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群馬の田舎から情報発信!

『言語技術』が日本のサッカーを変える

2008-10-25 11:24:08 | 読書日記
 「そのプレーの意図は?」と訊かれたとき、監督の目を見て答えを探ろうとする日本人。一方、世界の強国では子どもでさえ自分の考えを明確に説明し、クリエイティブなプレーをしている。
 日本サッカーに足りないのは自己決定力であり、その基盤となる論理力と言語力なのだ。
 本書は、公認指導者ライセンスや、エリート養成機関・JFAアカデミー福島のカリキュラムで始まった「ディベート」「言語技術」といった画期的トレーニングの理論とメソッドを紹介する。
 
 自分の考えを表現すること。ディベート技術の必要性。サッカーに限らず、日本の初等・中等教育での必要性がたびたび取り上げられます。

 そんな中、サッカーの指導者がすでにその必要性を認識し、既に指導に取り入れていることに驚きました。
 サッカー界は、既に小学生頃からユースチームなどで指導が行われたりしていて、子供から大人までトータルの指導システムが出来上がっているようです。ここまで、日本のサッカー界を作り上げてこられたのは、早くから海外の指導方法を勉強したりして、Jリーグが盛りがる前から、50年・100年先を見越してシステムを作ろうとしてきた方々の努力のおかげのような気がします。

 サッカーに限らず、教育者・指導者たる者は、常に勉強し、新しい指導方法を身に着けることが求められているのです。それが、次世代を担う者を大きくし、結果としてその次の世代にも発展していく道筋ができるのでは。
 教育者・指導者には「情熱」が必要なのです。

『サラリーマンは2度破産する』(藤川 太)

2008-10-25 11:05:51 | 読書日記
 リスクが高いのは、実は「中の上」のサラリーマン世帯だった!人並み以上の収入はあるはずなのにお金があまり貯まらないと感じているなら、あなたの人生は2度、大きな財政危機がやってくる。家計が苦しくなるメカニズムを解き明かし、将来に向け、ガッチリ貯まる人生設計術を伝授する。

 確かに私自身、取り立てて無駄遣いしている意識はないのだが、なぜかお金が貯まらないと思っていました。そんな時、書店で本書を見て早速読んでみました。

 作者は家計のリスクを知るただ一つの方法として、「ライフプラン」をつくることを提唱しています。
 ライフプランに計画的な人生を送ることで、破産から逃れることができる。

 まさに、その通り。ライフイベントを把握し、多額のお金が必要になるときに備えるなどしておけば、人生順調にいくのでしょう。
 しかし、過去の右肩上がりの経済状態にない現在、1年後の経済状況がどうなっているか分からない。自分の給料でさえ、今後増えるどころか突然減ってしまう可能性だってある。
 そんな”不安"を抱えて生活している人に、ライフプランを設計し、長期的視点で生活しろと言われてもちょっと難しいような・・・。

 本書で著者が提唱しているもう一つのアドバイス、「ケチ」になる方が、今の私には現実的かも。
 「ケチ」を悪い意味で捉えるのではなく、「お金を大事する」という意識が大事。日々、細かい物にも「ケチ」になることで、お金を大事にする意識が根づくのではないでしょうか。

 生活スタイルをちょっとずつ変えることで、将来の破産リスクにも対応できる気がします。

『魔球』(東野圭吾)

2008-10-25 10:45:26 | 読書日記
 9回裏2死満塁、春の選抜高校野球大会、開陽高校のエース須田武志は、最後に揺れて落ちる“魔球”を投げた!すべてはこの1球に込められていた……捕手北岡明は大会後まもなく、愛犬と共に刺殺体で発見された。
 さらに、エースまで、右腕を切断された状態で死体が発見される。

 最後に「魔球」の意味と事件の真相が明らかにされる。
 意表をついた犯人と、「魔球」に込められた深い思い。本作品は東野氏の初期の作品とのことであるが、本当に上手い!

 昭和40年頃の高校生を取り巻く環境の中で、愛する家族を命をかけて守ろうとする青年の姿が痛々しくも、爽やかに描かれています。東野氏の貧しいながらにも真剣に生きる青年への暖かい眼差しが表れているようです。

 

『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(北尾トロ)

2008-10-18 16:36:20 | 読書日記
 著者が裁判所に足繁く通った傍聴記です。

 私は一度も裁判を傍聴したことがないどころか、裁判所の敷地に足を踏み入れたこともありません。傍聴マニアなる人がいること自体知りませんでした。

 しかし、これからの人生において、全く関わりなく過ごせるかなんか分からないですよね。ましてや裁判員制度が始まって、指名でもされたら・・・。

 気楽な気分で裁判の一端を紹介してくれている作品だと思います。

 裁判、特に刑事裁判は被告人の人生そのものが浮かびあがってしまうものなのですねえ。
 著者は傍聴を続けているうちに、被告人の顔を見るだけで「こいつやっている」かどうかが分かるそうです。なぜなら、人の「顔」には否応なしに、その人がそれまでに過ごしてきた人生が映し出されてしまうものだからだと。
 人は外見で判断してはいけないとも言われますが、歳をとればとるほど顔にその人の人生が刻み込まれていくものであり、自分の顔には責任を持たないといけないのかもしれません。

 裁判というと一部のプロだけが運営していて、神聖な場所といったイメージがありますが、様々な人がいるものなんですねえ。

 時間があれば一度傍聴にも行ってみたいと思います。
 

『読書進化論』(勝間和代)

2008-10-14 20:17:32 | 読書日記
 勝間さんの新書が書店で平積みされていたので、思わず手にとりました。

 題名から、勝間さんの読書術が語られるのかと想像していましたが、ちょっと違います。読書術というより、読書との”付き合い方”を説いた本だと思います。

 本の最大の競争相手はウェブである。そこで、ウェブと本との違い、そして本の活用方法がまず語られます。
 インターネットは玉石混交の具材であるが、本は定食のように食べやすくしたもの。

 そして、良い本に出会うことが重要。

 さらに、本は読んだだけでお終いにしてはもったいない。
 思考のレベルは6段階に分けられる。知識・理解・応用・分析・統合・評価。思考を深めるたまには、後の3段階に進めるかどうかが大事。

 そして、実際に本を”書く”ことも勧めています。

 この作品の特徴は、著者自身も言っているように、この本だけで伝えたいことが完結しているわけではないということ。さまざまな引用があったり、参照するえウェブアドレスが記されたりして、本書をモノにするためには、読者も努力をしないといけないようになっています。

 読書は人生を大きく変える可能性をも秘めているもの。これを活用しない手はありません。
 テレビやネットが発達しても、当面本の価値は下がることはないでしょう。私も”リアル書店”に行くのが好きなほうです。
 ただ漫然と読書を楽しんでいましたが、一歩進めて、より自分の糧になる読み方を模索してみようと思います。

『誰か』(宮部みゆき)

2008-10-12 10:44:29 | 読書日記
 自転車にはねられて男性が死んだ。その二人の娘から、犯人を捜すために父親の人生を綴った本を作成したいと相談された、財閥の娘婿が複雑に絡まった謎を解き明かします。

 二人きりの姉妹。二人きりだからこそ、親をめぐる「悪意」が膨らむ。
 人間は持って生まれた性格というものもあるのでしょうが、どのような環境で育ったかが人格形成に大きく関わるものです。
 したがって、親がどのような生活環境に置かれ、どのような心理状態にあるかが、子どもに影響してしまうのかもしれません。
 どんなに子どもに隠していても、親の心配事は子どもは自然と察知してしまうものです。

 特別なスーパーマンが登場するわけではなく、びっくりするような大事件が起きる展開でもないので、淡々と話が進みます。が、さすが宮部さん。各キャラクターがそれぞれの持ち味を十分だしていて、”安心”して最後まで読ませていただきました。ホンワカした読後感です。

『ナンバ走り』

2008-10-11 17:02:25 | 読書日記
 古武術の動きをバスケットに応用し、ある高校を全国大会に導いたコーチが作者です。

 古武術はバスケット以外にも様々なスポーツに応用できるとして、いろいろな場面を紹介しています。

 読んだだけでは、古武術の基本的な考え方・動きがいま一つ理解できませんでした。多軸の動きなど、普段生活している感覚とは違った体の動きだからかもしれません。
 しかし、後半に具体的トレーニング方法を写真で解説始まると、何となく自分でもできそうな気がしてきます。

 バスケの「神様」マイケル・ジョーダンの言葉が印象的です。
「俺は天才なんかじゃない。でも、世界中のバスケット選手で、俺より練習し、努力した者はおそらく一人もいないだろう」

 天才とは誰よりも努力をしてきた人のことを言うのかもしれません。

 そして、努力の方向も間違ってはいけません。
 かつては有効とされてきた練習方法も、時代が進み、科学的な研究も加わり、より効果的な練習方法が見つかれば、思い切って取り組む気持ちの柔軟さも必要でしょう。
 上達するには貪欲に練習に取り組むことが必要だということ。

 本書に紹介された練習方法も、著者自身が言っているように、全ての人に有効な練習方法ではない。自分の行っているスポーツ、自分の体力・レベルなどに合わせた練習方法があるはずであり、さまざまな練習方法を試し、最も自分にあったものを見つけることで、上達するのでしょう。

 私も、腰に負担をかけない立ち上がり方やターンの仕方は早速試してみようと思います。


『「勝負脳」の鍛え方』(林 成之)

2008-10-05 14:40:41 | 読書日記
 スポーツにビジネスに勉強に、勝てない脳を劇的に変えるためのノウハウを、脳医学の面から解説した作品です。

●記憶力を高めるためには、次の7つが有効
 ①人の話はできるだけ興味を持って、感動して聞くようにする。
 ②覚える内容にも興味を持ち、好きになるようにする。
 ③長時間の学習はできるだけ避け、時間を限定して集中して覚える
 ④覚える内容を、自分の得意なものと関連づける
 ⑤声に出して覚える
 ⑥覚える内容について、自分で独自に考え、勉強する
 ⑦覚えたものは、その日のうちに一度、目を閉じて声に出してみる

●知能とは
 ①記憶する能力(知識を脳に取り込む能力)
 ②イメージ記憶をつくる能力(知識を脳内で再構成する能力)
 ③表現知能(表現する多重知能の能力)
 ④独創性や創造力を生み出す能力(独創的創造能力)→「勝負脳」

●勝負脳を全開にさせる九つの秘訣
 ①サイコサイバネティックス理論を応用せよ
 ②最初から100%集中せよ
 ③相手の攻撃は最大のチャンス
 ④相手の長所を打ち砕け
 ⑤相手の立場になって勝ち方のイメージをつくれ
 ⑥脳の温度上昇に注意
 ⑦脳の疲労は勝負の大敵
 ⑧勝負の最中にリラックスするな
 ⑨緊張しすぎたときの対処法

 ごく普通の生活に役立つノウハウが、医学的根拠を持つことを、脳医学者の立場から論じています。
 スポーツであれ、ビジネスであれ勝つためには「心・技・体」が必要で、すべてバランスがとれていることが重要。
 幅広い分野に及びアドバイスが満載で、すべてを実践することは難しいような・・。
 そもそも「勝負脳」を理解できたかどうかもあやふやです。 
 
 

『さまよう刃』(東野圭吾)

2008-10-02 20:25:28 | 読書日記
 少年犯罪とそこに立ちはだかる少年法の壁。
 犯罪被害者の心理。
 そして「正義」とは何か?

 犯罪被害者の苦痛はなおさらのこと、家族など周囲の人間をも不幸にしてしまう。その上、犯罪者が少年であった場合、少年法に守られ、犯罪の状況、刑罰の内容、そして更生の具合など、全くベールに包まれてしまうため、その怒りの持って行き場所がなくなってします。だからこそ、その傷を癒すことが難しくなってしまうのではないか。

 犯罪者の人権保護の行き過ぎが指摘され、最近では犯罪被害者にもやっと目を向けられるようになってきた気がします。しかし、行政の行うメンタルケアだけでは限界があり、やはり直接的な重い刑罰を与えることが、被害感情を考えると必要になってきているのでは。

 最後に、スパイスの効いた後日談(実際は細かい伏線が張られていましたが)が語られています。作者の思い描く「正義」が端的に語られていると思います。