カンチャン狂騒曲

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大人のための児童文学講座

2015-09-29 09:57:48 | 本と雑誌
 昨日は詩について右目からウロコで、今日は児童文学について左目からウロコだった。

 
 「大人のための児童文学講座」ひこ・田中(著)2005.4徳間書店(刊)

 「家族」と「子ども」という観点から大きくジャンル分けして、そのなかで家族像や子ども像がどのように変遷していったかを解説している。

 児童文学は基本的に児童を読者として想定したもので、そういうものがあった方が良いという社会的な要求から生まれたわけで、読ませたくない本と分類したかったのだろう。

 子供達にはこうあって欲しいという父母の要求や、その時代が求める家庭像・女性像・父親象などが色濃く反映され、もしもう一度読み返すならその辺りに視点をもってくれば、当時の大人社会が児童文学にどう反映されていたかが分かって、大人も興味がつのるはずだと著者は述べている。

 以前に「週刊子どもニュース」というNHKの番組があったが、子どもに分かり易いようにシンプルな構成に気が配られていて、何やら持って回った意味不明の大人のニュースよりよっぽどスカッと本質をついて面白いニュースだった。

 同じようなことが児童文学にも言えるのではないかと思う。

 「らしい・らしさ」が求められ、それに呼応する作品が多いものの、やがて価値観の多様化という現実が児童文学の分野にも影響を及ぼして、父は(或いは母は)死んで居ないという想定が多かった物語から、両親の離婚、あるいは親のどちらかの不倫、新しい親の虐待にまで進み庇護されるばかりの子ども達が、自分で判断し決定していくまでに変化している。

 弱い父や働かない父、優しくない母子どもを顧みない母が登場してくるのである。

 児童文学恐るべし・・・のようだ。
 
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