南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

ジョン・ウー監督の『赤壁』(Red Cliff)を香港で見ました

2008-07-27 16:54:30 | 古代中国
ジョン・ウー監督の映画『赤壁』を香港で見ました。日本では2008年
の11月1日に公開予定のようですが、中華圏では、すでに7月の前半
から公開されていました。香港では公開からもう二三週間経っている
ので、もう上映は終わりかと思ったのですが、いくつかの劇場で深夜
帯でやっていたので、昨日の土曜日、太古(タイクー)のジャスコの
上のほうに入っている映画館で、夜10時からのを見に行きました。

こんな時間に見に来ている人いるのかなと思ったら、小さな劇場は
満席。しかも若い人だけじゃなくて、おじいちゃん、おばあちゃんた
ちも来ています。香港ってすごいなあと思いました。まさに老若男女
が映画産業を支えている、そんなんで感心してしまいました。

また、見方が面白い。こんなシリアスな歴史アクション映画で、
ところどころ笑いが。言語が北京語(普通語)で、英語字幕なので、
内容を追うのは至難の技なのですが、だいたいのところはおなじみの
『三国志』の話なので、何とか想像力でフォローしましたが、なんと
なく笑いの壷もわかったような、わからなかったような。しかし
香港の映画館に行って、普段は自分がかなり年齢的に浮いていると
感じることが多いのですが、今回は、劇場の平均年齢よりも自分の
ほうが若かったような感じで、不思議な雰囲気でした。

この映画、いまから1800年くらい前の『三国志』の時代の戦いが
テーマです。「赤壁の戦い」で、北の強国の魏(ぎ)の曹操(そう
そう)と、南の呉(ご)の孫権(そんけん)がこれから蜀(しょく)
の国を興すことになる劉備(りゅうび)と同盟して戦うことになる
という頃の話。主役は、孫権の軍の総司令官である周瑜(しゅうゆ)
と、劉備側の軍師、諸葛孔明(しょかつこうめい)です。

で、周瑜を演じるのが、トニー・レオン、そして諸葛孔明を演じる
のが金城武です。三国志の中でも、ほとんど年齢の違わないこの二人
が、自分の国の存亡を背負って駆け引きをしていくあたりが見物で
すが、果たしてそこが十分描ききれていたのかは、日本での公開後に
見ていただきたいところです。まあ、三国志は、それぞれの登場人物
がスーパーヒーローで、みなさんそれぞれのイメージを持っておら
れるでしょうから、映画になってしまうと、自分のイメージと違う
なあと思われる方が多いと思います。私の場合も結構違いました。


この上の写真の左上が周瑜のトニー・レオン、そして右が諸葛孔明
の金城武。周瑜はもっときりりとした美男子でカリスマのある感じ、
所轄孔明ももっと知性あるイメージを持っていたので、この配役から
してちょっと違います。下の左は、呉の国の男勝りのお姫様を演じる
ヴィッキー・チャオ。『少林サッカー』のヒロインを演じていた彼女
です。いい味出しています。その隣の趙雲(ちょううん)の俳優は
胡軍という中国の俳優のようですが、この人も個人的にはイメージが
違うなあという感じでした。この間アンディ・ラウが『三国』で演じ
た趙雲のほうがまだ近かったかな?

アンディ・ラウの映画の中でも、敗走するなかで、敵に取り囲まれて
しまった劉備の子供を命がけで救い出す趙雲の活躍場面が描かれて
いますが、この『赤壁』もその戦いからストーリーが始まります。
この胡軍の趙雲、もうちょっときりりとしたルックスのほうがよかっ
たと個人的には思います。そのとなり、これは中村獅童です!
「甘興」と書いてありますが、これは「甘寧」(かんねい)またの
名を「甘興覇」の人で、周瑜配下の猛将です。ほんのちょっと出る
だけかなと思っていたらかなりの活躍で、その存在感はかなりの
ものだったと思います。

しかし、全然知らなかったのですが、この映画の監督のジョン・
ウーというのは、すごい人だったのですね。広州生まれで、香港
育ちのこの監督は、すごい作品をいくつも監督しています。
例えば、
●男たちの挽歌シリーズ
●FACE/OFF
●ミッション:インポッシブル2
●ウィンドトーカーズ
映画は知っていても、監督さんの名前覚えていませんでした。

『ブロークバック・マウンテン』や『ラスト・コーション』の
アンリー監督もそうですが、中国系の監督がハリウッドで活躍する
のはすごいなあと思ってしまします。

この『赤壁』の映画、いろいろと人物描写には物足りない部分が
あるかもしれませんが、戦闘シーンのスケールはすごいです。

あと、トニー・レオンの周瑜が、『ラスト・コーション』に引き
続き、この映画でも唯一の濡れ場をやっていましたが、この人は
濡れ場の帝王という感じです(笑い)。

しかし、孫権はいい感じでしたが、劉備はオーラがないただの
情けないおやじさんのように見えてしまったのは残念でした。
語るとつきない『赤壁』ですが、日本は未公開なので、これ
くらいにしておきましょう。

ただし、この映画、赤壁の戦いがこれからというところで終わり、
あとはパート2を待つしかないのが何とも残念です。早く
パート2を見たくなってしまいます。ということは興行的には
成功ということなのでしょうか?

一応、公式サイトはこちらです。まずは日本のもの。
http://redcliff.jp/index.html

そして香港のものです。この蕷告篇というところでプレビューが
見られます。
http://redcliff.meiah.com/