FEEL ambivalence

毎日、いろんなことを思います。
両極端な感じで。

両面価値。
同一対象に対する愛憎共存。

はやぶさ 遥かなる帰還

2012-02-18 00:47:54 | 映画
レイトショーに行ってきました。
車で5分の映画館って便利。思い立ったらすぐにいける。

さて、『はやぶさ 遥かなる帰還』です。

昨年公開された『HAYABUSA』に続いて、二作目の『はやぶさ』映画化作品ですね。


えー、正直な感想は「レイトショーで見て良かった」。
レイトショーは1200円ですし、それほど損した感は無かったと。

前作、『HAYABUSA』と比べられてしまうのは仕方ないです。
そういう作品です。


一番泣いたのは、冒頭のM-V5号機による打ち上げシーン。
このところ、『はやぶさ』関連書籍、というか、川口先生が書かれた本を読んでいるせいで、
あれが引退したM-Vロケットか、とか、あれが『はやぶさ」用に専用設計されたキックモーターか、
なんて考えながら見ていました。
細部まで綺麗に再現されているなぁ、と思いを馳せていたせいで、
「はやぶさ」が太陽電池パネルを開くときにぶわぁーっと泣いてしまいました。


今回は語り部が夏川結衣さん演じる新聞記者さん。朝日の腕章してましたね。
制作に朝日新聞が入っているからでしょうか。
部外者が語り部というスタンスのせいか、いまいち感情移入できませんでした。
彼女を取り巻く環境とか、人間ドラマとか、うーん。
『はやぶさ』を観に行ったのであって、部外者のドラマはそんなに要らないのでは?
むしろ、山崎努さん演じる町工場の親父をもっとクローズアップしてもいいって思いました。
ところどころに、「あきらめるな」「挑戦しろ」というメッセージが隠されているのかな、と感じたけど、
うっすら過ぎるよ。もっと、もっと強くメッセージ性を出してもいいんじゃない?
あ、予算が無いっていうのは伝わった!(笑)
文部科学省にもっと予算を!


NECの社員さんを演じていた、吉岡秀隆さんの演技がどうにもキツくて、それが引っかかったなー。
確かにNECという大企業が、カネにならないプロジェクトに絡んでいるのだから、
つらいところがあるのはわかる。
でも、常に「ぼくは反対です!」って。しかもイオンエンジンが家族の設定は最初だけかよっ!


あきらめないのが「はやぶさ」なんじゃないの?
できない理由よりも、どうしたらできるようになるかを模索したのがはやぶさでしょ?
今回の映画は全編を通して、そんな風に言いたくなる。
プロジェクトチームの中でも、「こりゃムリだ」「やめましょう」とか飛び交ってたし。
渡辺謙さんと江口洋介さんの二人が諦めが悪いみたいに見えてました。
川口さんの著書を読むと、確かに暗くなりそうなムードを必死に上向かせていたのはわかるんだけどね。
なんかちょっと違うような。


あとは、専門用語をいきなり出してる。「1ビット通信」とか。
これって火星探査機「のぞみ」の救出運用で生まれた技術なんだよね、とか、
そういうのを織り交ぜるだけでもずいぶん違うと思う。
たぶん、わかってない人が見たらつまらなく思うんじゃないかな。
字幕でいいからちょろっと説明を入れるだけで違うと思うんだよね。
知ってる人も説明を見て、そうそう!って思えるし。
前作『HAYABUSA』は広報担当の竹内結子さんが一つずつ、わかりやすくフォローしていたのにね。


帰還のシーンもあっさり過ぎて、ちょっと拍子抜け。最後の写真の扱いが…。
そんなに関わっていない(作品中では一瞬で3年半飛ぶ)夏川結衣さんが号泣してるとこを長く映されても、
映画見てるこっちはちょっと引くって。
むしろ輝く「はやぶさ」をもっと映してよって思った。
はやぶさを観に来たんだよ。


全体的に男っぽいドラマに仕立てたかったんだろうけど、ねぇ。
制作側は「はやぶさ」の物語をとにかく映画にすれば売れると思って作ったのかな。
確かにところどころ、おっ!というシーンはあったし、何度か涙したけれど…。


このお話は既にネット上で、同人誌でこれでもかって言うほど語られています。
探せば良作はいくらでも出てきます。
そこにこれかよっ!って。

演じられている俳優さんが豪華だったし、
映像も綺麗だったし、音楽も素敵でした。
それだけに、残念感が漂います。

まー、DVDになったらもう一度観てみます。


といことで、ぼくは来月発売の『HAYABUSA』ブルーレイを購入しようと決めたのでした。

はやぶさ/HAYABUSA デラックスBOX〔初回生産限定〕 [Blu-ray]
竹内結子 (出演), 西田敏行 (出演), 堤 幸彦 (監督)
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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