まんまるログ

融通性か?和・洋・中・無国籍・ジャンクとなんでも食べる胃袋と脳みそ。

秋の出来事 Ⅳ…サムワン ライク ユウ

2017年10月21日 | 音楽と日記
2011年…TSUTAYA の店内で聴いた。
バックグラウンドミュージック…BGM( ビージーエム)でそのとき思わずその声に聞き惚れた。
次男に「ちょっと この歌が気になる‥」そういうと彼は曲名を言わず「アデルやね‥」と答えた。
“とうた”は音楽全般にアンテナが鋭い。

アデルは良く聴く。
 アデル


しかして…そのまま…その時に聴いた楽曲は私の脳みその隅で埋もれていたのだった。

“someone like you”というその歌を車の中で聴く。

Y市y村で二泊 したのは10月初旬。
老師のおうちのR君と息子ソウル&氏と私でお寿司大会。
楽しく食べた。
氏はゴンザレス…私はリベラ…もうひとりメンドーサはリタイヤ。
どれだけ食べるのかを競う大会。
R君はセコンド。
ソウルが主催者。
笑って 笑って 食べて 食べて 呑んで 真に阿呆な四人組。
とにかく楽しかった。

次の日リタイヤしたメンドーサ氏の家で話し込んだ時、アデルのCDを見つけた。
そして…借りてきたのだ。

I heard
聞いたわ
That you're settled down
身を固めたんだってね
That you
あなたは
Found a girl
素敵な彼女を見つけて
And you're
あなたは
Married now
結婚したのね

I heard
そして聞いたの
That your dreams came true
夢が叶ったね
Guess she gave you things
きっと彼女はあなたに
I didn't give to you
私があげられなかったものを与えてくれたのね

Old friend
私たち、昔からの友達よね?
Why you so shy?
そんなに恥ずかしがることはないよ?
Ain't like you to hold back
あなたらしくない…秘密にしたり
Or hide from the light
暗闇にに隠れたりするなんて

I hate to turn up out of the blue uninvited
呼ばれてもいないのに姿を見せるのは嫌だけど
But I couldn't stay away, I couldn't fight it
だけどじっとしていられなかった 我慢できなかったの
I hoped you'd see my face and be reminded
私の顔を見て、あなたに気がついて欲しかったの
That for me it isn't over
私にとっては、まだ終わりではないんだってこと

Never mind
でも気にしないで
I'll find someone, like you
私も相手を見つけるから あなたのように好きになれる相手を‥
I wish nothing but the best for you, too
それからあなたの幸せも願っている
Don't forget me I beg
私のこと、忘れないでね お願い
I remember you said
あなたの言ったこと、覚えているわ
Sometimes it lasts in love
永遠に続く恋もあるけれど
But sometimes it hurts instead
その代わりに傷つくこともあるんだってこと
Sometimes it lasts in love
永遠の恋もあるけれど
But sometimes it hurts instead
その代わりに傷つくこともあるのだ…ってこと
Yeah
そう… 

歌の意味は恋愛でしかも失恋だが詩には興味がもてない‥アデルの歌は深くてそれ以上の悔いと慟哭を感じる。
哭(コク)を感じさせるのは彼女の声だ。
6年前に耳に残った曲が、私の思い出や過去を容赦なく撹拌する。
彼女は人生の不条理を身体全体で歌っているのだと思う。

縁がある。
どんな道程を経ても再び顕われる。
それは 人でも 歌でも 風景でも 事象でも‥

私は恋愛経験が少ない。
一番好きな異性は父親で、肉親であることを思えば、異性とはいえない。
父親に可愛がられた思い出しかないのが幸福である。
根拠のない自信が持てるのは、父の大いなる愛情の産物だ。
「お前はお前その物でいい」
「他の誰かではない お前自身でいい」

そんな父のお蔭で‥もしくはそんな父のせいで、次に好きになったのはバート・ランカスターだった。
アメリカの俳優である…という事はリアリティがない。
それでも大いに好きで好きすぎて(映画を観て思いを募らせて)彼の下着の洗濯をしたいと思いつめて密航まで計画した…ファン心理を超えていたと思う。
父親にやんわりとたしなめられて 諦めた。

たしなめ方にも愛があった。

好きな人と添い遂げて その人の子供を育てる。
当たり前の事なんだろうが 当たり前に出来ている人がどれだけいるだろうか。

とりとめなく考えながら車を走らせる。

10分位の道程が30分を超えている。

メロディと妄想で走っているのだ。

この秋は思いがけない出会いや邂逅があった。

記憶の隅で眠っていた楽曲との再びの出会いも含めて‥

まだまだ秋は深まる。

何が起きて来るのか楽しみ。 

楽しみ。

そんな毎日に感謝している。

私と家族とそしてご縁のある方達全ての皆様へ‥健康で過ごされます様に…

では 又。

秋の出来事 Ⅱ

2017年10月09日 | 音楽と日記
9月下旬 加賀 山代温泉の友人の招待で一泊。
ライブがあった。

左から二番目(アキーラ)三番目(ひろさん)

松久浩之(ひろさん)⇒日本で唯一人のSatvik Veena(インド古典楽器)シタールとギターを融合した楽器の奏者。
シンガーソング ライター、キールタンシンガー。

アキーラ・サンライズ⇒大学の頃から自分の音楽世界で生きて行きたいと思っていた‥友人のKさんが語る。
ジャンベ、ハングドラム、ディジュリドゥ‥多彩に操る 波動演奏家、即興演奏家.

二人のコラボレーション。

Satvik Veenaの音色でゆったりとはじまった演奏は‥身体の中を血液がめぐるようで眠りそうになる。
心地いい。
身体に根が生えた様な気がする。
音楽はゆったりと吹く風だ。
違和感がなく、どんな場所でも、どんな国でも、どんな人種(私を代表とする怠慢な人間達)でも包み込んでいく。

ひろさんのVeenaとアキーラの琵琶リラの調べが共鳴していると思ったが‥瞬間アキーラが立ち上がってジャンベの前に座った。

彼のジャンベは台風のようで、ゆったりと根が生えていた身体が震えて思わずゆれる。

眩しくて輝く音だ。

アキーラの身体が燃えている。

自分の中の命を削りながら光を放っている。

それは、高校生の頃‥深夜放送でR・ツェペリンのロバート・プラント(移民の歌)の声を聞いた時の衝撃に似ている。

身体が震えて鳥肌が立った。

ひろさんの静とアキーラの動が呼応している。

争わず 挑(いど)まず たゆまず 逃げ出さず ただそこに笑いながら立っている。 
ひろさんのCDアルバムの紹介文。


呑みすぎて遅い朝ごはん‥食堂にいってコーヒーを飲んでいたら、彼が入ってきた。
立ち姿と歩く姿とすわり具合と声がいい。
二言 三言 深くて暖かい声の持ち主。

紹介の文章が人柄を顕している稀な例で‥初めての経験。
だいたいは、紹介文と紹介されている本人は乖離している。

アキーラさん(夜呑みながら話した)も穏やかで姿勢の正しい男子だった。

息子とそう変わりない年齢の二人。
共に30代である。

贅肉がなく鍛え上げた無駄のない身体。
コーヒー・セレモ二―のTさんに似ている。
水面下の水鳥の足の如く努力を重ねている。

眩しく輝くためには、燃やさなくてはいけない。

自分の中に眠る炎を。

その為の燃料エネルギーは、自分で、自分の身体の中から捻出するしかない。

鮮やかでなくても、鈍い炎でも‥。

心が沸騰した夜。

空を見上げるとお月様も沸騰していた。



秋の出来事 Ⅰ

2017年09月26日 | 音楽と日記


今日の夕焼け。

一年中で九月は‥来客(村の住人が招来)と個展やライブの招待(葉書・FB)が相次ぐ季節。

コーヒー・セレモ二ーのTさんがM氏のお招きで来村。
最高に美味いコーヒーを戴いた。


・凹型にくぼんだ平鍋 (素焼き)
・乳香‥もしくはお香
・木炭用の金属製の火鉢 ‥もしくは(携帯用)ガスコンロ
・刈ったばかりの緑草
・低い縁台
・すり鉢とすりこぎ
・昔ながらの陶土製のポット
・香料を焚く陶土製の平底の容器 ‥。ろうそくの炎の中。

数種の楽器というより音の出るもの。
マラカス、鈴、ギロ、リンなど‥
セレモニーの間‥その場に集った各々がそれぞれの音を奏でる。

コーヒーはエチオピアが発祥の地と言われているが定かではない。
セレモニーは昔から大事にされてき た風習‥エチオピアでは‥。
大切な来客をもてなすため‥もしくは祭礼等々に際してコーヒー・セレモニーが 行われる。
日本の『茶道』ならぬ『コーヒー道』と言ってもいいものだ。

知識だけで知っていた事を実体験した。

Tさんのひとつひとつの動作が‥生豆から焙煎まで‥優雅で幻想的で舞のようで‥夢の中にいるようだった。
生豆を素焼きの土器に入れて転がすように煎る。
いい具合に煎り上げて挽く。
糸の様に細く垂らすお湯。
筋肉の動きに無駄がない。
精神のバランスと上腕二頭筋がほどよく調和している。

魅入られてしまう。

その黒い液体は濃く深く‥ながーく口の中に残る贅沢な味。

りんりんりんりん‥鈴虫のなく田舎の小道。
常夜灯のない暗い道。

喉の奥に贅沢な苦みを感じながら‥我が家まで歩いた。

9月の中旬の事。


きらきら星と黴落とし

2017年08月30日 | 音楽と日記
今日は、日頃気になっているが、気が乗らない掃除の日。

『ああ、お母さん、あなたに申しましょう』を聴きながら台所全体の黴を落とす。

「ああ、お母さん、あなたに申しましょう 」又は「ママ 聞いてちょうだい」は、当時フランスで流行していたシャンソン・歌曲。

モーツァルトの死後、『きらきら星』の歌詞と結びついた。

つまり、モーツァルトが生きていた頃は、まだ『きらきら星』という曲は存在していない。

モーツァルトの変奏曲を『きらきら星変奏曲』と呼ぶことに違和感がないわけではないが、彼が原曲をアレンジしたのだ。

天才は曲調を様々に変化させて『12の変奏曲』を作曲した。

軽やかで愛らしい曲を聞きながら、いそいそとカビを落とす。

埃も固まってモルタルもどきだが、せっせと磨く。
へらで掬い取るほどの強度である。
何度磨いても落ちている気配すら感じられない。

誰も見てくれず、きずかぬふりの‥陽の当たらない所にカビも埃も溜まる。

私の境遇に似ている。

それをこそぎ落とす作業は、真に地味で生産性はない。

鼻の穴は(マスク)の上からでもむず痒いし、くしゃみがでる。
鼻事態が痒い。

「ああ お母さん 聞いて聞いて‥ほんでもって見て見て‥そして褒めて」とすがりたくなる日常は腐るほどある。
しかしすがる相手はいない。

ドド ソソ ララ ソ‥4分近くある曲。
大人も小さな子供も誰でも知っている曲をリピートしながら、気分が腐る作業をする

磨いてもこすっても、変わり映えのしない家だが、それでも身体を動かすと気分がいい。

モーツァルトは、生きている時代常に借金に追われていた。

それでも『フィガロの結婚』や『ドン・ジョヴァンニ』等‥
彼の中の創作の神が楽曲をつくらせたとしか思えない傑作を生み出した。

生きるために‥食うために‥作曲をした。

その事に感動する。

それとは何の関係もなく、機械的に身体を動かしたために台所の掃除が終わった。

きらきら★のお蔭で身体の螺子がしまる。

有難う。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 。



ジャニス&アデルを聴きながら整理にいそしむ

2017年08月12日 | 音楽と日記
昨日は、和倉温泉まで。
都市開発で其角整理された街中。
しゃれているが風情がかけて歩いても味がない。
裏道りに入る。
文字がこすれた看板、錆びたドアの蝶番、2台でぎりぎりの駐車場(草が所々)、食堂や土産物、スナック ‥‥
七尾湾からの、潮風にふかれながら営業中。
猥雑なさまが昭和の情緒と言えなくもない。
私と同じように、町も老いていく。

開湯以来約1200年かわらず‥地下の花崗岩に含まれる水晶をくぐりぬけ‥とうとうと‥ 湧きでる温泉。
宣伝文句に嘘はない。
塩分は非常に強くよく温まる。
神経痛や関節痛・腰痛などに効くそうで‥皮膚病にも‥いい。

・湧く浦・総湯まで車で20分という近間に住んでいても、年に数回しか行く機会がない。
いつでも行けると思っているからだが、これからは、足しげく総湯に入ろう‥歩き疲れて痛み出した右膝をさする。

 いいお湯ですわ。

合歓さんがジャニス、ジャニスと言いはじめて、ジャニスを聴く。

ジャニスの祈り(ムーブ オーバー)と(サマータイム)だけを繰り返し々聴く‥擦り切れるほどにだ。

彼の性格が出ている。

興味の幅が狭い‥狭量 執拗 頑是なさといった態度にいらっとする。
食べ物でも、映画でも 本でも偏りが激しい。
共感能力に欠けている。

「ミー&ボビー マギーもコズミック ブルースも聞けぇぇぇっつうの  「シンガーで上手いのは山ほどいる…他の曲も聴けぇ」
といいたい所を、三歩ほど譲って「アデルもいいよ 聴いてみたら」‥やんわりと現在の歌姫へとねむさんを誘う。
しかし‥「わしはジャニスがええ」‥という事で‥(ハロー)も(スカイフォール)も流れて飛んでしまっているのは流石である‥まいりました。

角が取れた‥穏やかになった‥苦悩を超えて寛容の精神が純化してきた‥老齢の為鈍化した‥怒りは自分を傷つける事を認めた‥わたし。
狸の様な人間、と暮らしているお蔭で内面が成長して観音菩薩のように慈愛が深まる。

彼はサピエンスではない。
同じ場所にだけ糞をする狸の様に生きている。


ジャニス・ジョプリンは、命を削りながら歌った。

「ジャニスだけがええ」のではない。「ジャニスはいいし、アデルもいい」のだ

アデルはまだまだ現役で、世界最高のレコードセールスをのばしそうだ。

音楽の世界に浸かりながら、DM、手紙 小冊子 映画チラシの整理がはかどった。

そんな一日が暮れていく。
やっぱりひとりで温泉に‥毎日‥浸かりたいとつくづく思う。

久しぶりに暑さがしのぎやすい‥夏の日の‥今日。