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融通性か?和・洋・中・無国籍・ジャンクとなんでも食べる胃袋と脳みそ。

映画 三昧

2018年08月19日 | 映画
お盆は家族そろって‥息子二人は旧交を温める為多忙ではある。
それでもワイワイと賑やかに過ごした。

最終日は家族でシネマという事で‥見過ごしている映画や気になっている映画を観る日。

次男の手土産でテレビが20型~32(?)型になった事もあり、映画好き一家にはたまらない。

大画面(中型から大型になっただけだが)臨場感は飛躍的に揚がる。
『リメンバー・ミー』『鎌倉物語』『グレーテスト・ ショーマン』は七回目、いやもっとかも。

暑さの中‥盛り上がった。
いい映画ばかりだった。
グレーテスト‥‥は言うまでもない‥好みだから何度も見るのだ。

個人的に私が観た真夏の映画だが‥


『黄金のアデーレ 名画の帰還』
80才を過ぎた主人公。
ユダヤ人のマリアは、オーストリア政府を相手に返還訴訟をおこす。
クリムトの名画アデーレは愛する叔母の肖像画。
戦時中ナチスのゲッペルスに略奪された絵で、戦後は親族に返されることなくオーストリア国の所有になっている。
名女優で大女優、ヘレン・ミレンがマリアを演じる。彼女を助けるのは若く経験の浅い弁護士(ライアン・レイノルズ)だが、良心と熱意と正義感がたっぷりとある。
 ヘレン・ミレンは歳を重ねるごとに魅力がまして、茶目っ気が愛らしい‥その上、上品である。
そして、強靭な精神力を併せ持っている素敵な女優だ。
偉大な女優なのに尊大さがない。
マリアにふさわしいと思った。

『ハイドリヒを撃て』

《HHhH プラハ1942年》は小説で、この映画の原作ではないそうだ。
ほとんど同じ内容で緻密で面白い。
第二次世界大戦真っ只中。
連合国から見捨てられ、ナチスドイツに占領されていたチェコスロバキア領内。
亡命政府のレジスタンス、ヨゼフ・カブチークとヤン・クビシュの2人の軍人が占領下の母国に潜入する。
ヨゼフとヤンの使命は暗殺。
標的は、金髪の野獣 ナチスの野獣 プラハの者 ラインハルト・ハイドリヒ。
ナチスのNO3‥ヒトラーの後継者とも言われた冷酷な男。
戦時中‥チェコスロバキアはこの男に蹂躙された。
人種 宗教はもとより 煙草一本でも 咳をしても彼の指先一つで殺される危険がある。
ナチス以外は人間ではない。
何十万人の無実の民が殺された事か。

緊迫感がありすぎて息が詰まる。

若者二人の祖国への使命感と忠誠心、地下組織の仲間たちとの連携。裏切り。

人間の誇りと強さと醜さと弱さ‥戦時下の異常な日常で芯から疲れてただ息をしているだけの市民‥華燭なく描くのはショーン・エリス監督。

ヨゼフはキリアン・マーフィーが演じている。

『コレクター』

オランダの大富豪メンテン。
収集家でもあり芸術の擁護者である顔をもつ。
戦時下にナチスに協力をした疑いがあるのだが、戦犯裁判を潜り抜けて生きている。
雑誌者の記者クノープが投書を基に彼の過去を調べ始める。

虐殺者としてのメンテンの過去が浮かび上がってくるが、大富豪は法務大臣を懐柔し、雑誌社に大金を寄付することで、自分の悪行を消そうとする。

オランダ映画だと思うが、丁寧に作っていて俳優も巧い。
ヨーロッパは、色んな意味で奥行きが深い。

偶然にもナチスドイツに絡んだ映画3作品。
言うまでもないが、実話が基になっている。
時間に恵まれた事と体力(余力)があった事に感謝している。
三作品全てが重く見応えがあり、脳みそにも胸にもこたえるし、エネルギ―を取られる。

アメリカの大統領が、報道規制に入ろうとしている現代。
政権に批判的なニュースはフェィクニュース。
自分に都合の悪い真実を報道するメディア及び新聞社は国民の敵。
白人だけが特別でカラードは屑‥移民は須らくこの国から出ていけ。
自分の奥さんは移民ですよね。トランプさん。
俺はいいのだ。
おれの家族はいいのだ。
それ以外は無法地帯に住めばいい。
近所のおばさんが、姑の悪口をいってるようで品の欠片もない。
それでも多くの害が及ばないという意味で、近所のおばさんの方がまし‥と言いたくなる。
一国の大統領にである。
アメリカは堕ちてしまった。

ナチス台頭下のヨーロッパに酷似している。

アメリカのデモクラシーはギリギリの断崖絶壁に立っているのかも知れない。
我が国も無縁ではない。

弁護士や記者や、医師、教授、お坊さん 販売業 機械工、農家、漁師 普通の主婦 ‥
たった一人の無力な誰かが戦いを始める。

そんな戦いが大きなうねりになって歴史を正していく。

仕事で岩手、北海道と長きに渡った次男も、こちらに落ち着きそうな予感。

嬉しい。

とても幸せを感じる今日。

無力な私だが非力ではない。




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