた私は立見席だったのですから・・・。
私が気になったのは、こんなノリのいい音楽を全員がプレイしているのにお客さんがほぼ全員“御静聴”されていたということ!!!
何故カラダが揺れないのか?
おじいちゃん・おばあちゃんならまだしも、お父さん・お母さんならば「ディスコでもクラブでも行ったことあるんでしょっ!」ってな感じでしたね。
斉藤ノブ氏も“もぅぅ~、YAMAHAなんだから”と嘆いておられたように、お行儀のよい発表会みたいな雰囲気ムンムン。
中学生の優勝者だったかが「ライヴとして楽しんで欲しい!」と訴えていたものの、拍手するのはスタッフの人ばかり・・・。
で、私はもちろん体を揺らして拍手してましたですよ。(^^)v
なんてったって、立ってたモンで・・・。自然とカラダが動いちゃうんですよね。
コイツらならひとりでディスコ・クラブ系の音楽ぐらいなら、オチャノコで演奏しちゃうんでしょうね。
演奏者はすごかったけど、聴衆も別の意味でスゴかったな・・・と。
話を変えて、オリジナルの曲のレベルの高さにもおじさんビックリでした。
まあこんな大会で全国優勝を争った曲なワケですから、凄いこと自体は間違いないんでしょうが・・・。
オープンエイジのウイナーたちのもいい曲ではあったけれど、ちょっと作りすぎという感じもしないではありませんでした。
それに引き換え、小中学生のオリジナル曲は特徴・主張がはっきりしていて楽しかったですねぇ。
トップバッターだった小学生3位だった女の子、演奏に先立って思わずお小遣いをあげたくなるぐらいかわいく「いきいきした曲を作りたかった。曲のどこかひとつのフレーズでも覚えてくれるとうれしい」なんて挨拶をしてくれました。
“フレッシュネスNo1”というタイトルと、途中ブレイクして素晴らしく躍動的なベース・ソロを聴かせてくれたことしかおじさん覚えられなかったけれど、本当にフレッシュネス・ナンバーワンの演奏だったですね。
中学2位の男の子は実は相当な“ギター小僧”だと睨みました。
私にはジェフ・ベックとヤン・ハマーが合体して、現代のギターサウンド、特にエフェクトに関しては熟知したような演奏振り。
演奏前のマナーはYAMAHA的ではなかったけれど、ステージマナーは正に堂に入ったもので、この中でも異彩を放っていました。
チョイ悪少年という感じですが、ウデは確かです。二度と同じ演奏はしない・・・アドリブの世界での話だと思いますが、ホロヴィッツのような物言いをしているところもカッコいいじゃありませんか!?
彼が演奏するのなら、リード・ギタリストは必要ないかもしれません。
そして中学の優勝者はなんと1年生とのこと。
彼の音楽はコケオドシの音色・フレーズで勝負するのではなく、幾何学的なフレーズで始まり、なにか夢世界で音楽が展開するようなフシギな感触を持っていました。
凝ったフレーズで始まったなぁ~と思っている間に、引き込まれ傾聴させられてしまい、気がついたら終わっているというような魔法みたいな楽曲です。
要するに完成度が高いということなのだと思います。
コンクールに出たときの曲であるわけですから、途中で曲の雰囲気をチェンジするとかそういった工夫は確かになされていましたが、それにより曲のテンションが変わることはないし、飽きさせることが一切ありません。
そういえば題名が“チェンジ・オーヴァー”でしたっけ?
曲調がチェンジして気がついたら終わっていたというのなら、正に彼の思惑通りの題名ではありませんか?
さすが優勝者!!! 恐れ入りました。
このほかオリジナルではなく、著名なミュージシャンによる作品を演奏した人もいました。
★2×4
(演奏:マーク・ジョンソン)
1.キラー・ジョー
2.スパルタカス-愛のテーマ
3.ディナー・フォー・ワン・プリーズ・ジェームズ
4.ワン・フィンガー・スナップ
5.ミス・テリー
6.モンクズ・ドリーム
7.ゲイリーズ・テーマ
8.ビューティフル・ラヴ
9.エイント・ミスビヘイヴン
10.タイム・リメンバード
11.グッバイ・ポークパイ・ハット
(1989年録音)
小学生2位の男の子が小曽根真さんの曲を素晴らしく弾いていました。
このディスクでは3・4・5の3曲を最晩年のビル・エヴァンスとトリオを組んでいたマーク・ジョンソンとともに演奏しています。
小曽根真さんのお父さんは小曽根実さんと仰いますが、昔“11PM”というTV番組がありオルガンを弾いておられました。
今度息子が「ピアニストとしてデビューする」というようのことを、そのレギュラーで弾いていた番組の殆ど最終回の挨拶みたいな場面でなさっていたのを覚えています。
その息子さんが、今や本場アメリカのジャズ・チャートに食い込むほどの人になっちゃってるんだから凄いことです。
ちなみに私は“アサヒ黒生”のCMで使われた彼の“ウイ・アー・ロール・アローン”が大好きであります。
そして中学生3位の女の子はデイブ・ウェックルのやたら難しいリズムの曲を本当に生き生きと弾いちゃっていたりして・・・。
ウェックルといえば、ジョン・パティトウッチと一緒にチック・コリア・エレクトリック・バンドなどで、一時は世界最強のリズムユニットなどとも称されたドラマーですね。
一応聴いてたんで、音源も少し持ってますよ・・・カセットで。。。
その女の子の挨拶が「部活との両立が難しくてやめそうになったとき、周りの人が助けられてここにいる」というような内容で、キモチが伝わってくるもので・・・楽器を使わなくてもこういう人たちは自分の気持ちを素直に伝えることが出来るんだなと思いました。
これだけ弾けちゃえば、何も悩むことなんかないのに・・・とも思えちゃうのですが、まあいろいろあるのでしょう。
ともあれ素晴らしい演奏でした。
小学生の優勝の少年ももちろんすごかった。
曲の作者はよく知らない人でしたが、そのベースラインがかっこよくって原曲に負けないように云々とコメントしての演奏でしたが、聴いてて“唖然”。
頭の中がどうなっているか輪切りにして調べたいぐらいでしたねぇ。
物騒だと思われるといけないので、輪切りは削除する必要があるんでしょうが・・・。(^^)/
ベースラインを奏する足技もさることながら、メロディーを補完するため、またカウンターの音をここしかないってぐらいにカッコよくグリッサンドで挿入する技なんかは、彼にしか出来ないんじゃないでしょうか?
斉藤ノブ氏によると、ウイナーはプロ並と言い切っておられますが、ホントに小学生といっても自分自身の技を持っているとなればそれも首肯できるものがありますな。
恐れ入りました。
そうそう、ウイナーのみ斉藤ノブさんと1曲セッションが出来るというオマケがあり、優勝者というのはやはり得なんだなぁと思いました。
この場に立てるとはいえ、2位以降はやはり勝者ではないんだと思わされました。
みんなでやってもよかったのに・・・と思いましたが、10台近くもエレクトーンを並べて演奏したら確かに収拾付かなくなっちゃいますね。
小学生のウイナーはマシュケナダを選曲してました。
先ほどのカウンターメロディーの入れ方は健在。独自の個性を早くも見せていました。
「オマエ、ホントに6年生かよ」と思いましたが、風貌は間違いなく6年生でしたし・・・。
中学生のウイナーはディジー・ガレスピーの“ビー・バップ”。
彼のジャズ・ピアノ・ソロの音の選び方も独特で、まだまだ練らないと味わい深いという風にはならないかもしれませんが、これは小曽根さんの後継者にもなれそうな感じ。
自作の音世界を持っていて、ジャズ・ピアノも(エレクトーンのキーだけど)これだけ弾きこなせてしまうのですから、すごい才能じゃあ~ってな感じですね。
オープン・エイジのウイナーは最初に書いたパット・メセニーの曲を演奏してくれたんですよね。
とにかくエレクトーンの表現力には、あらためて驚きを禁じえませんでしたね。
後はYAMAHAが、ちゃんと彼らが活躍できる場を提供することが必要ではないでしょうか?
多分音楽シーンではこのエレクトーンに類するシンセサイザーなどが縦横に活躍しているのだと思います。
そういった後方支援というばかりでなく、最前線で活躍できるようなジャンルや分野を開拓し、そういう舞台を数多く作る必要を感じます。
これだけの文化がお父さん・お母さん向けの発表会だけではいけない・・・そうじゃないでしょうか?
スゴイ機械(あえて楽器といってませんが)ですから、ご両親などのご負担も相当だと思います。
ウイナーのご家族に聞いたところでは、彼らを教える人材はウイナー達を実力で凌ぎ指導できる人たちだということらしいのです。
そんな人たちにもシーンの表に出るチャンスというものが、これまで以上に確保されるべきではないでしょうか。
それはやっぱり“YAMAHA”の仕事・・・であると私は思います。
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