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カンチャン狂騒曲

日々の事をあれこれと、大山鳴動してネズミ1匹がコンセプト。趣味さまざまなどを際限なく・・。

日本の論点

2015-03-10 13:04:33 | 本と雑誌
 図書館の本、大前研一氏の「日本の論点」を読んだ。

 読みながら、先日読んだトマ・ピケティーの「新・資本論」が頭をよぎった。

 

 「日本の論点」大前研一(著)2014.12プレジデント社(刊)

 プレジデント誌で連載されていた「日本のカラクリ」の一年分の記事などをピックアップして加筆修正・再構成したものらしい。

 トマ・ピケティーの「新・資本論」もリベラシオン誌に掲載されたものの再構成だったので、つい比較する読み方になってしまった。

 「新・資本論」は、西欧における格差社会の拡大への警鐘を、主としてヨーロッパを対象として描き、他の地域でも参考になることが多いはずだというスタンスだった。

 この「日本の論点」は、その名の通り日本の問題に絞っているものの、世はグローバル時代であるし、安全保障問題等を抜きには述べられない問題点もあるので、その内容は多岐にわたっている。

 しかしながら、著者がプロローグで述べているように、各論は多岐に亘りどれも避けては通れない重要な問題であるが、あまり間口を広げると全てが上っ面を撫でるだけの議論になってしまう。

 読んでいて一番納得が出来たところは、この「プロローグ」の部分だった。

 論点を整理して一つに絞るならば、とことわって「約1000兆円を越える巨大な国家債務をどうするか、という問題に尽きると私は考える」と書いている。

 40兆円の税収しかないのに100兆円の予算をくんでいれば綻びが出るのは自明の理である。

 解決法も皆知っている。

 超倹約か、超増税か、あるいは両方か・・・・。

 しかしやがて国家を破綻に導く危険な状態にありながら、正論を述べる政治家は選ばれないし、官僚も浮かび上がれないし、おまけにマスコミも報道しない。

 「大変ですよ」くらいは言えるが、方策を根拠をもって示し説得できる人間が現れないのだ。

 鬱屈した国民感情を煽る、威勢の良い極端論やナショナリズムが台頭し易い状況が出来上がるまでこれは続く。

 ヒットラーの如く戦争でチャラにしようなんて冗談ではないが・・・歴史を学ばないと歴史が繰り返されていることに気がつかない。

 もはや中央政府には問題処理能力はないので、ここは一つ道州制を導入して500兆円は冷凍保存しておいて、500兆円を各道州に経済規模に見合ったように分割して負担させ、アイディアを競って処理させたらどうか。

 という著者の意見に、つい1票を入れたくなった。

 軽い乗りで憲法改正が叫ばれているが、道州制導入と赤字国債の処理を前提に憲法論議をした方がよっぽど有益のような気がする。

 ただし、こっちは軽い乗りでは出来そうもないから、やっぱり政治家も国民も逃げるだろう。

 では軽い乗りで2句いってみよう。

 「成るように なってからする 政りごと」

 「成るように なっているのに 右顧左眄」

 おそまつさま・・・・・。

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コメント
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