
「現代川柳のバイブル」黒川孤遊 編 2014.1飯塚書店刊
古川柳には独特の趣があっていいものだが、現代川柳もなかなかすごい。
名句1000と編者が選りすぐった東西の現代川柳作家の句がジャンル分けしてあって参考にし易い。
愛・恋の項の「逢える日の帯は嬉しい音で締め(平田朝子)」とか「恋文の上でリンゴを剥いている(赤松ますみ)」なんて、実にいいのがある。
男・女の項もいい、「逃げ腰の男は撃たぬ夕焼けよ(森中恵美子)」「後ろ手で鍵をおろしたのは女(大城俊秀)」などなど・・・。
「川柳うきよ大学」小沢昭一 著 2008.5新潮新書刊
「小沢昭一的こころ」というラジオ番組はずいぶん昔から聞いていた。
この川柳うきよ大学は「小説新潮」の川柳欄に連載で掲載された平成15年~平成19年の間のものをまとめたもので、以前の「川柳うきよ鏡」の続編にあたるものだとか・・・。
選者が小沢氏なので、どうしても小沢昭一的こころの匂いが紛々と漂ってくる。
古川柳の風合いが好きなのだろうとおもう。
そういえば、変哲という号で俳句を詠んでいるが、内容は実に川柳的なものが多かった。
例えば・・「寒月やさて行く末の丁と半(変哲)」など季語入りの川柳の世界である。
またわざわざ下ネタ・色物を特別に募集したりして、選者の独壇場なのである。
川柳に関しては、いろいろ論もあるようであるが、私などの素人には沢山のメニューがあった方が選ぶ楽しみもあるし、今後の作句の参考にもなる。
ではお粗末ながら一句・・「歳月に己重ねて見るモミジ」


お気楽日記 ブログランキングへ