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群馬の田舎から情報発信!

『仕事をしたつもり』(海老原嗣生)

2012-03-12 21:09:44 | 読書日記
 「何も考えずみんなと同じように「仕事をしたつもり」でいれば、楽だし、
失敗してもとがめられることはないし、仕事として認められるし、お金もたくさん貰えるし、
頑張っているように思わせることもできる」

 その対応策は次のとおり。

 「まず、「仕事をしたつもり」を半分にする。残りの半分は「仕事をしたフリ」をする」
 「そして、残りの半分の時間を、真剣に考えることに費やす」

 耳の痛い話が盛りだくさんである。
 確かに「仕事をしたつもり」でいることに、思い当たるふしが多々ある。
 
 考えることを止めたら、進歩はなくなる。
 物事の本質・目的を常に意識しないと。

 作者の言葉は確かに心に響くのだが、「仕事をしたつもり」でいることが
外からの批判をかわすために必要なことも事実。

 現代の社会・マスコミの風潮は、人のアラを捜すことには非常に敏感。
後から、責任者を捜しだし、ミスを指摘する。
 そんな社会では、「仕事をしたつもり」でもしないと生き残っていけない。
 無責任社会の中で生き残る術であることは確かだ。

 この作品のように、毅然とした態度で生きていくことは難しいが、
人間らしい生き方をする上で大事なことなのかもしれない。
 

『政治家の殺し方』(中田宏)

2012-03-12 20:59:56 | 読書日記
 元横浜市長のエッセイ。

 マスコミのレベルの低さに、いろいろ苦労されたとのこと。
 日本人の意識・考え方に大きな影響を及ぼすマスコミの
在り方に、面と向かって異議を唱えることができる人は少ない。
なぜなら、マスコミは、あくまで第三者の立場で批判するだけだから。
決して当事者にならないから、自分を安全に立場に置いたままで、批判
だけできるから。
 この風潮が、社会全般に染みわたっている。
 自分が批判されない立場にある時は、あまりにも強い態度で相手に
接する。

 こんな中田氏であるが、感謝日記なるものをつけているとのこと。

 毎日、感謝できることを見つけて、書き残している。

 これは、自分でもすぐに実践できること。
 今日からやっていみよう!





 
 
 

『キング&クイーン』(柳 広司)

2012-03-10 22:28:47 | 読書日記
 「ジョーカーゲーム」の作者ということで、
この文庫を思わず手にとりました。

 元SPの女性とその人を取り巻く警察陣の人間臭さ。
 そして、チェスに対する情熱は凄いのに、人間としてのコミュニケーション力
が欠けている謎のチェスのチャンピオン。
 この二人が交わることで、どんな物語が展開するのか???

 何とも先が読みにくい作品であるが、帯にあるとおり、最後はどんでん返し!
「そうきたか」と思わず唸ってしまいます。

 チェスに試合であれば、周到に準備された奇手で、最後の最後でチェックメイト
された、という感じでしょうか。

 

『相手に9割しゃべらせる質問術』(おちまさと)

2012-03-10 22:21:40 | 読書日記
 久しぶりの読書日記。

 いますぐできる「質問エクササイズ」
①「要するに」筋を鍛える
②「この人、だれだっけ」筋を鍛える
③「つぶやき」筋を鍛える
④「相手とサシ」筋を鍛える
⑤「思い入れ」筋を鍛える
⑥「推理」筋を鍛える
⑦「情報収集」筋を鍛える

 おち氏はきっと自然体で対談相手と接し、
9割相手に話をさせることで、いろいろな情報を収集しているのでしょう。

 この”自然体”でできるようになるには、凡人はそれなりの
トレーニングを積まないとできないのでは?

 この作品で様々なテクニックや心構えが紹介されていますが、
できることから、まずは始めないと。。。

 とりあえず、毎日1回、誰かを褒める「つぶやき」は実践してみよう。

『武士道セブンティーン』(誉田哲也)

2011-06-21 21:36:29 | 読書日記
 西荻早苗が福岡の強豪校に転校し、今までの剣道との違いに戸惑う。
 
 磯山香織は後輩を育てながら頑張っている。

 二人の友情と、武士道とは何かを悩む姿。

 「武者と武士の違いはなに?」
 「武者の生業は戦うこと。武士の生業は、戦いを収めることだ」

 深くて、難しい言葉。
 けれど、剣道を極めていくと、戦いを収めることの難しさに気づくのかもしれません。

 相変わらず、二人の主人公の目から見た世界を交互に配する手法で、
テンポよく話が進みます。女子高生のリズムに合った会話のテンポが小気味よく感じられます。

 ”今時の高校生”と一括りにはできない、青春の姿があります。
 笑い転げたり、悩んだり、涙を流したり、たくさんの経験が、人を成長させていく。
 
 武士道の世界も面白そうだが、青春の輝きが眩しすぎる世界が広がっています。

 
 

『ダイイング・アイ』(東野圭吾)

2011-06-16 19:04:23 | 読書日記
 殺されかかった男が記憶をなくしてしまった。
 その記憶が少しずつ戻ることで、自分が罠に嵌められたことが分かってくる。

 「この作品は最後はどこへ行ってしまうのか」と先の見えないストーリー展開。
そして、登場する女性の不気味さは正にホラー作品???

 最後に表題の「ダイイング・アイ」の意味がよく分かり、不気味さが一層増しました。

 

『オリンピックの身代金』(奥田英朗)

2011-06-06 19:06:28 | 読書日記
 昭和39年、東京オリンピックの年。
 日本は目覚ましい経済成長を遂げるが、東京と地方の格差を生む
という歪も生まれる。
 
 オリンピックという世界的イベントの中で、この歪は国民の意識から
遠ざけられていた。
 
 しかし、そんな大勢の中でも、一人、疑問を持ち、大衆・国家に立ち向かおうと
考えたのが主人公である。

 貧しさに苦しむ田舎の出ながら、東京大学に通う主人公が、なぜ、これほどまでに
この歪に立ち向かおうと考えたのか?

 田舎の人間が、人柱となって、東京いや日本の経済発展を支えたことを、東京の人に
理解してもらいたい。ただそれだけが主人公を最後まで突き動かした動機なのでは。

 それにしても、著者はどうしてこんなテーマの作品を創ろうと思ったのか。
 私には、絶対に思い付かない発想である。

 社会派の作品ながら、巧みな時間軸の配置により、謎が少しずつ解き明かされていくミステリーにもなっている。
 大部な作品ながら、一気に読ませてしまう技量はさすが!上手過ぎる。
 著者の意図をどこまで理解できたかは分からないが、エンターテイメント作品としても十分楽しめる作品に
なっていると思います。
  

『折れない心をつくるシンプルな習慣』(渡部 卓)

2011-05-29 18:01:38 | 読書日記
「考え方」の習慣
①「悪い思考」に反論して立ち直る
②100点でなくていい。70点主義でいこう
③「ま、いっか」「こんなこともあるさ」を口癖にしよう
  背負ってきた責任感の3割を軽減できる
④自己評価に20点をプラスしよう
⑤自分に対する他人の評価は7割で聞いておこう
  他人の評価は10人10色
  一人によるマイナス評価を鵜呑みにしない
⑥なにを大事に生きるか、自分のモノサシを持とう
⑦「わざと空気を読まない」力を持とう
⑧結果だけを見ずに、プロセスを楽しもう
⑨「結局いつもこうだ」と決めつけない
⑩落ち込んだ日は日記をつけよう
⑪苦手な相手であるほど、相手の性格を把握すべし
⑫「なぜそうなのか」を伝える、尋ねる
⑬「自己開示」して自分をオープンにする
⑭共通点を話す。相手をほめる 

 「言葉と言動」
①気まずい相手の時は相手のあごを見て話す
②ほめ日記をつけよう
③いまいる場所で何か一つプロフェッショナルになる
 
 折れない心も、普段の心がけ、訓練で作れるようになる気がしてきました。
 ちょっとずつ、考え方を変えていくことが、結局は近道になるのでしょう。
 

『うまく話せなくても生きていく方法』(梶原しげる)

2011-05-22 14:06:46 | 読書日記
 災害時など、次の5つを話す。
 ①現状はどうなっているか②「私たち」への影響はどうか③危険回避のため当局はいま何をどうしようとしているのか④見通しはどうなのか⑤私たちは何をしたらよいのか

 男は「目的のない雑談」は苦手。「年をとったら、メッセージよりもマッサージが大事」

 インタビューをする時には、徹底的に相手を調べる。その作業は「自分が相手のことを好きになれるポイントが見つかるまで」続ける。

 いきなりしゃべろうとしても上手く行かない。会合でいきなり指名されたら、「部長、指名くださりありがとうございます」など、プレッシャーのかからない当たり前の一言を挟む。

 立食パーティーなどは、自分をかまってくれる相手を早く見つけることが大事。

 第3次産業が隆盛する過程で、「コミュニケーション力」が問われるようになってきた。

 コミュニケーション能力が高いおしゃべり上手とは、「しゃべりの技術」だけでなく、まさにトータルな「コミュニケーション力」が高い人たち。

 口下手達人10カ条
※口下手でも口無精にはなるな
①なるべく「非言語」で友好関係を結べるようにする
②冒頭の話題は前回のエピソードか小物でリアクション待ち
③相手が自慢したがるネタを独り言のようにつぶやいてみる
④相手の反応を予測してデータをそろえておく
⑤「傾聴」と「観察」を武器にする
⑥相手の鏡になるオウム返しの技
⑦反論や疑問は「ためらいがちな接頭語」で切り出す
⑧「書き言葉」を会話に持ち込む
⑨あがり対処法・・・例外捜し
⑩あがり対処法・・・緊張感を麻痺させる

 しゃべりが上手くなるには、それ相応の訓練と努力が必要。テレビに出ているタレントも、スキルを磨いて座っている。
 滑舌が悪くても、トータルのコミュニケーション力を高める努力をすること。そのためには、話す内容や仕草も大事で、どれだけ相手の事を思い、相手を満足させるやり取りができるかが大事。

 アナウンサーという職業人でも、自己嫌悪や不安を抱えているのだから、我々素人はもっと気楽に話上手になる努力をしていく必要がある。


『ジョーカー・ゲーム』(柳 広司)

2011-05-21 22:42:42 | 読書日記
 スタイリッシュなスパイミステリー。
 帯どおりの作品でした。

 スパイというと時代ものを想像していたけれど、
時代設定を巧く利用しながら、一級のミステリーに仕上がられています。
 「魔王」結城中佐の存在感が素晴らしい。

 「何事にもとらわれない」ことがスパイとして必要な資質。
 「死ぬなよ」というハナ向けの言葉。
 
 推理小説にもつながる謎解きなど、エンターテイメント性も
たっぷり詰まっていて、続編をすぐにでも読みたいと思います。