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『さまよう刃』(東野圭吾)

2008-10-02 20:25:28 | 読書日記
 少年犯罪とそこに立ちはだかる少年法の壁。
 犯罪被害者の心理。
 そして「正義」とは何か?

 犯罪被害者の苦痛はなおさらのこと、家族など周囲の人間をも不幸にしてしまう。その上、犯罪者が少年であった場合、少年法に守られ、犯罪の状況、刑罰の内容、そして更生の具合など、全くベールに包まれてしまうため、その怒りの持って行き場所がなくなってします。だからこそ、その傷を癒すことが難しくなってしまうのではないか。

 犯罪者の人権保護の行き過ぎが指摘され、最近では犯罪被害者にもやっと目を向けられるようになってきた気がします。しかし、行政の行うメンタルケアだけでは限界があり、やはり直接的な重い刑罰を与えることが、被害感情を考えると必要になってきているのでは。

 最後に、スパイスの効いた後日談(実際は細かい伏線が張られていましたが)が語られています。作者の思い描く「正義」が端的に語られていると思います。


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