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群馬の田舎から情報発信!

『楽園』(宮部みゆき)

2008-03-30 15:27:47 | 読書日記
 大ヒット作「模倣犯」の続編です。
 この作品中の中あちこちで「模倣犯」のことが語られます。私も「模倣犯」を呼んだのですが、ストーリーをすっかり忘れてしまっていてので、主人公の感情の理解がちょっとできない部分がありました。できれば、模倣犯のあらすじを把握したうえで読んだ方が楽しめるかもしれません。

 ”第三の眼”を持つ少年とわが子を殺して、自分の家の床下に15年間隠していた家族の2つのストーリーが、絡み合って進みます。
  
 前半はサイコメトリーの話が中心で、ちょっと冗長気味で、先が読めない展開でした。しかし、後半の前畑さんが殺人事件の真相に迫るところから、急に展開が速くなり、最後まで一気に読ませます。

 「誰かを切り捨てなければ、排除しなければ、得ることができない幸福がある。」
 最後の"楽園”の記述は、正直ちょっと理解が難しかった。

 さまざまな事件を解くピースを少しずつ読者に提供していく構成は「うまい」としか言いようがありません。さすが宮部さん。これだけの大作も最後まで楽しく読ませてもらいました。


『「1日30分」を続けない』(古市幸雄)

2008-03-30 12:32:50 | 読書日記
 ビジネス書ランキング第1位獲得という帯につられて購入してしまいました。

 プロローグはなかなか挑戦的な記述で、かなり気合が入っています。

「あなたの会社で、使えない上司っていませんか。朝、定時に出社して、ほとんど何も生産的なことをせず、会社に1円の利益をもたらすどころか、逆にマイナス4万円くらいの損失をだしている、会社のお荷物になっているおじさん連中のことです。失礼な言い方かもしれませんが、彼らには使えないという言葉がピッタリです。あなたも彼らのようになりたいですか?」
 
 具体例がいっぱいとのことですが、「人生は勉強した者が勝つ」「勉強の要素で一番大切なことは、どれくらいの時間をかけて勉強したかである」といった基本的な考えかたを中心に、気持ちの持ち方、時間の確保の仕方を中心に述べられています。

 やはり社会人になってからの「勉強」は、受験勉強ではないのでだから、小手先のテクニックを駆使するのではなく、身につくようにする必要がある。そのためには、簡単な方法はなく、意欲と時間が必要なのだと改めて気付かせてくれます。

 

「カレー風味 すずき」

2008-03-22 20:16:58 | 群馬グルメ
 みどり市にある「カレー風味 すずき」さんでカレーを食べてきました。

 こちらを訪れたのは15年振りぐらいでしょうか。
 当時と違って、周辺はホームセンターができたり、様々な飲食店が立ち並んで街並みが一変してしまいましたが、「すずき」は変わらない佇まいで営業していました。
 店内の雰囲気も当時のまま。

 写真は家族が食べた一口食べた後のハンバーグカレーです。
 私は鶏肉と野菜の辛口カレーを注文。出てきたライスの量を見て「多いなあ」と感じましたが、カレーの美味しさにつられて、一気に完食してしまいました。

 食後のデザートにもビックリ。アイスとケーキ2種類がワンプレートに盛られています。ドリンクと合わせて400円ということでかなりお得感があります。(といってもカレーだけでも十分満腹になるのでご注意を!)

 他のお客さん達を見ると子連れから、老夫婦まで幅広い感じです。店員さんの丁寧な応対もあり、「すずき」さんも、”いい年のとり方をしているなあ”と感じました。

 桐生方面に出かける際には是非またでかけようと思います。

『死神の精度』(伊坂幸太郎)

2008-03-21 20:47:02 | 読書日記
 人の死の1週間前に派遣され、死の「可」か「不可」かを決める死神が主役。

 伊坂さんの作品らしく、とても思いつかないような究極的な状況設定の中で、いや、そういう状況の中でこそ現われる人間の生き方を、ちょっとクールに、ちょっと温かく描いています。
 「終末のフール」を読んだ後なので、特にそう感じるのかもしれませんが・・・。
 
 今作品は「死」をテーマに描いていますが、主人公の死神のとぼけたキャラクターが、重々しさを薄くし、「こんな風に生きてもいいじゃないか」という作者の温かいメッセージを強調しているようです。

 今度、映画化されるとのことでが、ビジュアル的にどのように描かれるのか楽しみです。特に2枚目俳優の金城さんが、クールでありながら、ちょっととぼけた、そしてちょっと優しい死神をどのように演じるか気になります。

 

Motea Bagelのベーグル

2008-03-13 22:13:12 | 群馬グルメ
 前橋市にベーグル専門店があるという噂を聞いて、早速行ってみました。

 店内は食事がとれるカフェ風の佇まいですが、今回はベーグルをテイクアウトすることに。

 いろいろな種類があったのですが、ブルーベリー・クランベリー・キャラメルなどをチョイス。

 手に取るとその重みにびっくり。かなりズッシリした感じです。
 味も申し分がなく、1個でもかなりの食べ応えがあります。

 私は酸味があるクランベリーが美味しかったですが,あずきも美味しかったです。

 前橋協立病院の近くですが、目指していかないと辿り着けない場所にあります。こんな立地条件でも、私が行った時には買い求める人がかなりいましたので、根強いファンがいるのでしょう。

 今度は保存用にも買ってみようと思います。

『年収10倍アップ時間投資法』(勝間和代)

2008-03-11 19:51:52 | 読書日記
 先に、勝間さんの作品で「グーグル化~」を読んでいたので、2作目となります。
 
 コンサルタントもやっていたためでしょか、図やフォントの使い方など、主張を効果的に伝える技術を駆使し、分かり易く著者が普段実践している時間活用法を解説してくれています。

 「無理なく続けられる」という副題が示すとおり、何度も挫折した経験を持つ人にも、なぜ挫折してしまうのかという分析も示して、実践できるアイデアをいくつも提案してくれています。

 時間を活用するための第一歩は「やらないこと」を決めること。
 必要以上に「よい人」にならない。
 時間を作るために投資を惜しまない。
など、これまで世に出ている本とはよっと視点が違うが、すぐに実践でき、効果のでる技術を提案してくれています。

 次は「手帳術」を読んでみようかなあ。

『問題解決プロフェッショナル「思考と技術」』(齋藤嘉則)

2008-03-11 19:26:13 | 読書日記
 企業の経営上の問題を解決するプロフェッショナルになるための技術を習得するための本です。

 具体的には、問題を解決するための2つの思考〈ゼロベース思考〉〈仮説思考〉と2つの技術〈MECE〉〈ロジックツリー〉、そして1つのプロセス〈ソリューション・システム〉を提唱、解説してくれています。

 入門編の本だとのことですが、読み応えがあります。実のところ、MECEとロジックツリーぐらいまではスラスラと読めたのですが、「ソリューションシステム」のところは、なかなかスムーズに頭の中に入ってきませんでした。
 内容を理解できるほどの経験・知識の不足でしょうか?

 とは言え、常に本書で書かれている技術を意識しているだけでも、現実の問題解決に対する姿勢・アプローチが変わってくる気がします。

 時間をおいて再度読んでみようと思います。

『君たちに明日はない』(垣根涼介)

2008-03-08 13:10:12 | 読書日記
 リストラを専門に請け負う会社のクビ切りの専門官が主人公。仕事を請け負ったいろいろな会社で出会う人々のやり取りが描かれています。

 著者は「魅力的な人物像を描くことが最も重要だ。」「つまり人間たちが最も人間臭く、生臭く、かつ美しく輝く瞬間をどういうときかということを、作家になる少し前から模索していた」と述べている。
 それを描くために、日常生活でまさに危機的状況といえるリストラという場面を設定したとのことである。

 現実にリストラを専門に請け負う会社が存在するか否かは分かりませんが、”リストラ”というサラリーマンには起こりえるが、滅多にお目にかかりたくない場面を作り上げる仕掛けとしては、素晴らしいアイデアだと思います。

 しかし、このリストラ専門官がちょっとカッコ良く描かれすぎている気がしますが・・・。

 人間、リストラによるクビを告げららるような場面では、なかなか平常心ではいられないでしょうし、今まで自分がやってきたことを否定されれば怒りがこみ上げるでしょう。
 そのな時には、それまで生きてきたその人の生き様が浮き出てくるのでしょうか。
 
 格差社会が叫ばれ、正社員と非正社員の格差がよくマスコミで指摘されていますが、正社員であろうと、いつその身分を剥奪されるか分からない現実があります。会社も社員を一つの道具としてしか扱わず、不具合があればすぐに次に取り替える。
 
 そんな社会の中で、自己をしっかりと持って生きていくことが重要なのでしょう。主人公の恋人である陽子が魅力的に見えるのは、そのような生き方をくじけそうになりながらも模索しているからでしょう。

『時生』(東野圭吾)

2008-03-01 17:32:03 | 読書日記
 時を越えて、自分の息子が若い頃の自分に会いに来たらどうするか?
 自分が必死で、もがきながら生きている姿を誇りを持ってみせることができるだろうか?
 
 そんな息子の助けをかりながら、だらしない生活を送っていた主人公が、自分の出生の謎を負いながら、恋人を助け出そうと努力するうちに、だんだん成長していく姿に、何とも心をうたれます。
 
 自分の出生の秘密と恋人を助ける二つの話が同時進行し、さらに過去と未来と現在が交錯するという、何とも不思議な話です。しかし、さすが東野さん。見事に一つの作品=世界を創り上げています。読み進むうちに、ぐいぐいと東野ワールドに引き込まれます。
 楽しめます。