Mayumiの日々綴る暮らしと歴史の話

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◆家紋にも見られる魔除けの星印

2024-10-10 13:32:51 | Weblog


晴明紋


安倍晴明


「☆」のマークを見ると、誰もが連想するのは星のイメージである。
この星マークが誕生した起源を考える時、我々は西洋の国々を想起しがちである。
確かに、西洋では星マークは北極星信仰と結びついたり、
海の女神を表わすものとして、船乗りの腕の刺青として彫られることが多い。
しかし、日本でも星マークは古くから家紋に取り入れられており、
魔除けの象徴として活用されていたことも分っている。

平安時代に、摂政藤原道長の覚え愛で高かった安倍晴明(921~1005)の判紋は星マークだった。
安倍晴明は8世紀初めの右大臣、安倍御主人の系譜をひき、
安倍晴明が創作したとも謂われる星マークは「結びの呪術」を表わしている。

日本では古来から、紐状の物の先を様々な方向に潜らせて作った結び目を祈占や呪術の道具として使い、吉凶、陰陽を占い、長寿や豊年などを願って来た。
魂が体から抜け出すのを防ぎ、また、抜け出してしまった魂を元に戻す為の呪術が結びの呪術である。
この結びをシンボライズしたものが星マークだと考えられている。
また、星マークを護符として伝統的に受け継いでいる地方もある。
三重県の鳥羽沖に位置する神島の家々で見かけることができる。
神島の家の戸口には、護符の木札を掲げている処が多いが、
この護符に星マークが書かれている。
地元の人々は、これを「セーメー」と呼んでおり、どうやら安倍晴明に因んで命名された様だ。
更に、海女の女性たちが活躍している伊勢志摩地方では、彼女たちの手拭いにも星マークが紺糸で縫い込まれている。
彼女たちはこの印を「ドーマン」と呼び、「魔除け」や「魔おどし」として、海に潜る時の安全の印としている。

やはり、場所は違えど、海と関わりのある人々にとって、
不動の星と考えられていた北極星は、いざと云う時の指針となり、
信仰の対象となりやすかった様だ。

     
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