南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

シンガポールのラブレター

2007-01-30 01:36:14 | シンガポール
ご無沙汰をしておりました。なかなか更新できなかったので、
私はどうしてしまったのだろう、ひょっとして上海に行った
まま失踪してしまったのでは、あるいは拉致されてしまった
のではとご心配された方もあるかもしれません。ご心配おか
けしましたが、私は何とか生きております。

一月の三日に東京からシンガポールに戻ってきましたが、
翌週の11日に出張で上海へ行き、13日にシンガポールに戻っ
きました。そしてまた翌週の17日の水曜日にまたまた上海に、
行ったかと思ったら、20日の土曜日にシンガポールに戻って
きました。この二回目の上海行きで、シンガポール航空の
マイレージがシルバーからゴールドに昇格!ラウンジを使う
ことができました。

上海は寒いかと用心して、東京で買っておいたダウンジャ
ケットを着て行ったのですが、打ち合わせで会った人たちの
中で私が一番寒そうな(暖かそうな)格好でした。気温は
10度前後だったので、それほど酷寒というほどではなかった
のですが、シンガポールに比べれば20度以上の気温差。
シンガポールに慣れた私としては、ちょっと厳しい寒さで
した。

ところで、上の写真の話しをしなければいけませんでした。
中華圏はまもなく旧正月ということで、(今年は2月18前後
の)旧正月に向けて、お祝いムードが高まっています。
シンガポールは19日と20日が公式の祝日ですが、中国では
19日の週がまるまる休みになります。

旧正月の期間には、みかんや、いろいろなお菓子が登場しま
すが、この写真のお菓子も定番のお菓子の一つです。薄い
せんべいが、筒状になっているものですが、その名前が何と
「ラブレター」というロマンチックな名前になっています。
そういわれて見れば手紙のようにも見えますが、缶の中に
こんなにいっぱい入っているのも何となく切ない感じです。

原材料は、小麦粉、バター、砂糖、卵、ココナツミルク、
タピオカスターチ、米粉ということで、クッキーのように
甘いのですが、食べるとぼろぼろと崩れ落ちていき、なか
なかキレイには食べられません。その崩れ落ちるはかなさ
が「ラブレター」たる所以なのかと考えてしまいます。

先日、NHKの『名作平積み大作戦』を見ていたら、森田健作
さんが、石坂洋次郎の『青い山脈』をプレゼンしていました。
この本は読んだことはなかったのですが、その話しの発端に
なるのが一つのラブレターだったのです。主人公の女学生へ
の嫌がらせ(?)として、同級生の女生徒が書いた偽物の
ラブレターだったのですが、それが原因で事件がどんどん
広がっていくのです。

その本の内容は、まあどうでもよいのですが、そのプレゼン
の中で、森田健作さんが、50人のオーディエンスに、「ラブ
レターを自分で書いた、あるいはもらったという人は」と
挙手を促したのに、手を挙げた人はわずかでした。今の時代
にラブレターというのは、過去の遺物となってしまったので
ありましょうか。

さて、私自身はどうでしょうか?この年齢になれば、もう
時効かと思いますので、告白しますが、高校の一年の時に、
同じクラスの子に出したのが最初で最後でした。教室の机の
中に入れておいたのかと思います。少しふっくらとしたタイプ
の人でした。すごく恥ずかしかったので、英語で書いてしま
いました。高校一年の頃の英語の語彙はたかがしれているの
で、微妙な表現はできなかったと思います。

それからその人が、その手紙をきちんと読んだのか、また
内容が正確に伝わったのか、などの疑問が確認できぬままに
残りました。本当はそれをきちんと確認するのが男らしい態度
なのだと思うのですが、私は、それをうやむやにしたまま
いつの間にか、大学受験に没頭してしまっていました。

本気で思いを伝える勇気があったのなら、もっとストレート
に表現していたのでしょうが、私は中途半端でした。今の
恋愛感覚からは納得できないかもしれませんが、とてもとても
恥ずかしがりやだったのですね。

思えば、まあ、そういう思い切りのよくないところがあって、
年を重ねてきたおかげで、今の妻に出会うことができたのだ
と考えれば、そういう中途半端な思いでも、それはそれで
よかったのだと納得してしまいます。

ラブレターの切ない思いででした。