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◆イエスを売った裏切り者 キリスト教史を覆す!「裏切者ユダ」による福音書

2019-09-18 05:13:52 | Weblog


最後の晩餐  向かって左から5人目、銀貨の入った袋を持つのがユダとされる


新約聖書によると、イエス・キリストは12使徒の1人、イスカリオテのユダに裏切られ、死に追いやられたとある。 その証拠となっているのが、新約聖書に収録される「マタイによる福音書」や「マルコによる福音書」「ルカによる福音書」などに書かれている記述だ。

*イエスを売り渡した裏切り者のユダ  
例えば、「マタイによる福音書」では、イスカリオテのユダが、イエスが過越の祭の2日前に「あなた方も知っている通り、2日後は過越祭である。人の子は、十字架につけられる為に引き渡される」と自ら予言したとある。そして、その予言通り、2日後に、後に最後の晩餐として知られる食事をした後に、ゲッセマネの園にて祈りを捧げたところへ、ユダと共に現れたイエスに反感を抱くユダヤ人たちに捕らえられる。そしてユダヤ教指導者の裁判と、ローマのユダヤ総督の尋問の末に翌日、十字架に磔けられてしまうのである。
ユダの裏切りの逸話の部分には、イエスを激しく憎むユダヤ教の祭司長たちのところへユダが赴き、「あの男をあなたたちに引き渡せば、幾らくれますか」と尋ねたことや、使徒たちと共にいる中で、ユダが近づいて接吻をした人物がイエスだと官憲に知らせる手筈になっていたことなどが、事細かに記されている。 その後ユダはイエス捕縛後に罪を自覚し、イエスの助命を願い出るも拒否され、自責の念に苛まれて自殺して果てている。だが以後その存在はキリスト教徒にとって忌むべきものとなり、悪魔のごとく憎まれる存在となった。

*エジプトで見つかった「ユダの福音書」  
ユダの裏切りの理由についてはこれまで、「悪魔に取り憑かれた為」「イエスをユダヤ独立運動の旗手と捉えていたものの、一向に武装蜂起に踏み切らないイエスに業を煮やした為」などと言われて来た。 しかし近年、ユダは裏切り者どころか、イエスの最も誠実な友人であり、弟子だったという説が浮上して来た。イエスを官憲に引き渡したのも、裏切りではなく、イエスの指示に従っただけだというのである。 この新説が誕生した切欠は、1970年代にエジプト中部のミニヤ県に於いて、パピルス写本の「ユダの福音書」が発見されたことだった。発見者も発見地も正確には特定されていないが、2世紀に編まれたものに間違いないとされる。「ユダの福音書」が発見されたのはこれが初めてで、研究者のチームが4年あまりの歳月をかけて修復と翻訳を行なった結果、驚くべき内容が明らかになった。

*「ユダの福音書」ーーーその衝撃的な内容  
そこには、12使徒の中でもユダがイエスから特別扱いをされる選ばれた弟子だったことや、イエスがユダに自分を引き渡すよう求めたことなどがシッカリと記載されていたのだ。これが事実であれば、イエスの受難と十字架は、イエス自身が何らかの意図を持って描いたシナリオとなる。 何よりユダは裏切り者ではなく、ユダ自身も大きな代償を払うことになる重要な役割をイエスから託された人物だったということになる。 この新説は何を意味するのか? 「失われたキリスト教宗派」の著者バート・アーマンは、「もしユダがイエスを裏切っていなかったら、キリスト教徒の見方は今とは違ったものになっていただろう」と述べている。 キリスト教の歴史が始まってからずっと、キリスト教徒は、イエスはユダの裏切りによってユダヤ人に殺されたと信じており、あくまでユダは裏切りの象徴だったからだ。
このように、「ユダの福音書」の記述に則ると、キリスト教の歴史が大きく揺らいでしまう。その為、この書がこれまで人々の目に触れなかったのは、黎明期のキリスト教会によって糾弾され、歴史から消されたからだと推測されている。


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