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群馬の田舎から情報発信!

『「書ける人」になるブログ文章教室』(山川健一)

2006-11-23 18:19:53 | 読書日記
 本屋の新書コーナーを眺めていたら、「山川健一」という名前を見つけました。

 山川健一氏と言えば、「ライダーズ・ハイ」「みんな19歳だった」「初台ロックンロール物語」など、一時期読み漁った作家です。と言っても、もう20年近く前になるかもしれませんが・・・。当時は、作家活動のかたわら活動をしているということで、ロックンロールやバイクをモチーフとした作品が多く、疾走感のある爽やかな青春小説を数多く輩出していた記憶があります。

 「あの「山川健一」氏が新書を書くの???」という興味から思わず購入してしまいました。

 山川氏は小説家として活躍するかたわらで、サイバーエージェント系列の出版社であるアメーバブックスの取締役編集長も務めているとのことです。

 本書の内容は「文章教室」とは謳っていますが、技術的な文章論よりも、ブログを書く精神論的なものに重きが置かれています。

 「文書を書くという行為は、『自分はどんな人間なのだろう』ということを不断に問いつづけることの延長線上に、自分は誰に何を伝えたいのか、ということがぼんやりとながら見えてくるにちがいない。それこそがテーマであり、想いであり、あたなが書きたいことなのである。」

 「なぜ書くべきなのか」を自分自身に問い続けることが、ブログを書き続ける秘訣ということでしょうか。

 ブログというのは、本音をその時間の流れの中で記述することで、読者と「時間を共有」できるところに特徴があるのだと思います。翻って自分のブログの記述を見ると、本当に本音で書いているか疑問です。当たり障りない言葉を書き連ねているだけで満足していて、オリジナリティが全くなく、読者にはおもしろくないブログになってしまっているのではと反省させられます。

 本音で書き記すことによる摩擦を恐れては、ブログの醍醐味を味わうことはできないのでしょう。

 これからのこのブログの発展を期待してください。

 

   

『人は見た目が9割』(竹内一郎)

2006-11-21 19:28:47 | 読書日記
 ネーミングに釣られてついつい買ってしまいました。うまいネーミングです。

 さて、内容は「ノンバーバル・コミュニケーション」つまり「非言語コミュニケーション」の重要性を説いた本です。この本の”見た目”は「言語以外の情報」全てを指します。

 心理学では、実は人間が伝達する情報の中で話す言葉の内容そのものが占める比率は、7%に過ぎないという結果がでているそうです。

 著者は比較社会文化の博士号を持つ一方、漫画家や舞台演出家としても活躍しているとのこと。

 それゆえ、漫画や舞台の話で具体的に”見た目”を解説しています。
 漫画は現在の日本で大変社会的影響力が大きい。その理由はその「伝達力」の高さのためだと著者は言います。
 そして、「最近、20代前半ではマンガ家としてデビューし難いといわれている。というのも、マンガが高度になり、マンガ家として『この程度の能力があって当たり前』といわれるレベルが上がってしまったからである」とのこと。
 確かに、構図の描き方など、様々なテクニックが屈指され、インパクトのある漫画が描かれていることが分かりました。

 また、「演出家が経験則に基づいて行っているキャスティングは、『多くの人がそういう風に見ている』という先入観に基づいている。」「映画やテレビでそういうキャスティングが行われているから、受けてはそういう傾向を常識、『事実』として学習していくのである」とのこと。
 我々は、知らず知らずのうちに、一定の価値観をすり込まれているということ?

 本書の内容は、「非言語による情報伝達」ということで、内容が多岐にわたるため、一つ一つの記述量は少ない気がしますが、ノンバーバル・コミュニケーションの入門書としては最適ではないでしょうか。
 今まで意識していなかったノンバーバル・コミュニケーションの重要性を再認識させられました。

 

会津喜多方ラーメン

2006-11-19 14:40:22 | 群馬グルメ
 今日の昼食は「会津喜多方ラーメン」へ。

 久しぶりの喜多方ラーメンは美味しかった。今日は寒い日なので本当に体が温まった気がします。でも、ちょっと生姜の味がするのは気のせい?

 子どもはチャーハンを食べたのですが、その量が多いこと多いこと。ラーメンは普通の量なのに、なぜチャーハンだけこんなに量が多いの???
 大人でも食べきらないぐらいの量に、子どもは半分ほどでギブアップ。味は申し分ないのだけれどなあ~。

 今度は量のことも考えて注文しようっと。
 

今日の管釣り

2006-11-19 14:24:36 | フライフィッシング
 今日もいつもの管理釣り場へ。

 私の行く管理釣り場は、ルアーとフライのみの釣り場なのですが、客層がちょっと変わった気がします。
 昨年までは6割以上ルアーだった気がしますが、今日は8割ぐらいがフライでした。フライ人気が群馬で一気に盛り上がったのか?それとも、ここの管理釣り場が特にフライフィッシャーに人気がある釣り場なのか??
 他の管理釣り場に行ったことがない私としては判断がつきかねるところです。
 たまには、違う管理釣り場にも行ってみようかなあ~。でも、周りがルアーばかりだったりすると、ちょっと行きづらい気がするしなあ~。
 フライフィッシャーの人たちは、管理釣り場に行く時、どんな基準で釣り場を選んでいるのでしょうか?

 で、釣果ですが、3時間ほどでなんと2匹。情けない・・・。
 相変わらず、ドライフライにこだわり続けたのですが、本当にアタリがなかった。「どうして反応がまったく無いの~。」いろいろなフライを試しても同じ。やはりキャスティングに問題があるのか。

 今日の教訓。管理釣り場に行く前には、キャスティングの基本をおさらいしてから行こう!

『イッツ・オンリー・トーク』(絲山秋子)

2006-11-16 21:28:20 | 読書日記
 絲山さんの作品を初めて読んでみました。
 
 文庫本は表題の「イッツ・オンリー・トーク」と「第7障害」の2作品が含まれています。

 「第7障害では、群馬が舞台として描かれています。

 「順子さんって出身こっちじゃなかった?」
 「横浜だよ。でも、群馬に戻りたいの。妙義、浅間、榛名、谷川、武尊・・・」
 「赤城が抜けているよ。」
 「そうだった。山って全部名前があるじゃん。景気に向かって話しかけることができる。『榛名、帰ってきたよ』とか。高層ビルに向かって話しかける人なんていないでしょ。」
 
 「上越国境にしてもさ、長野県境にしてもさ、全部、ここまで群馬ってわかって安心するじゃん、そんなのない?」

 確かに、群馬に長く住んでいると普通に感じているけれど、周りを見渡すとよく知った名前の山に囲まれたところなんて珍しいのでしょうねえ。

 でも、土地勘のある群馬県人が読むのと、全く群馬を知らない人がこの作品を読むのではちょっと感じ方が違うでしょうねえ。例えば、クライマックスで野反湖の場面がでてきますが、野反湖のあの独特の景色・雰囲気を知っているのと知らないとでは、この作品の味わいが違ってしまうのではないでしょうか。この作品では、あまり情景の説明がありませんから。
 ということは、群馬県人はよりこの作品を楽しめるということでは!!!

 「イッツ~」と「第7障害」とはかなり違った作風の作品です。しかし、どちらも深刻な内容であってもその独特のあっさりとした文体で、さらりと読ませてくれます。

 絲山さんが、これからの作品で、どのような世界を描いてくれるのか楽しみです。
 
  

『齋藤孝の速読術』

2006-11-05 11:31:03 | 読書日記
 齋藤氏が自身で編み出した「速読・多読」術を1冊にまとめた本です。

 本を読んだ時の理解力は3段階(ABC)に分かれる。
最も低いレベルCは、本を読んでもすぐに忘れてしまうレベル。「頭の良さ」にはつながらないレベル。

次のBは本の内容は把握できるというランク。つまり「要約力」はあるレベル。

ではAレベルとは。Aレベルの理解力とは、新たな価値を付与して、オリジナルのアイデアや提案、見方が出せる力である。

 単に「本を早く読めるようになりました」「たくさん読めるようになりました」で終わらず、Aレベルの本当の頭の良さを手に入れることを最終的なゴールとしています。
 したがって、本書は姿勢や眼球の動かし方などの外形的な読書術より、いかに本の本質をすばやく理解するかに重点が置かれています。それゆえ、2割を読んで8割を理解する「2割読書法」なども提唱されています。 
 
 「情報の完璧さより大切なのは考える力です。何かと何かを関連付け、自分の経験とすりあわせてオリジナルの何かを考える、あるいはアイデアを出せることが重要だと思っています。」

 このブログで読書日記を公開していますが、多少のあらすじを書き、最後のありきたりのコメントを一文書くだけの、全くCレベルの読書をしてきたことを痛感させられます。

 ○最終的には使える概念をゲットすることが目標
 ○本を読むことは「視点移動」である。
こうしたことを、読書の際に心がけ、要領よく要約する訓練を積むことで、やっとBレベルに達することができるのでしょう。

 要約する訓練としては、ブログに読書日記を書くこともお勧めしており、そこだけは、私も実践しているということでしょうか。

 厳しい言葉ですが、漫然と読書しているだけでは、何も身につかない。いくら読書しても意識しないとAレベルには達せられないのでしょう。

 ん~。我ながら下手くそな要約・コメント力だなあ・・・
 とりあえず、Bレベルに達するよう、要約の技術を磨こうと思います。

 しかし、この本を読んで、読書への気構えが軽くなり、本が読みたくなりました。早速本屋に行こうと思います。

『下流喰いー消費者金融の実態』

2006-11-04 14:02:59 | 読書日記
 消費者金融の問題点に焦点を当てた作品です。

 消費者金融の「悪魔的ビジネスモデル」の実態はなかなか納得させられます。
仮に1社・200万円の借り入れがあり、月々45000円を返済するとした場合
 年18%の利率だと完済までに約6年かかる。これが、年27%の利率になると、月々45000円は利息の支払いのみになり、元本は減らずに永久に借金はなくならない。この利息(グレーゾーン金利)10%の違いが、完済できるか、否かの分かれ目となる。
 このような完済の当てのない融資をビジネスとすることが、「悪魔的ビジネス」と言わずになんと呼ぶのか。

 上の例はあくまで、月々の返済を一定としたシミュレーションであり、実際の返済とは違うでしょうが、多重債務者となり、自己破産を選択する人は、このような現象が起きているのではないでしょうか。

 国会では利息の上限を引き下げる方向で検討が行われていますが、本当にそれがこの消費者金融問題・多重債務者問題の解決策になるのか。消費者金融会社を悪者呼ばわりすれば、解決するのか。

 消費者金融が淘汰され、大手と「ヤミ金」に分類され、両者がもたれ合いながら業績を伸ばしている構図には、メスを入れるべきだと思います。(大手から順次ヤミ金に債務者がキャッチボールのように引き渡されていく状況です)

 さらに、単に利息の上限を引き下げることよりは、悪質な取立てに対する規制及び取り締まりを強化してもらう方が即効性がある気がします。

 表題の「下流喰い」については、下流が下流を喰いものにするということですが、若干記述が少ないようで、格差社会への切り込みは物足りない気がします。
しかし、著者の消費者金融に対する厳しい視線と、ジャーナリストとしての取材に基づく意見など、意欲に満ちた作品です。

『重力ピエロ』(伊坂幸太郎)

2006-11-04 11:05:31 | 読書日記
 伊坂作品を読むのは3作目になります。

 「春が2階から落ちてきた。」という始まりには、ちょっとびっくり。それにしても長編小説なのに、なんとうまい”つかみ”なのでしょう。初めからグイグイ引き込まれます。

 「重力ピエロ」という表題も目を引きます。しかし、読み進んでいくうちに、この表題の意味が分かると、何とも切ない意味であることが分かります。「ピエロは、重力を忘れさせるために、メイクをし、玉に乗り、空中ブランコで優雅に空を飛び、時には不恰好に転ぶ。何かを忘れさせるために、だ。」主人公の非常に重い決意を、子どもの時に見たサーカスのピエロに例えて、表現しています。
 この作品は、「家族の絆」や「罪と罰」など、重たいテーマが描かれていますが、この表題の意味を解き明かすところが、まさに”ミステリー”として楽しめる部分です。

 「本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」。この言葉どおり、主人公の家族が交わす言葉は、それぞれの持つ思いを、軽妙なジョークをまじえて、軽快に語られています。ポップでスタイリッシュな伊坂ワールドを十分楽しませてもらいました。