G's HOME日記

群馬の田舎から情報発信!

『大局観』(羽生善治)

2011-04-30 21:55:25 | 読書日記
 羽生さんが普段考えていることを、まとめた作品です。

 「大局に臨んだら、その時その時の局面で、自分ができることを精一杯やるだけだ。その結果がどうであろうと、それは自分ではいかんともしがたいことなのである。」

 羽生さんが厳しい勝負の世界に身を置いて、たどり着いた境地であろうか。
 
 相変わらず、周囲に暖かい眼差しを向けつつも、冷静に判断している。
 その加減が勝負師としても、人間としても魅力ある存在としている理由であろう。

『シューカツ!』(石田衣良)

2011-04-17 16:33:46 | 読書日記
 「強くなんかない。わたしだって、何度も泣いたし、嫌な夢を見て汗だくで起きたし、逆にぜんぜん眠れなかったこともある。何とか平気なふりをしていただけだよ。」
 
 「シュウカツはただ生きることが濃縮されているだけなのだ」

 「この社会でどれほど格差が開こうと、結局いきいきと働く人間が最後に笑う。」

 「笑顔と魅力と元気なら、厳しいシューカツで鍛えられた千春に敵はないのだから」

 「若いときは誰しも自分はこうなりたい、社会はこうあってほしいと理想を掲げる。だが、厳然と存在する実社会の現実の前に、妥協や諦念を認め、その間にあるだろうもう一つの道を模索するようになる。」

 「そもそも就活では受験のように一生懸命勉強したからと言って、意中の会社に入れるわけではない。採用選考では、これまでの人生で積み重ねてきた経験や考え、物腰、胆力などさまざまな尺度で計られるーと言えば聞こえがいいが、最後は運や縁だったりするものだ。」

 現在は少なくたったとは言え、ある程度の終身雇用制度は残っており、新卒というゴールデンルートを一度踏み外してしまうと、一気に人生設計が狂ってしまう。

 だからこそ、大学3年生になると、大学の勉強もそこそこに就職活動に専念することになる。

 こんな制度はおかしい、と批判するのは簡単だ。しかし、現実にそういった採用活動をする会社が存在する以上、対応せざるを得ないのが学生である。

 肉体的にも、精神的にも厳しいシューカツを切り抜けてきた若者は、きっと一回りも二回りも成長して社会にでていくのだろう。
 自分の人生の糧になる儀式と、真正面から努力する人には、きっといい結果が訪れることでしょう。

 そんな若者を暖かく、鍛え、迎えるのが、我々社会人としての先輩なのだ。

 ことら側こそ、若者に真摯に向き向き合わなければならない。

『高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人』(勝間和代)

2011-04-09 12:14:34 | 読書日記
 ストリート・スマートになることを奨めます。

 ストリート・スマートとは。
①状況理解・判断能力がある
②人の気持ちの機微が分かる
③自立心が旺盛だが、独断的ではない

 答えがないところに様々な自分の経験や知識をぶつけて、まずはアイデアを作り、ポジションをとる能力。

 頭がいい人の7つの習慣
①ものを概念化する癖がある
②切れ味のいい「オッカムのカミソリ」を持っている
③頭の中に充実したデータベースがある
④頭の中から引き出すきっかけを豊富に持っている
⑤新しい方法を常に模索している
⑥数字、特にベクトル数字に強い
⑦リスクテイカーである

 7つのスキル
①決して情報を鵜呑みにしない
②例外処理が得意
③自分の意見を持っており、人の意見に左右されない
④非常識だが生産性が高い
⑤経験と概念を上手につなげることができる
⑥到達点のポイントを見極め、手段を自分で見つけられる
⑦圧倒的なメリハリとスピード感が人を魅了する

 7つの視点
①知的な継続した興味
②クリティカル・シンキング
③概念操作能力
④データ収集能力
⑤画像化能力
⑥数値化能力
⑦言語化能力

 7つの方法
①知識・教養を楽しみながら習得し続ける
②「概念のボキャブラリー」を増やす
③とことん、自分で見て、聞いて、考えて、動いてみる
④一分当たりの情報処理を高めるための投資を惜しまない
⑤自然に生まれた人脈から学ぶ
⑥ストリート・スマートな人の生活習慣を身につける
⑦真の意味での「実直さ」「正直さ」こそが、ストリート・スマートを生む

 「ストリート・スマート」になるために、という視点で、勝間さんのアドバイスが満載です。
 易行はなく、自分で努力して、実践しないと意味がない。
 しかし、努力するにしても、その方向性が間違っていると結果はでない。戦略的に努力するためのツールとして本作品は非常に有用である。

 勝間さんの、たゆまぬ努力をする姿勢に感服させられます。