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『ジェネラル・ルージュの凱旋』(海堂尊)

2009-03-15 11:04:44 | 読書日記
 医師不足が叫ばれているなか、医療現場では何が起きているのか。
 救急医療、ドクターヘリなどは採算の採れない分野。大学病院も独立法人化され、不採算部門は切り捨てられる?
 救急医療は確かに患者が運ばれてこないと仕事にならない。しかし、いつ何時患者が運ばれてきても対応できるよう、しっかりとした体制を整えて置かなくてはならない。そういった意味では不採算にはなりがちなのでしょう。
 そんな中で医師や看護師といった現場で働く人たちが疲弊していく。

 後半のタンクローリー炎上事故の救急医療の場面は圧巻です。「すべてうちで引き受けろ」という速水部長の言葉がカッコイイ。「患者を俺のところへ連れてこい。そうすれば、俺が助けてやる!」という医師としての気概が素晴らしい。

 個人的にはロジカルモンスター白鳥があまり活躍していないのがちょっと不満。
 しかし、収賄の告発という事件だけで、大学病院内にあるエシックス委員会やリスクマネジメント委員会といった仕組みや、さまざまなドロドロとした人間関係が盛りだくさんに詰め込まれていて、ミステリー色は薄いが一級のエンターテイメント小説に仕上がっています。 


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