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群馬の田舎から情報発信!

『川は静かに流れ』(ジョン・ハート)

2009-04-16 20:09:25 | 読書日記
 「僕という人間を形作った出来事はすべてその川の近くで起こった。川が見える場所で母を失い、川のほとりで恋に落ちた。父に家から追い出された日の、川のにおいすら覚えている」殺人の濡れ衣を着せられ故郷を追われたアダム。苦境に陥った親友のために数年ぶりに川辺の町に戻ったが、待ち受けていたのは自分を勘当した父、不機嫌な昔の恋人、そして新たなる殺人事件だった。

 アメリカの田舎の風景が、目に浮かぶ、ゆっくりとした語り口。
 ミステリー色もあるが、家族の絆について、じんわりと描いた作品です。

 生まれ育った狭い空間。そこで起こった悲劇。故郷を一時的に離れながらも、いつも心にある風景。
 
 一度故郷を離れると、より故郷の素晴らしさが分かるのかもしれません。そして家族の素晴らしさも・・・。

 田舎では時の流れが都会よりゆっくりしているように見える。しかし、それでも時は流れているのである。
 人間なんてちっぽけなものと思わせるような大きなうなりの中でも、確実に時は流れている。

 人の心も常に動いている。そんな中だからこそ、いつでも帰ることができる家族がいるということ。その素晴らしさを改めて感じさせてくれました。
 
 


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