まんまるログ

融通性か?和・洋・中・無国籍・ジャンクとなんでも食べる胃袋と脳みそ。

お久しぶりの映画

2016年11月28日 | 日記&映画
張 芸謀 (チャン・イーモウ)監督は、好きも嫌いも よくも悪くも天才である。

“活きる”“初恋のきた道”どちらも再見。
しみじみと画面の中の風景に見入る。
懐かしい気持ちで心が洗われる。

映画もだけれど(前に見たというだけでほとんど覚えていない脳みそ)自分の取り返せない日々も画面の隅に見え隠れする。

チャン・ツィーはまだ少女。コン・リーも若い。

中国を代表するというよりも、今では世界の女優といってもいい二人が素晴らしい。

反動分子 下放 土壁に飾られた毛沢東の写真 共産主義国家の中で翻弄される人間達 都市部と田舎の温度差‥‥

舞台は違うしストーリーも違うのだ。

それでも膨大な土地の広さを感じるし‥中国という国の底力も感じる。

無名で土の中に埋もれていくだけの圧倒的多数の人間の命‥毎日の小さな幸せをこぼさないで集めて大事にして生きている。

二作ともそんな人間たちの映画だ。

チャン・イーモウ監督には、たくさんの顔がある。

赤いコーリャンの衝撃‥“単騎 千里を走る”事と“北京オリンピックの開会式の演出の騒動”と私生活の乱脈さ‥

あとは‥ヒーロー ラバァーズ等の武闘? 武侠シリーズ?

彼個人の精神の中で、どう折り合いをつけて畳み込んでいるのか‥気になる。

去年の映画 “妻への家路”は今見たい映画の一番目。

天才は傲慢でも奇矯でも‥歪んでいても許される。

才能を開花させる力は神様の領域。
努力という言葉は兆の財産と同じほどむなしい。
凡人の私などには‥到底うかがい知れないのだろうか。

窓辺の月

冷え込む朝‥格子窓から外を見る。

昨晩の雨でアスファルトが濡れて、ところどころに水たまりが出来ている。

水たまりをよけながら‥少しの日差しを待って作業着を干す。

これも又‥大切な日常。

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眠れる老婆とぼろを纏った騎士

2016年11月20日 | 日記
電通の女子職員‥過労死が話題になっている。
労基署による、高橋さん“過労死の職員”の残業時間は1月に約105時間という公表に対し、130時間超えとの見解もある。
「1日20時間とか会社にいるともはや何のために生きてるのか分からなくなって笑けてくるな。」
連日午前4時・5時に「今から帰宅」というツイートを当人がしており、130時間では収まらない残業時間であった。

こういった会社の労働体制を絶対に肯定するわけではない。
しかし労働時間に関して「これぐらいの長時間労働は当たり前」と感じる人もいる。
電通に限らず五万といるだろう。
しかし高橋さんに至っては「君の残業時間の20時間は会社にとって無駄」
「会議中に眠そうな顔をするのは管理ができていない」「髪ボサボサ、目が充血したまま出勤するな」
「今の業務量でつらいのはキャパがなさすぎる」‥等
長時間勤務を把握した上で仕事に関係ない身なりの指摘まで受けていた。

「男性上司から女子力がないだのなんだのと言われる‥」‥高橋さんの言葉。
笑いで吹き飛ばせない性格も彼女を追いこんでいったのだと思う。

真面目で勤勉というのは、気の毒ですらある。

私だったら‥眠れる老婆は思うのだが、“タラ”は北海の海にしかいない。
電通は超一流企業で婆さんには縁がない。
若くても就業するには最難関の企業だった。

その一流企業でも高学歴でも‥この不幸である。
出るのはため息ばかり‥。

「私は犠牲者ではない」と繰り返し唱えても、犠牲者であることに変わりがない。

ならば末端の派遣社員、下請け業者、孫請け業者はどうなるのか。
自動車、電化‥正社員は二割にも満たないのではないか。

(超過勤務とシフトをこなすので手一杯‥ 住民票まで手が回らないのが現実)安い賃金で使いまわされる。
短期間の工場労働(全国を転々)としている若者が三割強存在しているのが日本である。

彼ら 彼女らの低コストの労働力が日本製が一番(メイド イン ジャパン)を支えている。
人件費削減 コスト管理という言葉に重きを置くと、働くもののプライドと人間性は捨てられる。

削減しても管理強化しても“生産性”は上昇しない。
人間には感情がある。
そんな風に動いてはいかない。

一時的に生産が上がったように見えても、その反動で“負の遺産”が雪だるましきに増えていく。

国家と銀行が延命措置を講じて‥みせかけだけ永らえている大企業はたくさんある。
本来なら淘汰される製品、企業が国の補助金で生かされる。

若い世代の肩に背負わせる荷(税金)だけが重い。

派遣社員はその日暮らしを強いられる。

こんな時代だ。
未来は暗い。



ただそう思う反面‥あたりを見渡せばぼろを纏った騎士(筋を通せる男たち)が少なからず存在している。

彼らの生き方を応援したい。

眠れる老婆‥若き頃は美しく才気もあった‥。
ようやっと生息しているとはいえ善処していくエンジンは稼働している。
ぼろの洗濯でも‥繕いでも‥できることをしていきたいと心から願う老婆である。

眠れる老婆とぼろを纏った騎士に思いやり予算を組んでほしい。

アメリカ(横須賀の基地‥)にではなく。

眠っていてもぼろぼろでも‥最善を尽くして動いていける者達である。

若者の背中を希望の方に押せる者たちである。

お願いします。
神様。

私に予算を‥くださいませ。

お願い‥お願い‥おねぇぇぇがあぁぁい。
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収穫祭のポピュリスト

2016年11月15日 | 日記
晩秋‥なのに‥空が高い晴れた日。

今日は村の収穫祭。

F氏とAさんが来宅。
誘い合わせで参加した。

杵つきのお餅 パスタ さつまいも&蜂蜜のお汁粉風 酵母パン たこ焼き‥等。

ワイン ジュース 天然水も ‥果物も‥集う子供たち 若夫婦 村の住人 有機農法の仲間‥それぞれがワイワイと‥

ギター片手に歌う者 おちびさん達の笑い声 アドレス交換をするMさん‥ひたすら食べてばかりのおばさん&爺様。

まったりとのんびりと時間が過ぎていく午後。

村はのどかで、すこぶる付きの平和を感じる。

一方で‥他人の中に踏み込むことが、おっくうになっている自分を感じる。

誰もかれも頑張っている。
努力もしている。

それでも頑張った分だけ‥疎外されていく者もいるのだ。
たぶん。






社会全体が安い、やさしい、楽、だけをして実のない方向に流れているような気がする。

世界をすべて敵と味方に分けてしまう。
一方的に標的を決めて突っ走る。
人格に瑕疵があるとしか思えない‥拝金主義の大統領が誕生した。
面白半分で上調子で視聴率を上げる為だけに、政治家の動向をとりあげるメディアも良くない。

熟考し反芻する事のできない有権者がさらに悪い。
圧倒的大多数の国民こそが“ポピュリズム”を台頭させてきた。

心のなかに溢れるほどの言葉がうずまく。

それでも裏山でのんびりと‥どんぐりと帽子を集めている“ポピュリスト”が私なのだ‥

目には見えないベールをまとって、もしくはワイヤー線をひきながら生きている。

村の現実は長閑で平和だ。

反面‥その長閑さは残酷でもある。




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コインロッカーの女

2016年11月10日 | 映画
合衆国大統領がトランプ氏ということで生物的に耐えられない。

気分が悪い昨日。

しかし秋の風が冷たいとはいえ空が澄んで‥気温が10度の朝を迎えた今日。

隣国の韓国も大統領の機密漏洩が問題になっている。


映画の主役は女性二人。

1→イル
0→ヨン

うまれてすぐに“10番”のコインロッカーに捨てられた赤ん坊は「イリョン」と名づけられた。

ホームレスの手から「仁川‥インチョン」の裏社会に流れていく。

裏社会を牛耳るボスは女で「キム・ヘス」が演じる。

容姿端麗な彼女が、顔のシミ、寸胴のスタイル、白髪で荒い髪の毛まで‥徹底的な役作り。

目が動かない。

裏社会の地獄の中で生き抜く非情さを貫禄で演じている。

対する「イリョン」はキム・ゴウン‥若い演技派。

一重瞼の無表情で終始。

シリアスで感情が読み取れない。
胆力がある。
演技力だけではない。
存在感が溢れている。

政治家も警察も医者も黒い世界‥悪と結びついているというお決まりのパターンではある。

残酷で悲しい。

そんなこととは別に、“絶対的大女優”と新人だが“大物の片鱗をかんじさせる女優”の対決がよかった。

ジャンルはノアールだが、惹きこまれた。

韓国映画は凄いと思わせる作品に仕上がっている。

老いも若きも中年も迫力があって巧いのはさすがに韓国。

現実の韓国も日本も、裏社会はさほど変わりがない。
汚い、惨い、ひどい。
目を背けたい。

裏の世界で生きるという事は、選択の余地がないという事。

太陽の下で憩える事は棺桶の中までない‥そんな気がする。

現実(表)と(犯罪)裏が紙一重の社会がすぐそこに‥迫りつつあると思うのは私だけなのか?。

権力は正義ではない。

そのことだけを思う。

そんな時代がやってきている。


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