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群馬の田舎から情報発信!

『フェイク』(五十嵐貴久)

2007-08-19 21:07:27 | 読書日記

 大学への入試試験を合格させることを請け負った私立探偵が、マイクロカメラ等を使ってカンニングすることから話が始まります。しかし、この依頼が罠だったことから、人生を狂わされてしまったメンバーが、その首謀者に復讐を企む。

 そこで、ドロウポーカーというギャンブルで挑むことになるのだが・・・

 一つ目(?)のどんでん返しは、読み進めていく途中で何となく分かりました。しかし、さらにその上をいくどんでん返しが待っているとは想像できませんでした。
 最後のトリックは途中のポーカーの心理戦の細かい描写に比べると、力ずくの感が拭えませんが、最後の最後まで読者を惹きつけて話さないエンターテイメント性には脱帽。「そうかあ。そうくるかあ。」と気持ちよく、作者にまんまと一杯食わされた気がします。
 
 読者を楽しませるコンゲーム。コンゲームとはコンフィデンス・ゲームの略だとのこと。(初めて知った)
 最後に主人公がヤクザにこれから追われてしまうのかと思うとちょっと不安になります。が、コンゲームが作者と読者との知恵比べという側面を持っているとすれば、この作品は十分その名に値する作品となっています。

『ビジネス力の磨き方』(大前研一)

2007-08-18 14:25:58 | 読書日記
 仕事の方向性の探り方、能率、スピード、効果、影響力、壁の破り方、人間性と合意の形成を主題として本です。

第1章 先見力を磨け
 「工業化社会用につくられたシステムに適応できない人が、いまニートやフリーターとなってしまっているというわけだ。それでは、彼らを再生させようという政府の試みは、どの程度効果があがるのだろうか。日本の将来のたという観点から判断するなら、効果はゼロである。なぜなら、再生という考え方自体が間違っているからだ。日本がこれから再び労働集約型の工業化社会に向かうなら別だが~ いまさら工業化社会に適した人間を再生しても使い道がないのである。必要なのは、中国やベトナムの安価な人材を利用して、新しい価値を創造することのできる人間なのだ。」

第2章 突破力を磨け
 「壁に向かって一歩踏み出せる勇気があるかないかが最初の勝負の分かれ目となる。だから、まずはこの勇気を自分の内部に養うこと。一番いいのは先達の偉業に触れ、そこから勇気のかけらをいただくのだ。」

第3章 影響力を磨け
 自分にどれくらいの価値があるのか。それを知りたければ自分という人間の影響力がいったいどこまで届いているかを考えてみるといい。
 影響力を強めるには型をもつことが必要。まずは思考の型を持つこと。
 型を身につけるためにはどうすればいいか。一言で言えば、それが無意識のうちにできるようになるまで、ひたすら反復練習を積むことだ。
「21世紀に有用な、つまり世界で影響力を振るえる人間を育てたいと本気で思うなら、いままでの暗記と従順の代わりにリーダーシップ、コンセプトワーク、コミュニケーションを教育の柱にそえるべきである。」

第4章 仕事力を磨け
 ポイントは2つ。
・「スピードアップ」
 スピードアップのポイントは段取り。経営者は判断が早くないといけない。上に立つ人間はボトルネックにならないよう、全体の時間管理を意識することが必要
 「情報収集力」
 情報収集のためにはサイバー世界を積極的に活用すること

第5章 人間力を磨け
 仕事も人生も下地がなければ楽しくない。

終章  いまなぜビジネス力なのか
 プロフェッショナルのスキルとは、業種や社内の事情を超え、顧客のために何をすればよいかを判断する能力である。白か黒かを聞かれて答えるのは簡単だが、総じて物事は灰色だ。灰色の状態でいち早く答えを考え、判断し、先に動いた企業が勝ちを収める。揉め事を解決する能力も重要で、絡んだ糸を解きほぐし、どちらが正しいかを判断するスーパー・ゼネラリスト的な人材が求められている。

 この本は、仕事に対する向かい方の意識を高めるためのアイデアがたくさん詰まった作品です。
 大前氏の作品を読むたびに啓発されること多大なのですが、なかなか実戦に結びつかないことが多い。この作品は新書であり、インタビューを元に作成されているため、読みやすく、すぐにでも実戦してみたくなる気にさせてくれます。

「紅い鈴」のランチ

2007-08-15 20:17:20 | 群馬グルメ
 久しぶりに美味しい中華料理を食べたいと思い、前橋市にある「紅い鈴」さんに出かけました。

 平日ランチは、いわゆる定食もの・チャーハン・麺類という3種類の中から選択するようになっています。
 
 今日は肉のピリ辛炒めを中心としたランチを注文しました。これに食後のコーヒーが付いて1000円。
 写真にはありませんが、冷やしそばのランチも美味しそうでした。

 家庭的な雰囲気な中で、ゆっくりとランチを食べると、何とも優雅な気分に浸れます。味の方も申し分なく、満足度の高いお店です。
 駐車場がちょっと狭いのが難点ですが、おいしい中華料理が食べたい時には、お勧めのお店です。
 

『しゃべれども しゃべれども』(佐藤 多佳子)

2007-08-11 18:26:59 | 読書日記
 三度の飯より落語が好きな噺家「今昔亭三つ葉」が、対人恐怖症のために仕事をしくじりかけている青年や、口下手のために失恋した娘、生意気なためにクラスで苛めにあっている小学生、あがり症のためにマイクの前に座ると途端に無口になる野球解説者といった一癖ある人達を集めて落語教室を開くことになる。

「どう見ても、忘年会をやるような顔ぶれではなかった。仕事の会でもなけりゃ、趣味の会でもない。落語の名のもとに集まっているが皆が落語好きというわけでもなく、唯一の共通点は、しゃべることに何らかの悩みを抱えているという奇妙な集まりなのだ。」

 そんな人物達が落語教室を通じて成長?し、自分に「良し」と言ってあげられるようになるという、なんとも読後にホンワカした気分にしてくれます。

「『一期一会というんだよ』
 ばあさんが静かにそう言った。
『お茶の心だよ。同じお茶会というのは決してない、どの会も生涯にただ一度限りだという心得さ。その年、季節、天候、顔ぶれ、それぞれの心模様、何もかもが違うんだよ。だからこそ、毎度毎度面倒な手順を踏んで同じことを繰り返し稽古するんだよ。ただ一度きりの、その場に臨むためにね』」

 落語の世界のウンチクもたくさん盛り込まれていて、それだけでも楽しいお話です。

 佐藤さんの作品を初めて読みました。特別な事件が起きるわけではないですが、登場人物のそれぞれのこころの動きにドラマがあり、最後まで飽きさせずに一気に読ませる筆力はすごい。
 また、素晴らしい作者と出会えた気がします。  

「緑のオーナー制度」9割元本割れ

2007-08-04 19:19:07 | Weblog
「緑のオーナー制度」9割元本割れ、林野庁リスク説明せず(読売新聞) - goo ニュース

 国有林のスギ、ヒノキの育成に出資して伐採時に配分金を受け取る林野庁の「緑のオーナー(分収育林)制度」を巡り、満期を迎えた個人、団体の契約1万件のうち9割以上が契約時の払込額を下回る「元本割れ」となっていることがわかった。

 なぜ、このようなことが起きるのか?
 いくら予算が少ないからといって、一般国民から資金を集める手法が本当によかったのか。金融商品として商売するなら、民間と同様、金融庁の厳しい指導があってしかるべきではないか。
 
 これを担当していた職員は、国民に負担を強いることをいったいどう考えていたのだろうか。

 こんなことを知ると、林野庁というのは本当に暇な官庁なのだろうなあと想像してしまう。暇だからこんな暢気な事業を考えられるのでしょう。
 お願いだから、もう余計な事業などせずに、本当に必要な事業だけに資源を投入してほしい。

 なんとも釈然としない事件である。
 

路線価 県庁著在地で前橋が最低

2007-08-02 19:25:20 | 群馬Today
 今日の新聞によると。
 「1日発表された路線価で、各税務署の最高路線価は地域間の土地需要の二極化が進む現状を際立たせた。下落傾向に歯止めが掛からず、旧市街地では活性化を望む声がいよいよ強まる。逆に、商業集積や区画整理などにより利便が向上した郊外などでは上昇に転じた地域も現れ始めた。」

 前橋の中心市街地では空洞化が進む一方、前橋ケヤキウォーク周辺や上毛大橋付近では下げ止まりが始まっているという。
 さらには、高崎駅東口では、ヤマダ電気の新本社が建設中であり、さらにはマンション開発も進み、前年比3%上昇した。

 それにしても、全国の都道府県県庁所在地の中で前橋が最下位というのはショッキングですねえ。
 前橋の中心市街地近くではマンションの建設がいくつも見られますけど・・・。

 前橋市は旧リヴィンを公民館や図書館として再生し、中心市街地の活性化を進めようと考えているらしいが、その程度のことでどれほどの効果が望めるのか。

 地方の中心市街地を活性化させようと、さまざまな「まちづくり」というお題目のもと公的資金が注ぎ込まれていますが、本当に活性化した事例がどれほどあるのでしょうか。極端なことを言えば、大々的に税金を注ぎ込んで寂れた中心市街地にテコ入れするより、いくつもの規制を撤廃して、郊外の開発を民間に委ねることの方が、効率的・効果的にまちづくりができるのではないでしょうか?
 しかし、これでは乱開発が行われ、地域の優れた環境が壊れてしまう恐れがある。どのように地域を維持していくかは、最後はその地域に住む人がどのように考えるかにかかっている。

 では、中心市街地を活性化するにはどうしたらいいか。これまでのように多額の税金を投入してハードを整備するだけでは、よほど大規模な開発をしない限り難しいのでは。それよりは、不動産の流動化を促進させることが必要なのではないでしょうか。シャッターを閉め切ったままでも不動産を所有していたいという人たちが多い状況では、とても市街地の活性化なんて望めないのでは。せっかくの地域の資産と考えるなら、よりうまく活用できる人が活用すべきでは。中心市街地を「公共の土地」という認識が地域の人に共有されてはじめて、税金の投入が許されるのではないでしょうか。

 不動産の流動化という視点から言うと、地下の下落というのは悲観的なものではなく、楽観的に考えてもいい事象なのかもしれません。

『交渉人』(五十嵐貴久)

2007-08-01 21:18:50 | 読書日記
 五十嵐氏の作品を読むのは「2005年のロケットボーイ」以来、2作目です。

 この「交渉人」は、とても同じ作者の作品とは思えない小説です。巧みに張り巡らされた伏線が、最後の謎解きで一気に解き明かされます。最終章のどんでん返しには、さすがにびっくり。良質なエンターテイメント性を備えた本格ミステリーに仕上がっています。

 交渉人の交渉術をさわりだけ教えてもらった気がしますが、現実の交渉人というのはもっと高度なテクニックを使うのでしょうか?
 そして、実際の特殊捜査班の実力はいかほどか?興味が沸きます。

 医療過誤という重いテーマを取り上げ、どんな不条理にあって、どんなに許せない思いを持っても、それでも人を殺してはいけないという、主人公のメッセージが印象に残ります。

 まだまだ才能あふれた作家がたくさんいるのですねえ。

県民プロ球団が12月に設立

2007-08-01 21:05:42 | 群馬Today
 今日の新聞によると、北信越BCリーグへの来年4月参加を表明。
 野球による地域貢献を根幹に地元大学等とも連携しながら、ゲーム開催やスポーツイベント開催などを行うという。

 すでに長野や富山・石川などで設立されているとのこと。

 プロという以上、収入を得る必要がありますが、どのような形で維持していくのか興味があります。

 サッカーが一早く地元密着型のプロの形を示してくれていますので、野球も乗り出したということでしょうか。

 野球人気に翳りが見え、サッカー人気が高まる現状から、競技人口の裾野を広くし、層を厚くすることで、競技レベルの向上+プロとしての業の成立が見込めるのでしょう。

 前から気になっていたのですが、野球界というのはプロとアマの壁を作りすぎたのではないでしょうか。もっとプロとアマとの交流があった方が、野球の魅力を発信するには役立ったのではないでしょうか。今の高野連の議論にもつながりますが、野球界の特殊性が際だっている気がします。

 果たして、この試みがうまくいくかどうか、楽しみに見守りたいと思います。