G's HOME日記

群馬の田舎から情報発信!

『競争と公平感』(大竹文雄)

2011-02-19 13:27:01 | 読書日記
 なぜ、最近になって貧困率が高くなってきたのか?
第一は、不況の影響。低所得の人は失業すると貧困につながる可能性が高い。
第二は、技術革新の影響。今日本に残っているのは、二つのタイプ。
 一つは、掃除や配達といった機械化するとお金がかかるが、多くの人ができる仕事。これは賃金が安くなる。
 二つ目は、アイデアを考えたり、データは判断したり、高度な能力を必要とし、その仕事ができる人が少ないタイプ。つまり、賃金の高い仕事と低い仕事に二極化してきている。
第三は、グローバル化の影響。労働力の安い外国の製品が輸入されるようになったことから、日本の低賃金労働の賃金を引き下げた。
第四は、高齢化の影響。引退すると、勤労期に比べて賃金は安くなる。
第5は、離婚率の上昇。

 需要の減少が不況の原因であると考えるのが自然。
 満足度を高める公共投資や公的サービスを増やすことで失業者を減らすことが一番の不況対策だ。
 
 「市場競争そのものが問題だと結論し、競争を否定するようなルールを設定するのではなく、市場競争がうまく機能するようなルールを設定していくべきだろう。」

 経済学的視点から、競争について述べた作品であるが、競争に限らず、現代社会の様々な問題に対する考察が述べられている。

 再読しないと、この作品の内容を理解できないかもしれない。 
 よし、2度目に挑戦しよう!

『PRIDE』(石田衣良)

2011-02-19 13:12:31 | 読書日記
 池袋ウェストゲートパークシリーズも、とうとう10作目になった。

 私自身は、もうすっかりオジサンになってしまったのに、”マコト”という青年のキャラクターに魅かれ続け、読み続けてきたのはなぜか?
 マコトの変わらない視点。それが、読者の時間の変化なんか関係なく、物語の世界にグイグイと引き込んでしまうかもしれません。

 その時代の世相を表す街で起きている事件。それも、時代に押しつぶされてしまいそうな、もがき苦しむ若者の姿を暖かい目で描き続けています。

 「最後に一言。あんたがどれほどつらいところで生きているのかはわからない。
  だが、おれは全力で言う。
  負けるな。明日は必ずやってくる。
  次のステージで、また会おう。」
 分かりやすい言葉で、これほど心に響くメッセージを発するこの作品に出合えて良かった。
 
 必ず、次のステージでマコトに会えることを待ってるぜ!

『12番目のカード』(ジェフリー・ディーヴァー)

2011-02-05 19:12:33 | 読書日記
 ジェフリー・ディーヴァーの<リンカーン・ライム>シリーズ第6弾。

 図書館で発生した強姦未遂事件から始まり、被害者の先祖が140年前に残した謎、そして殺し屋の正体。いろいろな仕掛けが施されていて、この事件は一体どこに向かっているのか分からず、読む手が止められなくなってしまいました。
 
 ライムとサックスの活躍により、様々な要素が徐々に解決され、一気にラストの謎解きまでもっていく。何とも上手い。

 140年前に起こった放火と窃盗の事件を、現代の科学捜査の技術を駆使して解決してしまうというのも凄い。
 アメリカ警察の能力はここまで進んでいるのか?
  
 「ライム」シリーズを発行順に読んでいないけれど、楽しめました。
 これから、順番に読んでみようかなあ。次は「コフィン・ダンサー」でも。