まんまるログ

融通性か?和・洋・中・無国籍・ジャンクとなんでも食べる胃袋と脳みそ。

(私には夢がある)…タイタンズを忘れない。

2014年10月16日 | 映画
東京の新大久保、大阪の鶴橋 で週末にヘイト・スピーチが盛んだと聞いたのは二年ちょっと前。
言葉の暴力という表現もしたくない。
「…人はごみだ」「死ねー」「この国からでていけー」叫んでいる男の声からは人間性のかけらも知性も感じられない。
一人が叫ぶとその声に唱和するように集団が復唱する。
低次元で下品なスピーチである。
深く知りたくもないし考えたくもなかった…で意識して頭の中から追い出していた。

7月に友人との談話でヘイト・スピーチが話題になった。
ますます過激になっていくという事らしい…ボルテージがやたらに下がる。
気分が重い。


マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)がテネシー州メンフィスのモ-テルで暗殺されたのは1968年4月4日。
彼のメンフィスでの常宿は(ロレイン・モ-テル)…ダウンタウンからほど遠い、やや裏寂れた一角にある。
ノーベル平和賞受賞者なのに黒人だからという理由でダウンタウンの一流ホテルには泊まる事が出来ない。
黒人オーナーが経営するロレイン・モ-テルがメンフィスにおける常宿だった。
そこを狙われた。
1963年…リンカーン記念堂での人々の心に残る演説“I Have a Dream”(私には夢がある)がある。
抜粋する。

私には夢がある。それは、いつの日か、ジョージア州の赤土の丘で、かつての奴隷の息子たちと、
かつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である。
(中略)
私には夢がある。それは、いつの日か、あらゆる谷が高められ、あらゆる丘と山は低められ、
でこぼこした所は平らにならされ、曲がった道がまっすぐにされ、
そして神の栄光が啓示され、生きとし生けるものがその栄光を共に見ることになるという夢。
(後略)


キング牧師暗殺から三年後の1971年、ヴァージニア州アレクサンドリアの町が映画タイタンズを~の舞台。
アメリカ国内では公民権運動が盛り上がり、保守的な小さな町にも変化の波が押し寄せてきていた。
白人学校と黒人学校が統合されたのである。
統合校T・C・ウィリアムズ高校が開校。
フットボールチームも統合され「タイタンズ」が結成される。
統合に反対する住民達のデモが起こる中、数々の栄光に輝く黒人コーチ、ハーマン・ブーンがヘッド・コーチとしてやってきた。
これまでヘッド・コーチを勤めていたビル・ヨーストは自分の地位が黒人に奪われた事にショックを受ける。
反動的な町の人々はヨーストを支持する。
残っている教え子の為にしかたなくアシスタント・コーチを引き受けるヨースト。
チームが一丸となるためのゲティスバーグ大学での合宿。
偏見はなかなか消えない。事あるたびに激しい対立が起きる。
白人のチーム・リーダー、ゲーリーと黒人のチーム・リーダー、ジュリアスはさっそく殴り合いのケンカ。
黒人コーチ、ブーンは「怒りを抑えそのエネルギーを勝負にぶつけろ」と諭す。
そして軍隊のように厳しいトレーニングを選手達に強いる。
ブーンの家では、窓ガラスが割られるし家族への嫌がらせもある。
しかしタイタンズは徐々にではあるが…変化していく。
ヨーストもブーン・コーチに魅かれていく。

実話の映画化である。

息子二人が小学生だった頃。
一緒に見た映画の中のひとつ。
次男のDVDのコレクションの中にあった。
「久しぶりに見てもいいねぇ」「何回見てもいい」
10年以上も前に見てビデオで何度か再生した…デンゼル。ワシントンが若いし熱血感で冷静。
ライアン・ゴズリングが端役で出ているが、カット数分の出番なのに光っている…これはおまけ。
白人リーダーのゲーリーと黒人リーダーのジュリアスは、ぶつかりながら親友ともいえる関係を築いていく。

全国に広がるヘイトスピーチ(憎悪表現)。
今夏、国連の二つの機関が相次いで日本政府に対処を求めた。


心の中に夢をしまっておく場所を
いつも空けておきなさい。

キング牧師の言葉を反芻している。

タイタンズを忘れない…は私に差別を乗り越えていく力とは何か…を考えさせてくれた映画だった。

挿入曲のCCR(アップ・アラウンザ・ベンド)も心が高鳴る。

日常はメンタル・トレーニングの連続。


鶏頭の花が咲き誇っている。この花は強い。

















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