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群馬の田舎から情報発信!

『公務員クビ!論』(中野雅至)

2009-09-23 09:44:35 | 読書日記
 「グローバルに稼ぎまくる人間が出現する一方で、移動手段を失い地域でしか生きることのできない老人がいます。誰がどの程度負担し、どれくらいの行政サービスを受けるべきなのでしょうか。」

 「一人でも多くの日本人が官と民の違いを理解するためにも、私は、キャリア官僚も含めて最終的には官民流動化の方向を目指すべきだと思います」

 民主党のマニフェストには天下り禁止や公務員改革が載っています。これから鳩山政権がこの施策を進めていくこととは思いますが、どのような方向に向かっていくのでしょうか?
 官民の相互理解を深めることが重要と著者は言いますが、終身雇用を見直し、労働市場の流動化を推し進める?とすれば、「公務員」というカテゴライズ自体無意味になっていく。
 どのような職業にしても、個人としてのサバイバル能力を磨くことが大事だということか。
 

『卒業』(東野圭吾)

2009-09-15 20:00:47 | 読書日記
 物理的な密室トリック。そして「雪月花之式」という茶会を利用した毒物混入トリック。そして大学生探偵が活躍する本格推理小説です。
 工学的知識を用いたトリックは、その後の「ガリレオ」の活躍にも通じるものがあります。

 著者自身も若い頃の作品だけに、若者のほのかに甘く、ほのかに苦い時代を巧く描いており、謎解きだけでなく、動機に解明も面白くできています。

 

 

『会話がとぎれない!話し方66のルール』(野口 敏)

2009-09-15 19:42:07 | 読書日記
 まず5分・・・相手の話をとにかく「聞く」
 スイスイ10分・・・自分の気持ちをちょっぴり「話す」
 楽勝で15分以上・・・相手に「質問」しながら話題を広げる

 

 「人の話を聞くときは、いきなり質問せずに、話し手がどの方向に話を進めたいのかを見極めなければならない」
 
 「「楽しみですね」「幸せですね」「期待できますね」のように、共感の言葉を増やしていこう」

 「怒りの気持ちを抑え込まず、カラッと打ち明ける」

 「会話のきっかけの質問は「・・・なさるのでしょうね」と柔らかく尋ねよう」

 「話しかけにくい人にはヒット&アウェーで」

 「相手の考え方が間違っていると感じても、いきなり「おかしい」「違う」と決めつけない。「あなたは・・・なんだね」と受け止めてあげる。その後で質問を投げかけて、相手が矛盾に気づくようにしてあげる」

 「会話は技術より思いやり」

 「なによりあなたのほうから「もっと話がしたい」というメッセージを発信していきましょう。その最適な方法が”気持ちのちょっぴりオープン”です。」

 「毎日、家族、友人、近所の人、職場の人と「おはよう」「お疲れさま」「大丈夫?」~こんなふうに言葉をかけあえることが、私たちの心の元気の素となり、明日への活力を生み出すエネルギー源になることを、ご自身で体と心で体験してください」

 「会話は言葉のキャッチボールではなく、気持ちのキャッチボール」ということを忘れていた気がします。

 会話は一人でするもんではありません。相手がいて初めて成り立つものです。だからこそ、独りよがりの会話ではなく、相手の気持ちを考えながら、自分の素直な気持ちを伝えることができれば、楽しく会話ができるのでしょう。

 

 

『数学的にありえない』(アダム・ファウアー)

2009-09-12 11:15:04 | 読書日記
 ポーカーゲーム。
 統計学を先行していた数学の天才。
 ロシア人マフィア。
 CIAの女性暗殺者。
 アメリカ国家安全保障局が創設した科学技術研究所。
 統合失調症。
 未来を予知する能力。

 まあ、盛りだくさんの内容で、知的数学の話から、アクション全開のハードボイルド的展開まで、”これでもか!”というぐらいのエンターテイメント溢れる小説です。

 著者はマイケル・クライトンとよく比較されるとのことですが、一級のエンターテイメント小説で、映像化されても面白いのではないかと思わせる作品であると思います。

 「子どもには大人に見えないものが見えるときがあるんだ。大人よりも集合的意識に近い。しかし、もっと重要なのは、子どもが夢に見たことを信じるってことだ。だからこそ子どもは、消防士や宇宙飛行士やヒーローになった自分を心に思い描けるんだよ。大人になると、人間は未来に対する”不合理”なイメージを無視するように教え込まれてしまうのさ。」

 「きみは正しい道を選ぶ信じられないような才能を持っている。自分で気づいている以上の能力をね。自分自身を信じるんだ。そうすれば、自分の運命をコントロールできる。」

 

『しがみつかない生き方』(香山リカ)

2009-09-05 20:33:47 | 読書日記
 「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール。
①恋愛にすべてを捧げない
②自慢・自己PRをしない
③すぐに白黒つけない
④老・病・死で落ち込まない
⑤すぐに水に流さない
⑥仕事に夢を求めない
⑦子どもにしがみつかない
⑧お金にしがみつかない
⑨生まれた意味を問わない
⑩勝間和代を目指さない

 「私は何のために何のために働いているのか」と深く意味をつきつめないほうがよい。「生きるために、パンのために働いている」というのでも、十分なのではないか。

 「これまで私が会った中で、「このために生まれた」という確信が揺らがなかった人は、2種類しかいなかった。一つは、新興宗教や悪徳ビジネスなどで洗脳された人たちだ。」「もうひとつは、ある種の精神病で強烈な妄想を持った人たちだ。」
 「「私もそうなりたい」と思う人は、まずいないだろう。ということは、そういった異常な事態に陥らない限り、私たちが「このために生まれた」と確信することは、まず無理と考えたほうがよいだろう」

 「人生には最高もなければ、どうしようもなく最悪もなく、ただ”そこそこで、いろいろな人生”があるだけなのではにか。だとしたら、目指すモデルや生き方がどれくらい多様か、というのが、その社会が生きやすいかどうか、健全であるかどうかの目安になると言えるはずである」

 ふつうに生きて、ふつうに幸せに生きることが、本当に難しい時代になったと感じています。
 
 何か、ほんの小さなきっかけで、今の生活が一気に吹き飛んでしまう可能性があり、それ故、将来に対する漠然とした「不安」に包まれている。

 でも、100%や90%を目指さなくても、何かに”しがみつく”意識をもたないようにすれば、そこそこの満足した日々を送れるんかもしれません。

 成功した人の眩いばかりの前向きの言葉ばかりに圧倒されなくても、片の力を抜く生き方を覚えればいいのかも。

 そして、それを受け入れてくれる社会があれば・・・。