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『鴨川ホルモー』(万城目 学)

2009-04-28 21:53:27 | 読書日記
 「ホルモー」はけっして「ホルモン」ではない。
 「ホルモー」はオニを使用した対戦型競技の名前である。
 決して、戦国時代の話ではない。現在の京都を舞台とした大学対抗の戦いである。
 しかし、読み終えた後も、「ホルモー」の意味が分かったような分からないような。とどのつまりあまり正確には記述されていない。その競技の奥深さがうかがい知れるだけである。

 なんとも荒唐無稽な設定ではあるが、「ホルモー」の世界にぐいぐい引き込まれてしまいます。
 京都を舞台としているせいか、時代感が薄れ、独特の世界を展開しています。

 とは言え、今時の大学生を描いており、友情あり、恋愛ありと、エンターテイメント性は十分。

 最初から最後まで楽しく読ませていただきました。
 
 ホルモーの競技の場面も確かにおもしろいのだが、主人公阿部と楠木ふみの掛け合いが何といってもおもしろい。
 朴訥とした楠木が「黙れ、阿部」と呼び捨てで命令するあたりは、何とも言えない可笑しさである。

 あえて分類するとすればファンタジーであろうか?

 万城目の他の作品も読んでみたくなりました。


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