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群馬の田舎から情報発信!

『サッカー ファンタジスタの科学』(浅井 武監修)

2010-03-22 11:50:53 | 読書日記
 サッカーを科学的に分析している方々が、その成果を記した作品です。

 特にインサイドキックの章は面白かった。

 日本人が普通に行っているキックと、現名古屋グランパス監督のピクシーの蹴り方には違いがあり、サッカーを始めて間もない子どものキックはピクシー流が多いとのこと。

 日本人のインサイドキックは、ボールの真後ろから助走をし、まっすぐにボールを押し出す形で蹴る。しかし、ピクシーはインステップキックなどと同じように、斜め後ろから助走をとり、足の振りも、インステップキックなどと同じような方向にインサイドキックを蹴るとのこと。足の付け根に負担をかけない、自然な蹴り方だということです。

 日本人のインサイドキックも、低く、正確なパスをするために築き上げられてきた方法であり、一概にどちらがいいは言えないかもしれませんが、インサイドキックにもいろいろな蹴り方があるということ自体、新鮮でした。

 サッカーを科学することがますます盛んになって、サッカーがますます進化していくことは楽しみです。
 著者達の研究を期待しています。

『「決定力不足」でもゴールは奪える』(杉山茂樹)

2010-03-22 11:35:23 | 読書日記
 ヨーロッパサッカー界は「ストライカー」の時代に入っている。
 Cロナウド、メッシ、イブラヒモビッチ、ルーニーなどなど。

 一方、日本代表は相変わらず「決定力不足」を嘆いている。

 著者は、MF至上主義で、ストライカーを育ててこなかった日本サッカー界の体質自体を疑問視するとともに、頂点に立つ現代表監督の岡田監督にまで批判の矛先を向けています。

 確かにサッカーは点を取ることが勝利には必要であり、「ボールを奪ってから、パスをつないで、シュートを決める」という発想ではなく、「どういうゴールを奪いたいか」ということから、逆算して、戦術を立てるべきという著者の発想には頷くものがあります。
 ストライカーが王様であり、ストライカーが望むシュートを打てるように、MFであれ、周りの人間はボールを供給すべきとの視点です。

 ”キラーパス”に何とか追いついて、信じられないような身体能力でゴールを決めることを望むのではなく、「ごっつあんゴール」をいかに決めるかを考える方が、勝つためには効率がいい。

 サッカーの醍醐味はやはりゴールですから、多くのゴールシーンが生まれる試合の方が、見ていて楽しいですからね。

 とは言え、サッカーの戦術は奥深く、多くの手法があるうえ、流行り廃りもあるらしく、進化し続けているのですねえ。

 ますます、サッカー観戦に熱が入ります。
 

『夢のスイッチ』(渡邉美樹)

2010-03-22 08:59:35 | 読書日記
 「夢=思い浮かべるだけでワクワクすること」
 
 夢七カ条
①強く思う事を夢とする
②思い浮かべる時、心が温かくなるような事を夢とする
③夢に日付を入れる
④夢へのプロセスの中で、反省と計画修正を繰り返す
⑤強くイメージし続ける
⑥絶対にあきらめない
⑦運をよくする

 日本を代表する経営者の渡邉氏が、自己の欲望を満たすために生きているのではなく、「公」を意識して、多くの人を笑顔にしたいと思い、日々活動しているということを知り、意外でした。

 また、「運」を大事にしているというのも意外です。
「運をよくするためんは何をすればいいか。「ここに神様がいる」と思うことです。周りに誰も居なくても、神様はそこにいて、きみを見て、応援しています」

 神様に応援してもらえるよう、夢のスイッチをONにしようという気にさせてくれる作品でした。

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの「マネジメント」を読んだら」(岩崎夏海)

2010-03-17 20:47:10 | 読書日記
 「あなたは、どんな野球をしてもらいたいですか?」
 「ぼくたちは、それを聞きたいのです。ぼくたちは、それをマーケティングしたいのです。なぜなら、ぼくたちは、みんながしてもらいたいと思うような野球をしたいからです。ぼくたちは、顧客からスタートしたいのです。顧客が価値ありとして、必要とし、求めているものから、野球をスタートしたいのです。」

 ドラッカーの「マネジメント」を読んだことがないのですが、この作品を読んで、ドラッカーを読んでみようと思うようになりました。

 組織とは何か、またそれを円滑に運営するためにはどうすればいいか。1973年のの作品ということですが、今でも通じる格言が多数含まれているようです。

『サッカー スカウティングレポート』(小野 剛)

2010-03-06 22:33:52 | 読書日記
 「スカウティング」という言葉を初めて知りました。

 代表の試合や、プロの試合となると、相手を徹底的に分析して、試合に臨むということが重要なのでしょう。

 しかし、相手チームを分析するためには、それに必要な観察眼をも持っていなければならない。
 観察眼を養うためには、やはり「いい試合」をたくさん見ることが大事。そいて、その試合を基準に、どこが違うのかを見出すことができるようになる。

 一サッカーファンとすると、そこまではなかなかいかないですが。御贔屓のチームの好・不調を見極めるようにはなれるかもしれませんが・・・。

『ジャンボ機長の状況判断術』(坂井優基)

2010-03-06 22:06:44 | 読書日記
 「ビジネスマンとして重要なのは、「勝つ」ことよりまず「生き残る」ことです。」

 パイロットの世界では、過去の事故の反省からチェックリストをはじめとして、失敗しないためのさまざまな技法が開発され、またいろいろな知恵が伝承されてきている。

 「生き残るための第一歩は、仕事をしつつも失敗しないことです。」
 
 失敗しないためには、①正しい状況判断②正しい決断③正しい行動 が必要である。

1 状況判断
(1)自分の状況判断
 ①何か違いがあると思って情報を捜せ
 ②見えない部分は悪いことを想定する
 ③自分から情報を取りにいく
 ④YES、NOで答えられない質問をする
 ⑤話しやすい雰囲気をつくる
(2)他人の状況判断
 ①状況判断を共有する
 ②意図を共有する
 ③悪い報告ほど早めに行う
 ④とりあえず第1報を報告する
 ⑤とりあえず第1報を報告する
 ⑥念のため情報を発信する
 ⑦何も変わったことはないという情報
 ⑧気になったことは口に出す
 ⑨ストレートに言う
2 決断
 ①制約条件を見つける
 ②条件の違いに着目する
 ③空振りでもいいから対策を発動する
 ④悪い仕事をしないという決断を行う
 ⑤引き返す判断基準点をつくる
 ⑥一度決めたらブレない
 ⑦誰かが言いだしたことは真剣に考える
 ⑧代替策は最低三つ考える
 ⑨その後の手段が多くなるような決断を行う
 ⑩自分の考えのあらを捜す
 ⑪優先順位をつける
 ⑫うまくいっても反省する
 ⑬決断ノートをつくる
 ⑭決断の役立つ本の読み方をする
 ⑮自らが決定する
 ⑯責任を自ら取るようにする
 ⑰平時は悲観論者、有事は楽観論者になる
 ⑱自分をよく見せようとしない
 ⑲すべては波と考える
3 行動
 ①「五分前」で行動する
 ②チェックリストを作る
 ③仕事のフライトプランをつくる
 ④人間は割り込みに弱い
 ⑤いつでも共通のオペレーションを行う
 ⑥役割分担を明確にする
 ⑦二人で二人分の仕事を行う
 ⑧ルックバックを行う
 ⑨不要なものを切り捨てる
 ⑩調子が悪いときは最低限のことしかしない
 ⑪すべてを80点以上にする
 ⑫余裕度を大きく取る
 ⑬設計図を張り出す
 ⑭データを保存する
4 適切な行動をするために
 ①システムで解決する
 ②手順を省かない
 ③実践的な訓練を行う
5 やってはいけないことをやらないために
 ①自分のすることを周りに知らせる
 ②しまったと思って行動しない
 ③心のなかで合理化しない 

『悪意』(東野圭吾)

2010-03-06 21:57:11 | 読書日記
 加賀恭一郎の活躍する作品です。

 犯人と加賀との手記と独白とが交互に繰り広げられ、徐々に殺人の真相が明らかにされるという、独特のスタイルの作品です。

 早い段階で犯人は分かってしまいます。「これでこの後の展開はどうなるの???」と思っていたところ、その後の真相がわかるまでのどんでん返しが待っていようとは・・・。
 構成の巧さには脱帽です。それにしても、最初の犯人の手記にも、読者を騙すトリックが使われていたなんて・・・。

 そして、表題の「悪意」。人間の持つ「悪意」を見事に描いています。こんな考え方をする人もいるだろうなあ、と思うとともに、人間の恐ろしさを改めて認識させてくれる作品でもあります。